荒・中・仕上げでの違いはあるのか
包丁を研ぐ時には、必ずこの砥石を使います。
前述のように、荒砥・中砥・仕上げ砥とありますが、どれも基本的な使い方は概ね同じだと思って構わないと思います。
もちろん、砥のプロになればそれなりに違うのかもしれませんが(例えば日本刀を砥ぐような方々)、素人レベルではそう固く考える事もないと思います。
砥ぐ時にやってはいけないこと
基本的には、熱の発生を最小限度に抑えることに尽きるのかもしれません。
熱は刃物の焼きを狂わせる最大の原因になりますから、出来うる限り熱は出さない方が良いでしょう。
たまに通販などで見る“グラインダー”状の砥器などは、我々素人が使うことにはリスクがあると思ったほうがいいでしょう。プロの方たちだったら、どれぐらいの時間刃を当てていれば、何度ぐらいになるかといったことを承知しておられますから、グラインダーを使っていても問題はないのでしょうが、我々素人にはそのような経験も知識もありませんから、いわゆる空砥になる行為はやめたほうがいいと思います。
砥ぎの前の準備
砥石は使う前に、しっかりと水に漬けて水分をたっぷりと含ませることが最大のポイントになりますね。
石の素材によっても違うのですが、時間的に言えば20~30分程度というところでしょうか。
見極めとしては、水から引き上げて5~6分しても、表面から水気がなくならないといったところでしょうか。
要するに表面にいつも水が見えている状態が、砥石がみっちりと水分を含んだ状態だということですね。この状態になっても、砥石の中心部まで水分が満たされているということではありませんから、砥の作業中には水分補給は必要になります。
砥ぎに水分が必要な訳
砥石を使うときには水が絶対に必要で、水は熱の発生を最小限度に抑える役割を持ち、さらに包丁と砥石の潤滑作用を受け持ってくれるということをしっかりと理解していただきたいと思います。
余談になりますが、“ダイヤモンド包丁砥器”などというものも、かなり広く販売されていますが、水の必要性がないということを標榜しているものもあります。しかし、ここは砥器に水を付けるとか、流水の下で作業をするなどの工夫は必要でしょう。
メーカーのいうがままということは、車の世界でもそうなのですが、我々ユーザーサイドにしてみれば“本当かよ”ということは、ままあります。
水は砥には絶対に必要だと思ってください。間違いなく後悔しないですみます。