Q,ほぼ毎日自炊しているのですがなかなか包丁さばきが上手くなりません。プロ並みとは言いませんが人並みに上手になるにはどうすれば良いでしょう?
A,大前提としては、必ず切れる包丁であることが重要です。切れない包丁で食材を切ってしまうと、生の肉や魚の場合には、その細胞を潰してしまい、かなり匂いがでてしまいます。また野菜なども、同じ様になってしまうので、ネギ等のよう場合な野菜の場合には、かなり臭みも出ます。
加えて、包丁が意のままにならないので、手を切ってしまう危険性もあります。
では、まずまな板とのスタンスですが、まな板に骨盤が平行になるようにして立って見てください。そのまま、たとえばネギをまな板と平行において、それを小口切りにしてみてください。
右利きの方の場合、何となく刃先が左を向いてしまい、ネギは斜め切りになってしまいませんか?
そこで、今度は拳ひとつ分のスペースをまな板との間に空けて、右足を半歩ぐらい後ろに引いて、まな板と体が45度の角度になる様にして、立ち位置を決めて、同じ様にネギを小口切りにして見てください。今度は上手に切れたことだと思います。
次に、包丁の握り方の問題があります。これは、食材によって決まるのです。
硬い食材、たとえば野菜の硬いものや、肉や魚の筋が一杯あるものには“押さえ”という握り方が適しています。右利きの方を基本にして説明をすると、包丁を握って親指と人差指の腹がそれぞれ包丁の左と右に来るようにしてください。
次はやはり硬い食材に適した握り方ですが、押さえよりももっと力が入る握り方で“握り”、という方法です。これは包丁を五本指全部でしっかり握る方法です。大根等の大きくて、硬いものを切るときに適しています。
最後は微妙なコントロールが必要なとき、たとえば刺身を引く時や、白髪ネギを切るときや、カツラ剥きをした大根などを本当に細く切るときに使う握り方で、“指差し”あるいは“差し”という握り方です。これは“握り”の形から、人差指を伸ばして包丁の峰にあてて、包丁の動きをコントロールする方法です。
包丁の握り方は他にもありますが、基本的にはこの三種類を使いこなせるようになればいいと思います。
あとは左手を軽く曲げて、よく言われる“猫の手”状態にして、中指の第一関節に包丁の腹を滑らせながら使うことが、基本中の基本です。これを完璧にできるようになると、感覚だけで小口切りや千切りができるようになります。でも、危険だから、やらないでください。ちなみに掌は、食材を押さえるようにしてください。
整理してみると、ひとつが立ち位置、ひとつが握り方、もうひとつが左手をうまく使うことの三つの要素が、包丁さばきの基本だということになります。
では、練習をして、上手な包丁捌きができるようになってください。