新型ハリアー~ハイブリッド車徹底解剖とガソリン車との比較

新型ハリアー

ハイブリッドシステム

 先代のV6・3.5Lエンジンから大きくダウンサイジングされたハイブリッドシステムには、トヨタ製ハイブリッド車でおなじみの、アトキンソンサイクル2.5L 2AR-FXEエンジンとハイブリッドシステムの組み合わせた「リダクション機構付THS II」で、ニッケル水素電池を採用し、VDIMも非搭載となった 「カムリハイブリッド」のシステムをベースに開発されたものだ。JC08モード走行燃費21.8km/L。

 動力性能はエンジンが112kW、フロント用モーターが105kW、リアモーターが50kWという組み合わせで、システムとして出力できる動力性能は145kWとされている。トランスミッションはハイブリッド用の電気式無段変速機で、回生ブレーキや電子制御ブレーキシステムなども採用している。 駆動方式には独立したリアモーターによるE-Four(電気式4WDシステム)を全車に採用する。
 

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燃費・実燃費

 「ハイブリッドSUV」が全面に出たクルマだけに、JC08モード走行燃費21.8km/Lという数値は、もちろん2.0Lガソリンモデルより優れている。重量のあるSUVでこの結果は現状の「THSⅡ」での精一杯の数値だ。SUVであれば、燃費を上げるために、むやみに軽量化をすることは得策ではなく、パフォーマンスも維持しなければならない。燃費の比較だけなら、従来のV6・3.5Lに対して圧倒的に有利なのは間違いないが、走行性能は別車種といっていいぐらい変わっている。この変が日産との違いになり、「エクストレイルハイブリッド」との比較が楽しみになる。

ガソリン車かハイブリッド車か、損益分岐点

 いかにトヨタであっても、ハイブリッドSUVは高くつく。経済性なら2.0Lモデルにはかなわない。ダウンサイジングされて、燃費もかなり改善され、価格も安い。効果なハイブリッドを選んでも、決して元は取れない。パフォーマンスや静寂性、そしてプレミアム感などを求めるために選ぶべきだろう。さらに、今トヨタ製の経済的なSUVを選ぶなら、「RAV4」がお得。約50万円は安い。ライトSUVとして、「ランダクルーザー」や同「プラド」などとは差別化する必要があるが、サイズと燃費はともかく、価格がヘビー級では意味がない。
 

燃費 1㎞走行あたり費用 車両価格 重量税・取得税額 ハイブリッドとの差額 損益分岐点距離 年間1.5万キロ走行時 年間3万キロ走行時
ハリアーハイブリッド GRAND 21.8㎞/L 6.88 円/㎞ 3,610,000円 免税
ハリアー 2.0 GRAND 4WD 15.2㎞/L 9.86 円/㎞ 2,909,000円 38,500円 662,500円 221,7204㎞ 約14年と8か月 約7年と4か月
ハリアー 2.0 GRAND 2WD 16.0㎞/L 9.37 円/㎞ 2,720,000円 免税 890,000円 357,429㎞ 約23年と10か月 約11年と1か月

レギュラーガソリン 150円/Lで計算
損益分岐点距離=ハイブリッドが差額を回収するまでに要する走行距離距離

問題点

 一度はレクサス店に移行してしまい、トヨペット店のモデルラインナップから消滅してしまった「ハリアー」だったが、今回、販売店側からの要望もあり、およそ1年のブランクを経て3代目モデルとして復活を遂げた。このような経緯もあって、新型ハリアーは日本専用車として開発されている。全長x全幅x全高が4720x1835x1690mm(先代は4735x1845x1680mm)、ホイールベースは2660mm(同2715mm)と、ボディサイズは先代モデルより全体的にやや縮小している。
このダウンサイジングが本当の意味での復活につながるかどうかの鍵になりそうだ。ハイブリッドシステムを構成するエンジンもV6・3.5Lから直4・2.5Lに置き換えられ、トヨタの主流に仲間入りしたが、インパクト不足である。当然パフォーマンスでは先代を下回り、燃費は向上したが、SUVということもあり、話題を集めるほどの数値ではない。かえって2.0Lエンジンモデルの評価が高くなっている。しかし、同じSUVのマツダ「CX-5」の2.0Lより70万円高くなり、クリーンディーゼル車と同額である。

 一度販売が終了した理由は、すでに時代のニーズに合わなくなったからのはずで、少し小さくすればOKというわけではないだろう。

ハリアー値引き交渉と下取り相場 2015-02-17

これからの課題

 どんな車種でも、ハイブリッドなら売れるという時代は、そろそろ終焉を迎える。低燃費は歓迎されるが、そのために高価になるのは敬遠される。そのボーダーラインが「プリウス」の230~260万円付近。1.8Lのハイフ゛リット゛車止まりだ。「アクセラ」の2.0Lハイブリッドがどうなるかはもう少し評価を待たなければいけない。それでも「プリウス」より「アクア」「フィット」が選ばれ始めている。

 SUV人気は徐々に回復しつつあるものの、それは「クリーンディーゼル」や「PHV」等、各社が革新的な技術を搭載した車種を発表しているからであり、けっしてブームという訳ではない。そんな中、おおよそ400万円台で、「SUVの燃費を21.8㎞/Lにしました。」と言われても、飛びつく人はいないだろう。200万円を切る価格で36.0㎞/Lという衝撃度とは比較にならず、車関係以外のマスコミの食いつきも皆無に等しい。燃費だけではない、SUVの魅力を浸透できるのかがポイントと思うが、eー4WDを採用するハイブリッドはもはやSUVともいえない、クロスオーバーしていない、ただのハッチバックにも見える。

 今後、日産の「エクストレイル」もニューモデルになって登場するので、両社がどんな違いを見せるのか楽しみである。


 
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新型ハリアー
新型ハリアーの白

新型ハリアーの白後ろ

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