出汁の旨味はなに?

 

この記事の所要時間: 326

出汁は何の味もつけないでそのまま飲んでみても、かなり深い味があって美味しいものです。“ああ、これがあるから料理が美味しいんだな”と、はっきり感じることができます。

昆布出汁には昆布の独特の柔らかく、しかも深い味わいがあります。また鰹出汁には鰹独特の芳醇な香や、独特のコクと味わいがあり、この二つを合わせた“合わせ出汁”はさらに美味しいものです。現代の和食のベースは、この合わ出汁が中心になっていることは、広く知られています。

スポンサーリンク

また一般的な中華料理のベースになる、鶏ガラからとった“毛湯”もそれだけを飲んでみても、かなり美味しいものです。これがあるから、あの料理の味になるのかと、充分に納得のいく味です。

では、これらの味を科学的に分析すると、どんな成分から成り立っているのでしょうか。

代表的なうま味成分のうち、アミノ酸の一種であるグルタミン酸は植物に、核酸の一種であるイノシン酸は動物に多く含まれることが多いのです。イノシン酸など、うま味を感じさせるヌクレオチドは呈味性ヌクレオチドといいます。

このグルタミン酸系の旨味成分とイノシン酸系の旨味成分が合わさると、よりうまみが増すという、いわゆる相乗効果が認められています。これが、昆布と鰹節の合わせ出汁の美味しさのもとになっているのです。

また、干しシイタケの戻し汁にもグルタミン酸は大量に含まれていますから、これも美味しい出汁となっています。正月の雑煮の出汁は、地域によっても違いますが、合わせ出汁と鶏、そしてシイタケを使う例は多く見られます。まさに“美味しいとこ取り”ということなのでしょう。

イノシン酸は、鶏ガラなども同じ成分なので、中華料理の美味しさもここにあるわけです。中華料理でも、鶏ガラのスープで大根と昆布を煮込んだものがあって、ごく普通の家庭料理として成立していますから、ある意味では合わせ出汁なのかもしれません。また、臭み消しという意味で、鶏ガラや豚骨からスープをとるときに、長ネギやショウガを入れるのですが、これも旨味をプラスすることにもなるのです。

これらの天然から取れる旨味成分は、主として発酵工業の手法で人工的に製造され、旨味調味料として使われています。旨味調味料の製造においても、主成分のL-グルタミン酸ナトリウムの他に、グアニル酸とイノシン酸を添加して、うま味の相乗効果を出している例が多く見られます。

このほかにも、食用のハエトリシメジに含まれるトリコロミン酸、毒キノコであるテングタケに含まれるイボテン酸、貝類に含まれるコハク酸やコハク酸ナトリウムにもかなり強い旨味があることが知られています。

これらが単独で、あるいは数種類合わせて使われることによって、美味しい料理ができるのです。

スポンサーリンク

この記事のタイトルとURLをコピーする
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。