各電子書籍店のレビューと全店での読みやすさ、品揃えを比較してきました。
それらを踏まえた上で、総合的にお勧めできる電子書籍ストアはどこなのを個人的な観点からまとめています。
各電子書籍店のレビューと全店での読みやすさ、品揃えを比較してきました。
それらを踏まえた上で、総合的にお勧めできる電子書籍ストアはどこなのを個人的な観点からまとめています。
Contents
利用に必要な会員登録を億劫に感じてしまう人は少なくないでしょう。
ユーザーにとっては最初のハードルとも言えますから、少しでも簡単なことに越したことはありません。
まず、無料書籍なら会員登録なしで読めるパピレスが最も始めやすいでしょう。
あくまで無料版に限られますが、どんなものか読んでから決めたいという場合には適しているストアですね。
ただし、コミックの品揃えが皆無なので漫画目当ての人は検討はずれかも。
次は他サイトのアカウントが使用できるhonto、BookLive!でしょう。
多くの人がアカウントを取得しているであろうAmazonのKindleも敷居の低い方でしょうね。
少しでも利用開始までの手間が省けるので助かる仕様です。
個人的に最も手間を感じたのがネオウイング。
理由は住所氏名、電話番号が必須だった点です。
これは紙書籍購入時などに必要だからでしょうが、他の紙書籍取り扱い店の場合、住所や電話番号入力は“希望者のみ”という配慮がありました。
電子書籍の利用なのに、いきなり住所や電話番号を登録することに戸惑うユーザーもいるかもしれませんし、入力の手間もかかり面倒に感じた部分ですね。
それぞれのストアの特徴を簡単に紹介します。
ネオウイング
特集の下にすぐにワード検索窓、カテゴリ欄が用意されているので目的の書籍を探すのは比較的容易ですね。
その下に話題作や新着作品をラインアップして旬の読み物を提供してくれます。
ブックウォーカー
一号館、二号館など最初に大まかなジャンル指定が出来るのが良いですね。
ワード検索窓は最上部にありすぐに使えますが、ジャンル検索機能が一番下の方にありそこまでが遠いです。
ebookjapan
ワード検索窓、ジャンル検索アイコンが上部に設置されておりアクセスしやすい印象。
詳細ジャンルは下に設置されていますが、そこまで距離があるわけではありません。
紀伊國屋
最初に大まかなカテゴリが用意されています。
欲しいものリストを登録しておけばそれも上部に画像付きで表示してくれますよ。
「すべての本から探す」は一番下にあります。
常に検索アイコン(虫眼鏡)が右上部に表示されるので、いつでも使えるのが便利ですね。
アプリからはバーコードの読み取りで書籍を検索できるのも◎。
パピレス
「フロアから探す」がすぐに目に飛び込んできます。
自分の好みの内容のフロアにいち早くアクセスできますね。
「ジャンルから探す」は下の方にありますが、そのジャンルが事細かく表示されています。
ワード検索窓は常時ステータスバーに表示されるので、どこへスクロールしてもすぐに利用可能です。
Kindle
ワード検索窓がすぐに目につき、大まかなカテゴリとセール品もその下に。
トップ画面が文字だけなのはKindleのみで最もシンプルな構成です(スマホ版)。
詳細なジャンル指定は“更に絞り込む”から可能なので見落とさないように。
honto
ワード検索窓、ジャンルが頭に表示されていて使いやすいです。
マイページでは購入、閲覧履歴などからおすすめの商品を表示してくれるなど、サイトのオリジナリティも高いと言えるでしょう。
BookLive!
