2017/05/21
毛穴が人体にもたらす3つの働き(体温調整・老廃物の排出・肌の保護)
毛穴と聞いてどんなイメージを持ちますか?あまり良い印象が湧かなかったあなた、実は毛穴は人体にとって非常に大切な働きをしているのですよ。
毛穴の開閉や鳥肌は体温調節をする大事な作用
皮脂や汗の排出で老廃物をデトックス!
肌を守るバリア機能も毛穴が働いているおかげ
様々な役割を持つ毛穴の働き
普段毛穴と呼んでいるもの、正式には「毛包(もうほう)」の一部です。
毛包は皮膚内部にある毛根を包むように存在する窪みで、皮膚表面から見えている部分が毛穴。
毛包は胎児期にその数が決定し、個人差もありますが1cm四方あたり20個は存在すると言われます。
毛穴はあなたが生きて行く上でなくてはならない存在です。
…こう聞くとちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、毛穴の本当の役割を知ればその理由がわかるはず。
毛穴は見えない方がいい、いっそなくしたい…トラブルが続くとこんな気持ちにもなりますが、とんでもない!毛穴が持つ重要な役目を大きく3つに分けて解説します。
毛穴の開閉による体温調節機能
人間の体には、無意識に働く生命維持機能があります。
そのうちの1つが「体温調節機能」。
体温が下がりすぎ、高すぎても命の危機に関わるため、体温調節機能なしでは生きていけません。
この重要な働きを担うのが毛穴なのです。
毛穴は温度の違いを敏感に察知し、開閉を繰り返します。
寒い時は閉じて体温が逃げるのを阻止し、暑い時は開くことで熱を逃がしやすくするのです。
また、寒いと感じると鳥肌という状態になりますね。
これは毛穴にある立毛筋が収縮するためで、毛を立てることで体温を下げないようにしているのですよ。
皮脂や汗から毒素を排出
暑い時や時間の経過とともに増える皮脂や汗。
これらは毛穴から分泌されるもので、老廃物や有害金属など不要なものも一緒に排出しています。
毛穴から出る汗は“アポクリン汗腺”から分泌した汗。
アポクリン汗腺から出る汗にはタンパク質や脂質が多く含まれ、皮膚常在菌に分解されることで特有の臭いを発します。
「ワキガ」と呼ばれる症状の原因になるのもアポクリン汗腺から出る汗です。
アポクリン汗腺は脇や耳の中、陰部、乳首などに多く、同じパーツの臭いが気になりやすいのはこのためなのですね。
本来はフェロモンの役目も担っていますが、近年はアポクリン汗腺から出る汗の臭いに敏感、苦手な人も増えているようです。
顔や全身に多く分布しているもう1つの汗腺「エクリン汗腺」ですが、これは毛穴とは繋がっておらず単独で存在、働いています。
天然のクリームを作って肌を保護
毛穴から分泌されている皮脂は、本来肌の保護機能として働く大事な存在です。
皮脂は汗と混ざり合い、天然のクリームと呼ばれる膜を皮膚表面に張ります。
これが外的刺激から肌を保護したり、保湿の役目を担っているのです。
また、皮脂は皮膚表面のphを弱酸性に保つのにも役立ちます。
phとはアルカリ性と酸性の度合いを示す値のことで、健康な肌は弱酸性と言われるのです。
皮脂が減りすぎると皮膚はアルカリ性に傾き、様々なトラブルの引き金になります。
テカリやベタつき、化粧崩れなどの観点から悪者扱いされやすい皮脂ですが、正常な量の範囲は美肌を維持するために必要なのですよ。
毛穴は人体に不可欠な器官だった!
時にトラブルの引き金になったり、目立って印象を悪くさせる毛穴。
でも、本当は体の保護や生命維持に不可欠な存在なのです。
大切なのは、毛穴が本来の役目をしっかり果たせるようなスキンケアを行うこと。
毛穴の働きが狂うことも、肌荒れのキッカケになるのですよ。
毛穴を邪魔者扱いせず、上手に付き合っていけるスキンケアを目指しましょう!
参考サイト:【医師監修】毛穴はとても大切な存在です | スキンケア大学
