砥ぐ時の場所は?
包丁を研ぐ時に大切なことは、大きく手を動かすことのできるスペースを確保することにつきます。
狭い場所でチマチマと手を動かしても、決して上手く砥ぐことはできないからです。
砥石の大きさや、包丁のサイズにもよりますが、できれば食卓のようなところに新聞紙を敷いてスペースを作るべきかもしれませんね。
準備するもの
作業場所のつくり方
包丁をどうしたいのか(刃を直すのか、切れ味を戻すのか)、ということは前述しましたから、目的によって砥石を選んでください(たっぷりと水分を含ませることは言うまでもありません)。
次に、場所にもよるのですが、下を汚さないために作業場所にラップを敷いておきましょう。そして、ラップの上に新聞紙を敷いてください。その新聞紙の上にさらに、ウエスを固く絞ったものを敷いて、その上に砥石を置いて固定できるようにしましょう。
給水と洗浄
大きめのボールに水をたっぷりいれて、作業の邪魔にならないところにおいてください。
これは、砥石の水分補給をするためと、砥汁で包丁や砥石が汚れてしまい、作業状態が目視できなくなった時に洗うことも目的にしていますから、必ず用意してください。
キッチンのシンクで作業できればいいのですか、最近のシンクは小さいですからまず、無理でしょう。
そのための方法ですので、シンクで作業が可能な方はボールもいりませんし、ラップをしくことも必要はないでしょう。
砥石を固定するためのウエスだけでもことは足りると思います。
砥ぎの方法
砥石と包丁の位置関係と体の構え
いよいよ、砥ぎに入ります。
ここでは右利きバージョンになりますから、左利きの方はこの逆にしてください。
まずは砥石に対して体を45度ぐらいに開いて構えます(左を前にして)。
包丁は刃を手前にして、ハンドルが下になり、刃の先端が上45度を向くように構えます。包丁と砥石の当たる角度を、包丁の刃がついている角度と一致させましょう(大体10円玉3~4枚程度)。
砥石の幅にと、包丁の刃渡りにもよりますが大体包丁の刃渡りを3~4分割程度に考えて作業をしてください。
研ぎ方ー1
右手でハンドルをしっかりと持ち、左手の人差し指・中指・薬指の3本を包丁の腹に添えて、押し出すように動かしてください。この時に、包丁の刃が手前になるようにしてください。
押し出して、包丁が砥石の先端まで行ったら、包丁の腹が砥石につくようにしてひいいてください。
この時に、右手で動きをモントロールしようと思わずに、上手に左手と連動させると効率的に砥ぐことができます。
研ぎ方ー2
こうして何回か前後させると、反対側の刃先に“返り”と言われる、金属がめくれ上がった状態ができます。これを確認したら、包丁を裏返します。
こうなると、刃先は向こう側を向くことになりますので、間違わないようにしてください。
片刃の場合は包丁の腹を砥石にぺったりとくっつけるように、両刃の場合にはやはり刃のついている角度の一致させるように砥石に当てます。
同じように右手はハンドルをしっかりともち、左手の人差し指・中指・薬指の3本を包丁の腹に添えて、押し出すように動かしてください。両刃の場合には引くときに、やはり同じように包丁の腹を砥石にぺったりと付けてひいいてください。
こうすると、包丁の曇りが取れて綺麗になります。
研ぎ方ー3
包丁を動かすときには、前後に動かす力は必要ですが、決して押し付けるような力を入れる必要はありません。
手や指の重さを利用して、押し付ける力を抜いて作業しましょう。
必要以上に力をいれると、変な角度に刃がついてしまたり、包丁が早く減ってしまったりしますから、力の加減は大切です。
返りが反対側に出たら、同じ様に砥いでください。
完全に返りがなくなるまで、この作業をくり返してください。
仕上げ
砥ぎ終わったら、包丁をよく洗って金属臭を取りましょう。
乾拭きをして水分を完全にとって、長期間使う予定のない場合にはサラダオイルを薄く塗り、新聞紙でくるんでから保管しましょう。
こうしておけば、全鋼の包丁でも錆びることはありません。
当然ですが、次回使うときには洗剤でサラダオイルを洗い切ってから使うようにしましょう。