カートや利用ガイドなどメニューアイコンが一列され、すぐそばにワード検索窓やジャンルタブが用意されています。
人気キーワード、無料コーナーも上部に表示。
中盤のおすすめコーナーの一覧も見やすくて好印象。
ジャンル一覧は下部にありますが、トップに戻れるボタンが右下に表示されているのでいつでも上部にジャンプできます。
品揃えに関しては品揃え比較で大まかな数字を調べました。
そこで見る限りではパピレスは漫画派の人にとっては不要なストアになるでしょう。
小説系の数だけで見れば多い方ですが、それでも飛び抜けて優れているわけではなくむしろ表示される数の上ではかなり下位になってしまいます。
同じく品揃え比較で総括したように、パピレスとネオウイング以外であれば平均、もしくはそれ以上のラインアップにありつけそうです。
ネオウイングに関しては今後の拡大に期待したいですね。
パピレスはRenta!との併用がオススメといえるでしょう。
紙の書籍もよく読むという方ならその管理もできてしまうhontoが使い勝手が良さそうです。
hontoで購入した紙書籍はもちろんのこと、他店で買って読んだ書籍もストア内のマイ本棚へ入れてしまう事ができます。
アプリの本棚のみで使い勝手を考えると、個人的にはこの二社のものがおすすめです。
まず紀伊國屋書店のkinoppyですが、メイン本棚以外に自分でオリジナルの本棚が作成可能。
予め用意されている“未読の本”や“最近読んだ本”、“最近購入した本”にはそれに該当する書籍が入りますから、棚を作るのが面倒という人でもある程度は分類が可能です。
また、Dropboxと連携可能だったりバーコードの読み取りから書籍を検索できるのも便利ですね。
次にBookLive!。
こちらの本棚を開くと“HOME”という本棚が中心に展開されますが、ここには最近読んだ本のほかにおすすめの書籍や今だけ試し読みできる書籍が並びます。
特に目的なく書籍を探そうと思った方にも最初にこういったものが目に飛び込んでくるので選択肢の一つになるでしょう。
オリジナルの本棚が追加できるのはもちろん、予め“2days購入”と“立ち読み”の書庫が用意されているので分類も手軽です。
鍵付き本棚が作成できる点も人によっては助かる機能になるでしょう。
ブックウォーカーでは他の電子書籍ストアで購入した書籍もアプリの本棚へ収納、ビューアでの閲覧が可能です。
対応書籍やストアは限られますが、複数のお店を利用するという方にとっては助かるサービスですね。
本棚連携機能から連携したいストアを設定しておきましょう。
読みやすさ比較でも紹介していますが、やはり滑らかでスムーズ、素早いページめくりに対する反応などいずれのレベルも高かったのがKindleでしょう。
スマホの小さな画面で漫画を読む際に重宝するトレースズーム機能を備えている点も高評価できますね。
無料でダウンロードできる辞書が備わっている点も他にはない機能で便利です。
両ストアのアプリにはビューアに備わっている機能が比較的豊富だと感じました。
特に個人的には紀伊國屋のものが細かい部分まで便利に感じる点が多かった印象です。
ページめくりの操作性も問題ないレベルですし、初心者から電子書籍を頻繁に利用する方まで幅広くお勧めできるでしょう。
購入に関しては基本的に直接書籍代金を支払うストアが多かったのですが、パピレスのみ専用のポイントを事前に購入しなければなりません。
ポイントの購入方法はクレジットカードやドコモ、au、ソフトバンクの携帯決済、電子マネー、プロバイダ決済が数社と豊富な方ですが、そもそも事前に支払わなければならないという点が気になる人もいるでしょうね。
前者はクレジットカード、ドコモとauの携帯決済のみ。
後者はクレジットカード、Amazonポイント、Amazonギフト券のみです。
特にKindleに関しては他のAmazonストアと異なる内容なので注意したいですね。
hontoはソフトバンクユーザーにとっては不利な条件になりそうです。
電子マネーに関してはWebMoneyやBitcashに対応しているところがいくつかありました。
ブックウォーカーは楽天Edyやsuica、iDなど利用可能な場所がトップレベルの人気電子マネーが使えるのでこの点は大きいですね。
また、ネオウイングはコイン購入時のみですが唯一コンビニ決済が可能です。
ebookjapanも楽天銀行決済や楽天Edy、プロバイダ決済を数社で可能など豊富な決済方法が用意されていますが、ダイナマイツ作品のみ支払方法が限られるので注意したいですね。
三省堂書店店頭決済サービスが用意されているBookLive!。
専用アプリ「クラブ三省堂」が必要となります。
当アプリから欲しい作品のバーコードを取得し、店頭レジにてバーコードを提示して支払をします。
するとBookLive!チケットコードが得られるので、BookLive!ストアのマイページからコードを入力しましょう。
これでその作品の電子書籍がGETできます。
現金で購入できるかわりにアプリからバーコードを得るという手間があるほか、チケットコードは再発行不可ということも確認しておきましょう。
様々なサービスの中でも代表的なものが「ポイントシステム」。
基本的にいずれのストアでもポイント制が導入されており、そのストアで買えば買う程ポイントが貯まるのでお得ということになります。
ポイントがお得に貯められる書籍の販売、イベントなども各社様々用意されています。
電子書籍だけでなく、リアルでの買い物でもポイントを貯める事ができるのはhontoと紀伊國屋書店、BookLive!です。
hontoは提携しているジュンク堂や文教堂などでhontoカードを提示すればポイントの付与が受けられますし、紀伊國屋も自身の店舗で買い物をすれば同様です。
BookLive!はTポイント制を導入したばかり。
リアルでTポイントを貯めている人にとっては非常に利便性が高いストアとなるでしょう。
ポイントを効率良く貯めるという点で言えば、書籍以外のものを購入して得たポイントも使えるネオウイングとKindleも魅力でしょう。
特にKindleはAmazonで買い物をしたポイントを使う事ができるので、多くの方が利用する機会があるのでは。
Amazonと比較すれば仕方ないですが、ネオウイングは知名度の低さがネックになりそうです。
ストアにて会員ランクシステムを採用しているのはブックウォーカー、紀伊国屋、BookLive!、ebookjapanになります。
このうちebookjapnは累計50冊以上購入という条件を満たすとゴールド会員特典として、オリジナルのWebマガジンが無料でダウンロードできます。
それ以外のストアでは、購入価格に応じてランクがアップし、ランクが高い程ポイントの付与率も高まる、というものです。
同じ電子書籍を購入するならば、やはり少しでもポイントが貯めやすいストアの方がお得に感じますよね。
Amazonプライムに加入すると、対象となるKindle本の中から好きな本を毎月無料で読む事ができます。
プライム会員には他にも通販時の送料がお得になるなどメリットがありますから、Amazonを多用するという人なら知っておきたい情報ですね。
Android | iOS | Windows | mac | その他 | 利用可能端末数 | |
---|---|---|---|---|---|---|
ネオウイング | ○ | ○ | ○ | 3 | ||
ブックウォーカー | ○ | ○ | ○ | ○ | 7 | |
ebook | ○ | ○ | ○ | ○ | 5 | |
紀伊國屋 | ○ | ○ | ○ | ○ | ソニー ”Reader” | 5 |
パピレス | ○ | ○ | ○ | ○ | ソニー ”Reader” | |
Kindle | ○ | ○ | ○ | 専用リーダー | 6 注 | |
honto | ○ | ○ | ○ | 5 | ||
BookLive! | ○ | ○ | ○ | ○ | Lideo | 5 |
注:書籍によって異なります
すべてのストアがAndroid、iOS、WindowsPCに対応していますが、これに加えMacにも対応となるのはブックウォーカー、ebook、紀伊国屋、パピレス、BookLive!です。
リーダーで読む事ができるのは同名の専用端末をリリースしているKindle、ソニーReaderが使用できる紀伊国屋とパピレス、Lideoが使用できるBookLive!になります。
一つのアカウントを複数の端末で利用できる機能が備わっているのも全店共通ですが、異なるのがその端末数。
最も少ないのがネオウイングの3台でした。
Kindleは1つの書籍につき6端末までダウンロード可能ですが、書籍により数が少ない場合もあるようです。
パピレスも複数端末での利用が可能ですが、現在は得に制限数の記載がないようです。
個人的にはこの三社が全体的なバランスから万人にお勧めできると考えます。
品揃え、アプリの使い勝手、支払方法、サービス、対応端末、利用可能端末数・・・それぞれが“これは不満”とまで思う部分が非常に少なく、安定感のある電子書籍ストアという印象でした。
次点でhonto、ebookjapan、Kindleですね。
各社とも品揃えは豊富で個別に見ると上位三社よりも優れている点もあるものの、(honto・Kindleの支払い方法の少なさなど)総合的なバランスを考慮したときに悩む部分があったのが理由です。
この三社と上位三社のレベルがかけ離れているということでは決してなく、あくまでも全体的なバランスで判断した結果です。
残念ながら自信を持って万人にオススメできる、とまでは言い切れなかったネオウイングとパピレス。
あくまで個人的な感想なので、ネオウイングの通販サイトも利用する方、パピレスの品揃えが好きな方など相性の良い人もいると思います。
総合的に比較した際には弱い印象かもしれませんが、一つ一つを切り取った時に光るものがあるのも事実でしょう。
品揃えやビューアの機能が重要な電子書籍ストア。
それ以外にも細かい点で不満に思うところがあると長くは使いづらいものです。
1店のみで満足できれば理想ですが、書籍をよく読む方はいくつかのストアを利用可能にしておくのも良いでしょう。
品数やアプリの機能だけでなく、ストアの使いやすさやサービスの良さ、自分に合った支払方法など様々な観点からあなた好みのストアを是非見つけてください。