日本の推理小説?岡っ引き

 

日本の推理小説には大きく「江戸時代」と「明治以降」、そのどちらを題材にしているかで分類することができるでしょう。
江戸時代は身分制度があるものの比較的安泰な時代でしたから、「悪」と「正義」の認識がハッキリしてきていました。
平和であれば「脅かす物」に対する不安が起こりますし、それに対する「憤り」も生まれます。
そこに警察機能が働いてくるわけで、事件記録なども詳細に残されています。
江戸時代は題材として「推理小説のインスピレーション」を与えるのたる時代であったのでしょう。

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また江戸時代を題材として推理小説は「岡っ引き」を主人公としたものが多くみられます。
「現場」で起こったことを足を使って調べ上げ「与力」に伝えるということから、一番に直接的に事件に関わるのが岡っ引きということなのでしょう。
事実に合わせて自分の推理を報告し、それをもとに与力が考察するといった形だったのかもしれません。
手柄はすぐ上の上司に認められ、その上司はまたその上の上司に認められという形の順送りですから、けして岡っ引きがそれ以上になるということはなかったと私は受け止めていますが、まだちゃんと調べてはいません。
当たらずとも遠からずではないでしょうか。
岡っ引きの子は岡っ引きになるようですから、代々お仕えしている上司がいたと認識しています。
武士の身分ではなく町人ですから、帯刀は許されていません。
というかお江戸では同心が岡っ引きを抱えていることすら公認されておらず、同心から「お小遣い」を頂戴するといった形だったのです。
いい岡っ引きを持っていれば上司である与力はいい仕事をするわけで、若干出世するかもしれませんよね。

銭形平次
お江戸のシャーロック・ホームズと言われることもあります。
たしかに推理力は天下一品です。
しかしシャーロック・ホームズのように変わり者でもありませんし、お金持ちでもない。
「宮仕えよりももういっちょ下」といった感じで、まぁサエナイわけです。
これで袖の下でも貰う人間であれば貧乏ぐらしもマシだったのでしょうが、正義漢が強くそれもありません。
人情に厚く「お目こぼし」も案外行うといった「罪を憎んで人を憎まず」を信条とした岡っ引きです。

人形佐七
五月人形を彷彿させるほどの色男の佐七は、ヤキモチやきの女房との夫婦喧嘩のやりとりがちょっとした「きまりごと」になっています。
親の跡目をついで岡っ引きになりますが、メキメキと頭角を表します。
横溝正史氏の筆による小説ですので、トリックと謎解きの緻密さと意外性、新規性などは定評があります。

鬼の半七親分
悪を許さないことから犯人逮捕に対しては鬼のような厳しさで臨む半七親分ですが、普段は江戸っこ丸出し。
短絡的で人に親切、うなぎとそばが大好物。
聞き込み捜査の折にもそばかうなぎを食べています。

日本で最初の「岡っ引きもの」といわれていますが、江戸庶民の生活の描写も楽しく、時代小説としても十分楽しめるものとして愛され続けています。

岡っ引どぶ
岡っ引どぶは柴田錬三郎氏の描いた「岡っ引きもの」です。
テレビで愛されたキャラクターですが、銭形平次ほどには有名ではないかもしれません。
山崎努さんや田中邦衛さんが演じていらっしゃいました。
案外自堕落な生活をしている「どぶ」が、理不尽な事件には隠れていた正義感を爆発させて解決に挑みます。
魅力的な人物として愛されている岡っ引きです。
個人的にはこの「どぶ」が好きです。
もともと武士の家柄の子でありながらその生活が嫌になり、町人になります。
しかし仕事はどれも長続きしない。
「飲む」「打つ」「買う」が大好きでありつつ、弱きを助ける男気で女性からの人気はそこそこあるのです。
この小説では「切れ者」はどぶをかかえている盲目の与力。
どぶが持ってくる事件解決の緒を、家から出ることなく解決に導いてゆきます。
そういった面もたの岡っ引き小説とひと味違うところのものです。

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