気象予報士は、気象情報をもとに、天気予報をする仕事です。他に類を見ない仕事をする、専門的な職業といえるでしょう。
適性
天候や気候に、強い関心があることが、何より重要です。膨大なデータを元に、的確な予報を出さなければならないので、確かな知識と、冷静な判断力が、必要です。
また、集中力と、丁寧な仕事が要求されますので、責任感が強く、むらっ気のない性格のほうが、より業務に適しているでしょう。曖昧な予報により、災害の被害が拡大することもありますので、責任は重大です。
また、過去のデータや経験則からの予報は、一見してルーチンワークのですが、実は気象は、過去と同じ条件が揃っていても、同じ現象が起きるとは限らないものです。そのため、固定観念にとらわれず、データを見る観察力が、必要となります。
なり方・キャリアパス
特殊かつ専門的な資格のため、転職や就職先は限られていますが、有資格者でなければ、できない仕事なので、確実に需要があります。
天気予報といえば、気象台での天気予報が連想されると思います。つまり、気象庁で働くことです。
気象庁職員になるには、国家公務員試験に、合格しなければなりません。これには、年齢制限があり、注意が必要です。この試験に合格した上で、気象庁に対して就職活動をし、採用されねばなりません。このとき、気象予報士の資格があれば、有利でしょう。
また、気象大学校に通い、勉強する方法もあります。これは通常の大学ではなく、気象庁の幹部養成機関です。
この他にも、民間の気象会社という選択肢もあります。
法改正により気象庁以外でも予報業務ができるようになり、それを行うことを気象庁長官から認可を受けた業者を、予報業務許可事業者といいます。この業者は、予報業務を行う事業所ごとは、必ず気象予報士を、置かなければなりません。各支社に、最低一人づつは、記法予報士を置く必要があります。ただし、地震や火山活動の予報業務には、必要ありません。
こうした気象会社に就職し、予報業務を行うのです。気象会社は近年、増加しており、特に首都圏では、ゲリラ豪雨や熱中症対策、花粉予報などで、多岐にわたるサービス需要があります。そのため、業務を拡大している会社も多く、そこに需要が見込めます。
また、テレビ局やラジオ局など、放送局に就職し、天気予報コーナーを受け持つ、といいう選択肢もあります。
さらに、空港では、フライトプラン立案や運行のサポートに、気象に関する知識が欠かせないため、気象予報士の有資格者を、求めていることがあります。そこに就職または転職する、という手もあります。
主な資格
気象予報士になるために、必要な資格や経験を、ご紹介します。
気象予報士
日本の国家資格で、気象予報士試験に合格し、気象庁長官による登録を受けることで、業務を行うことができます。
法改正により気象庁以外でも、予報業務ができるようになったため、その予報の水準と信頼性を確保するために、技能試験として1994年から、実施されています。
受験資格には、学歴による制限はありません。勉強すれば、中学生でも合格出来ます。2012年時点での市場最年少の合格者は、12歳11ヶ月です。
現在の合格率は、5%ほどです。
試験科目は、一般知識として、大気の構造や熱力学、降水過程、気象現象、気候の変動などについて、出題されます。専門知識としては、短?長期予報、局地予報、気象災害、観測成果の利用、気象の予想の応用、気象の制度の評価などが、出題されます。
さらに、実技試験として、気象の予報、気象概況の把握、台風など緊急時対応が、出題されます。
国家公務員採用試験
ここでは詳しく触れませんが、年齢と学歴により、試験区分が異なります。
気象大学校に入学
これは気象庁の幹部養成機関であり、学生は気象庁職員として、給与をもらいながら、全国の気象台や、測候所で研修を受けることができます。
だだし、この学校の試験に合格するには、旧帝大に合格出来るだけの学力が必要です。
実務経験
気象庁や自衛隊で、気象予報の実務経験がある場合、学科試験が免除されます。
2013-04-05作成
2014-09-16再編集