Q,包丁の日常的なお手入れについて教えて下さい。新しく買った包丁(2000円)が一週間で錆びてきました。日常的にできる簡単なお手入れの方法と、この錆びてしまった包丁を復活させる方法があれば教えて下さい。
A,御購入後一週間で錆びが発生したということですが、錆びるということは鉄製の包丁だと思います。
錆びる原因ですが、水分がおもな原因だと思います。あとは、何らかの原因で“酸性の物質”が付着したことによる、“腐食”もあり得ます。
包丁の保管場所ですけれども、“湿気の高い”様な場所でしたら、すぐに場所を変えてください。いくらきれいに洗って、しっかり乾燥させても意味がありません。また、最近はやりの“ラック”に差し込んで保管するタイプをお使いでしたら、シンクの近くにはおかない方がいいです。
なぜかと言うと、飛沫が飛んで包丁にかかると、濡れたまま保管して錆びさせた場合と同じことになるからです。鉄は湿気を嫌いますから、徹底的に湿気から遮断することをお勧めします。保管場所には、くれぐれもご注意願います。
次に日常的なお手入れですが、使ったあとは普通の食器洗い用の洗剤で、油分やその他の汚れをしっかり洗い、その後きれいに濯ぎます。洗い終わったら、すぐにきれいで清潔なクロスで完全に水気を拭き取ります。できればクロスは乾燥したものを二枚用意をして、一度目は水気を拭き取り、二度目はクロスを変えて湿気を拭き取るようにすればいいと思います。
よく熱湯をかけてから拭いたり、拭いた後、ガスの火であぶって乾燥させる方がいますけれど、これは下手をすると鋼の焼きが戻ってしまう可能性がありますから、やらない方がいいですね。もしやるのでしたら、熱湯ではなく体温程度の温度のお湯を使って温めてください。これでも拭いた後の乾燥には、充分効果を発揮します。
とにかく、洗ったらすぐに拭き取って完全乾燥をさせることと、湿気のない場所、飛沫のかからない場所、そして出来れば風通しの良い場所に保管することを心がけてください。
あとは、切れ味が鈍ったら研ぐことです。研ぎ方は、本篇で解説をしていますから、参考になさってください。
それと、錆びた部分を復活させる方法です。
刃の部分だけでしたら研げば錆は取れますが、あちらこちらが錆びてるようでしたら、ちょっと大変ですが以下の方法を試してください。 ご用意していただく物としては、“クレンザー”と“大根のシッポの部分”です。
1.きれいに洗って拭き取った包丁を、新聞紙などを敷いたテーブルなどの上に載せる。
2.大根のシッポにクレンザーをつけて、包丁全体を磨く。
3.適宜クレンザーを足しながら、とにかく磨く。
4、錆が薄く、あるいは小さくなってきたら、その部分だけを集中的に磨く。
5.錆がとれたらクレンザーを洗い流してから、包丁を研ぐ。
6.洗剤で洗って、文中の方法でしっかりふきとってから、保管をする。
この方法で大体の場合、錆びは落ちます。