教師という仕事と社会的評価

この記事の所要時間: 330

a1640_000211

だれもが学校の先生に触れ合ったことがあるでしょう。子どもの頃、もっとも身近だった大人が先生という人もいるかもしれません。もちろん反対に、大嫌いな大人の第一が先生だったという人もいるでしょう。

スポンサーリンク

先生というのは職業である

先生に対しては、ついつい自分が生徒だった頃を思い出して生徒目線で考えてしまいがちです。今保護者として先生に接している人は、保護者目線になっているかもしれません。
個人的に触れ合う先生ではなくて、先生という職業集団についても目を向けてみませんか。

先生という職業の特徴

職業としての先生に目を向けてみると、先生という職業の問題点がよく見えてきます。
教師という職業は、専門職であるということに異を唱える人はいないと思います。なぜなら、教師になるためには教員免許という資格が必要だからです。
まずは、教師という専門職をほかの専門職集団と比べてみましょう。

人数が多い先生

教師という職業についている人数は、ほかの専門職についている人数より多いです。
現時点では、小学校の教員という職業についている人は正教員だけではなく臨時教員、補助教員という非正規雇用の教員もあわせて全国で約35万人もいます。小学校、中学校、高等学校すべてを合わせると全国で200万人ほどの教員がいることになります。

この教員数をほかの職業すべて合わせた日本の就業人口で割ると、専門職の職業人口比がでてきます。教員の場合は、この比率が1.56です。ちなみに医師は0.56です。裁判官と検察官、弁護士を合わせた法曹関係の職業専門職の就業人口比は0.04です。

社会評価が低い先生

前述の医師や法曹関係の専門職と比べて、先生という職業を「どれだけえらいと思うのか」という職業威信は低い値を示しています。
「現代日本社会階層調査」が5年ごとに専門職の地位を100点満点でポイント化していくという調査をおこなっているのですが、医師や裁判官などの職業威信が90点近くを獲得しているのに対し、教員は60点台前半しか獲得できていません。

教師は社会的な地位が低いと思われているようです。

社会評価が低い理由1

なぜ教員に対する社会評価は低いのでしょうか。一つ目の理由は、教員という職業の特徴にも関わってくることですが、教員は女性がつくことができる数少ない専門職の一つだったということにあります。

学校制度開始の時期には、教員といえば男性でした。しかし、1880年代に入ると女子生徒への教育にたずさわることができる女性教員も少数派として採用されるようになります。徐々に増えていった女性教員は、現在では小学校教員の半数以上を占めるようになっています。

女性が多い仕事に対しては、職業威信はぐんと下がります。実際に、前述の「現代日本社会階層調査」では、保育士や看護師といった女性比率が高い職業威信が60点以上を獲得することはかないません。おそらく女性でもできる仕事、女性の仕事は、女性が男性より下だという無意識とでもいえる価値観形成によって価値が低められるのではないでしょうか。

社会評価が低い理由2

社会評価が低い理由としてもうひとつ考えられるのは、教員の仕事の中身が一般の人々にははっきり見えないことです。生徒と関わっていたり、黒板を使って授業をしていたりするのは想像できますが、そのほかに学校の中で何をしているのかいまひとつ明確ではありません。教員と関わるのは生徒と保護者だけで、一般の人が学校の内部に足を踏み入れて教師が何をしているのか直接知る機会はありません。

となると、教育は成果というものもはっきり明示できませんし、教職という仕事が尊敬できるものか判断しようがなくなります。

社会的評価が低いゆえに

教員の社会的評価が低いということは、先生個人への信頼感の欠如や教員の力量への不信感にたやすくつながっていくでしょう。そのような厳しい視線を向けられる中、自分たちの仕事がどういうもので、どういう成果をあげているのかを説明することを要求される教師たち。難しい仕事だと思いませんか。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする