携帯電話のリサイクル?レアメタルが豊富な都市鉱山

 

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新機種が発売になるたびにどんどん進化を遂げる携帯電話やスマートフォン。そのかげには、役目を果たし終えた古い機体があります。レアメタルの含有量から”都市鉱山”とまでいわれている携帯電話。リサイクルの流れを追います。

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60歳以下での普及率は95パーセント超。国民総モバイル時代

いまや社会生活にかかせない携帯電話。一家庭あたりの平均保有台数は約2.5台。複数の回線を使いこなす人をあちらこちらで見かけるようになってきました。季節ごとに店頭に並ぶ新機種もおなじみの光景です。

一方で、契約会社を変えたり、より新しく多機能なスマホに乗り換えたりすると、使わなくなった古い携帯が残ります。すぐに白ロムとして売却したり、リサイクルに出してしまうのは少数派。多くの携帯がそのまま持ち主の手元に残されています。

一番多い理由が、思い出の保存。たくさんの写メールや、恋人とのラブレターなど内容は多岐に渡ります。子供が幼い頃のボイスメッセージが残っているから、という人も。現在の機種であればパソコンでデータを吸い出したり、クラウドにバックアップをとることができるのですが、古い機種ですと難しいです。

また、使い慣れたアラーム機能やスケジューラが手放せなかったり、純粋に予備機として保管されることもあります。ですが、新しい携帯に馴染んでくると、引き出しの奥に入れられ、だんだんと見ることも少なくなりそのまま死蔵されることも多いです。

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古い携帯はレアメタルの鉱脈だ

電子部品の基盤にごく少量の金が使われているのはご存じでしょうか。伝導性にすぐれていて錆びにくい金は精密部品に欠かせません。携帯電話自体は小さなものですから、基盤も大きくはないし、含有する希少金属はごくわずかです。

ですが、トン単位で集まれば貴重な資源となります。古い携帯1トンから、金は約300グラム回収できます。たったそれだけ? と思われるかもしれませんが、地面を掘って得られる天然鉱石1トンからは数グラム、多くても数十グラムの金しか取れないのを考えると、いかに効率が良いリサイクルか実感できると思います。

しかも、全世界の金のうち約16パーセント、およそ6800トンが日本の家電のなかにうずもれているます。携帯電話から取り出して再利用できるのは金だけではありません。基盤からプラチナやパラジウムをはじめとするレアメタル、電池パックからコバルトにニッケル。外装のプラスチックまでもが溶解して再利用が可能です。

使われなくなった携帯電話をはじめ、さまざまな理由で家庭に保管され、眠っている小型家電を家電をひっくるめて”都市鉱山”と呼ぶこともあります。希少金属を含んだ、上質のリサイクル素材だからです。工業資源の多くを輸入に頼る日本にとって、無駄なく再利用する取り組みは欠かせません。政府も2013年の4月から小型家電リサイクル法を施行しました。

循環させれば新しい物に生まれ変われる

販売店で、回収の呼びかけを目にすることがあります。携帯電話については「モバイル・リサイクル・ネットワーク」という団体で通信事業者、販売業者、製造メーカーが一丸となって再資源化の取り組みをしています。リサイクルルートも既に確立していて、回収はブランドや年式を問わずに販売店で行っています。また、充電器なども一緒にリサイクルができます。

店頭に持ち込まれた携帯電話は、目の前で破砕機を使用して基盤に穴をあけられます。長年連れ添った相棒が破壊されるのはどきっとする光景ですが、これで完全に内蔵データを復元できなくなります。

全国の回収ポイントからリサイクル施設に集められた電話は、本体、電池パック、USIMカード、充電器の4つに大きく分けます。本体はさらに外装、液晶、基板、モーターにスピーカー、その他の金属部品と手作業で分別していきます。手間のかかる作業ですが、種類ごとにすることで外装のプラスチックをはじめすべての部位がリサイクルできるようになります。また、貴金属の製錬率が向上します。種類ごとにこなごなに砕き、溶解して製錬をします。

こうして多くの工程を経て取りだされた原材料は、新しい携帯電話や家電の部品となり新しい生命を吹き込まれます。

もし、机の奥から完全に役目を果たし終えた携帯電話をみつけたら、燃えないごみ箱に直行ではなく、回収ボックスやショップに持ち込んでリサイクルの輪に乗せてみませんか。

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