Q,そんなに高価ではなくそこそこ使える包丁を買いたいのですが、どうやって選べば良いでしょう?アドバイスなどありましたら教えて下さい。
A,いろんな選び方がありますが、目的別に選ぶことが重要です。
おそらくご家庭で極めて一般的にお使いになるのだろうと思いますので、それを前提にしてお答します。
結論から申し上げると、“三徳”・“牛刀”・“ぺティ”の3本があれば充分です。もし、“私は魚を3枚におろすことが多い”という方でしたら、この3本に“中出刃”を足してください。
それでは、それぞれの包丁にはどんな使用目的があるか、ということについて解説をしていきます。
まず三徳ですが、その名前のとおりに“肉”・“魚”・“野菜”という食材にに対して、料理用の処理が可能だということです。刃の厚みが“薄刃”と呼ばれる野菜を処理するのに適したものよりも、若干厚いために、肉や魚をさばくことも容易にできるわけなのです。また出刃などに比べると、はるかにはの厚みが少ないために、野菜に対して刃の食い込みがいいので、野菜もうまく処理できることから、三つの食材にたいして使えるので、“三徳”という名前が付いています。
ただし、いくら三徳といっても中型以上の魚体を捌くことは、ちょっと難しいと思ってください。また、大きなブロックの肉を捌くことにも難しい面があります。
あくまでも、スーパーやデパートで売っている“パック入り”のものを料理するために捌く、ということに使うと割り切って使うことが大切です。
次に牛刀ですがこれも三徳と同じように肉・魚・野菜のすべてに対して、使用が可能です。西洋では“シェフナイフ”と呼ばれていて万能包丁の一種です。
三徳よりも刃の厚みがあるので、野菜に対する食い込みはいまひとつです。でも慣れでいくらでも野菜は切れますし、三徳よりも刃が厚い分カボチャやウリ、スイカなどのような硬くて大きいものにも対応することができます。
さらには、刺身を引くことも三徳よりは上手にできます。また、大きな肉のブロックにも、三徳よりもうまく対応が可能です。つまり、万能包丁ということになります。それと、切っ先が鋭利なので、切っ先を使うようなことをするときにも、三徳よりも便利です。たとえば、烏賊刺しを細く作る時などは、三徳の及ぶところではないですね。
それと、慣れればちょっと大きい“鯖”や“鰹”ぐらいの魚体を捌くことも、充分に可能です。
こんなわけなので、三徳と牛刀のどちらか一本といわれると、私の場合は牛刀を支持します。
次にぺティですが、これは果物の皮をむいたり、カットしたり、あとは野菜の小さいものを処理したり、鰺やイワシ程度の魚を処理したり等などかなり使い道は多いです。
ちなみにバーテンダーには、絶対に欠かせないナイフだということです。ご家庭でも、これがあるのとないのでは、かなり違ったことになりますから一本揃えておくべきです。
あとは、どこにいけば揃うのか、値段はいくらぐらいなのかということが、問題になります。 最近ではいわゆる“通販”でも、かなり品質のいいものが紹介されています。品質も幅広く、値段も牛刀一本数万円というものまであります。
でも、ご家庭で普通にお使いになるのなら、新聞の半面を使った広告で、三徳・牛刀・ぺティの三本セットが一万円以内、というものもあります。中には20年間切れ味を保障するものまであるので、こういうものでも充分使えると思います。
もっといいものをということであれば、デパートの刃物売り場に行けばたくさんの品物がそろっています。また最近は、メーカーがWEB上で直販をしていますから、そちらを覗くこともいいと思います。
中でも、刃物産地の新潟燕三条や、岐阜のメーカーが運営しているサイトには、かなりいい製品が紹介されています。いずれのメーカーも、デパートでも商品展開をしていますから、ネットでみてデパートで確認するという手段もあります。