三徳包丁

名前の由来と用途

家庭用として、現在最も多くの需要があると言われているものが三徳包丁です。

何故三徳というのかといえば、魚・肉・野菜の全てに応用できるからなのです。そのためにその刃は、柳刃よりも薄く薄刃よりは厚く作られています。

当然、鳥の骨を叩き切ったり、鯛の頭の兜割りをやったりということには不適なのですが、その刃の厚みと形状から、野菜の皮をむいたり、肉を切り分けたり、魚を切り身にしたり、あるいは刺身にしたりと幅広く対応可能な包丁です。

家庭の主婦層には、誠に使いかってのよい包丁だと言えるでしょう。

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何故家庭で一番使われるのか

専用の包丁で行うような高度なことには、これもまた不適かもしれません。薄刃のように、かつら剥きを作ったり、柳刃のように一気に刺身を引くことは難しいでしょう。

しかし、家庭でそこまではやらないので、この三徳を万能包丁として使う主婦は大変多いようです。

このため、この三徳が一本あれば、家庭では他の包丁はいらないと言われるぐらいに、主婦層にとっては便利なアイテムのようです。

それだけに、各メーカーとも刃渡りの長さを何種類か揃えたり、ハンドルも樹脂であったり、刃と一体型になっていたり、木製であったり、また、重心をどこに持ってくると使いやすいのかなどといった、細かい工夫がなされています。

趣味の料理人が揃えるべき包丁の数

  趣味の料理人が持つ和包丁としては、この四種類、計六本があれば意外にことは足ります。もちろん、家庭用だったら充分以上かもしれませんね。

  まさか、鮪包丁や鱧の骨切り包丁、鰻裂きや麺包丁等などを使うことはほとんどの方がないと思います。しかし、鰻裂きや鱧切りなどを“俺は使う”などという方がいらっしゃれば  、ほぼプロ級でしょう。でも、私の知っている板前さんは鱧の骨切りも、柳刃で器用にやってのけます。

  また、よく行くお寿司屋さんの大将も、太巻きなどを切るときにも寿司切り包丁を使わずに柳刃一本で、見事な切り口にして見せてくれますから、本当にこの六本があれば案外プロ  の要求にも答えられるのかもしれませんね。

  私も料理が趣味なのですが、この六本プラス洋包丁の牛刀・ペティーナイフ・中華包丁で、概ねのことには対応できます。むしろ、調理スペースの方に限界があって、大きな魚を捌  く時にはかなり苦労してしまうことが、目下の悩みとなっています。

鱧切り包丁

  鱧は鰻の仲間なのですが、鰻のように骨が柔らかくはないので、骨切りをして口当たりをよくするために行う作業が“骨切り”と言われる作業です。

  骨切りに使うのは鱧切り包丁と呼ばれる、刃が前の方の背が低く後ろの方が若干背が高くなっていて、手首の返しなどでうまく、鱧の肉をリズミカルに切っていけるように工夫され  ています。板前さんによっては、研ぎ方で少し刃の部分に丸みを持たせる人もいるようですね。

  骨切りは1Cmに平均13の切れ目を、皮の中心部あたりまで入れる技で、大変な熟練を要する技だと言われています。

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