ステーションワゴン徹底比較(カローラフィールダー・シャトル・ウイングロード)

ステーションワゴンの販売動向

カローラフィールダーはご存知の通り、カローラのステーションワゴンモデルです。

移動手段としてなら、軽自動車かコンパクトカーの方が経済的ですが、ステーションワゴンをあえて選ぶ理由は、デザインの個性や機能性も大切な要素になります。

マイナーチェンジされたカローラフィールダーは、そのステーションワゴンとしての要素に加えて、安全性能と大胆なフロントマスクなどによる存在感も持つことになりました。

ステーションワゴンは、国内においてけっして人気があるとは言えないクラスですが根強い需要があり、カローラシリーズでは4ドアセダンのアクシオよりも計画販売台数が多く、ハッチバックとセダン、そしてミニバン以外の選択肢としてなくてはならない存在になっています。

そんなカローラフィールダーと、ライバルのホンダシャトルを中心に、その居住性能や走り、燃費や安全性能を徹底比較してみました。

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カローラフィールダーの概要

2012年5月にアクシオとともにデビューした現行モデルのフィールダーは、5年と5か月たった2017年10月11日に、2度目のマイナーチェンジを行いました。

デザインにおいては、フロントバンパーやグリルを意匠変更し、よりスポーティーで上質なデザインに磨きをかけスタイリッシュに進化させ、インテリアは質感を向上せました。

また、ハイブリッド車は制御改良により燃費性能が向上。

グレード構成も変更され、「1.5G”AEROTOURER”」と「HYBRIDG”AEROTOURER”」が廃止され、エアロ仕様が”W×B”に一本化されています。

また、「ToyotaSafetySenseC」は標準装備化されるなど、安全性能も向上されています。

居住性を比較

商用バンではなく乗用車であるステーションワゴンは、居住性能においてもセダンやハッチバックと同等であることが求められます。

ミニバンに近い造りのシャトルは室内高も高く、居住スペースの拡大は設計段階から折り込み済ですが、旧カローラワゴンからの流れをくむフィールダーにはバンのイメージが色濃く残り、ウイングロードは現役の商用バンの乗用車仕様なので、後席のスペースなど居住性能は優れているとは言えません。

しかし、ステーションワゴンであれば、ラゲッジルームの広さや使い勝手も重要になるのは当然であり、ウイングロードが意外な”才能”を発揮しているのも注目されます。

カローラフィールダー シャトル ウイングロード
全長
全幅
全高(mm)
4,400~4,410
1,695
1,475~1,510
4,400
1,695
1,545~1,570
4,440~4,415
1,695
1,505
室内長
室内幅
室内高(mm)
1,945
1,430
1,200
1,925
1,450
1,290
1,955~2,055
1,395
1,210
ホイールベース(mm) 2600 2530 2600
乗車人員(人) 5 5 5

カローラフィールダーの居住性

居住スペース自体は4ドアセダンのアクシオと同じです。

したがって、セダンを運転するのとなんら変わらない運転姿勢であることが、トールタイプの軽自動車やミニバンのような高いシートポジションを敬遠するユーザーには、重要なポイントになります。

また、最近の低燃費コンパクトカーが、女性受けを狙った意匠や造形が目立つ中、保守層中心のカローラシリーズらしく、落ち着いたオーソドックスなものになっていることが、かえって好印象をもたらしています。

そして、室内寸法も4ドアセダンのアクシオと変わらず、リヤシートの背もたれは最大16度までリクライニングが可能で8段階の調整もでき、リヤセンターアームレストと合わせてリラックスした姿勢で過ごすことができます。

さらに、そこに利便性の高いリアゲートと、後席シートバックをたてた状態でも407L、倒せば872L、そして奥行きも2Mを超える、商用バン並みのラゲッジスペースが表れるのが、フィールダー最大の特徴です。

カローラフィールダーの値引きとリセールバリュー

シャトルの居住性

扱いやすい5ナンバーサイズでありながら、広々としたキャビンを実現し、前席には運転席と助手席をそれぞれ独立した空間に仕切るハイデッキセンターコンソールを採用してパーソナル感も演出します。

また、通常は後席下にある燃料タンクを、前席下に移動させた「センタータンクレイアウト」によって、頭上空間や膝まわりに余裕をもたせた居住性の高い後席と、リクライニング機構がよりリラックスした着座姿勢をもたらします。

570Lのゆとりある荷室は、後席を倒せば、容量は1,141Lというフィールダーを凌ぐラゲッジ容量と、フラットな床面はシャトルの最大の特徴です。

さらに、間口の広さを充分にとり、地上から荷室開口部までの高さは、わずか54cmで重い荷物を高く持ち上げなくて済むようになっています。

また、後席のシートバックには使わないときは簡単な操作でスマートに折りたためる「マルチユースバスケット」をタイプ別に設定するなど、ラゲッジルームの使い勝手は群を抜いています

シャトルの値引きとリセールバリュー

ウイングロードの居住性

スタイリングはバンのイメージをぬぐえないウイングロード。

インテリアもフィールダーやシャトルと比べるとどうしても機能性重視のそっけなさが目につきます

しかし、適度なサポート感と座り心地を併せもったフロントシートデザインや、腰の左右部分と、太ももの左右部分をラウンドさせ適度なサポート感を持たせるスエード調クロスシートなど、意外と細やかな配慮がなされています。

さらに、6:4の割合で分割できるリアシートの左右それぞれが最大10段階・40°リクライニング可能で、座面が最大で120mmもスライドするなど後部座席にも配慮しています。

ラゲッジルームは本領発揮。

リモコンフォールディングシートシステムによって、リヤシートだけでなく、助手席までも、ラクに倒すことができ、最大約2655mmの長尺物の積載が可能。

さらに、「イージーラゲッジベンチ」という、背もたれを引き上げると、なんと2人掛けのベンチがあらわれるという便利アイテムまで装備され、アウトドアにはかなり使える車種なのです。

燃費を比較

セダンやハッチバックタイプのコンパクトカーよりも、平均走行距離が多くなるのが、レジャーに活用されることの多いステーションワゴンです。

そのため、燃費性能にはより関心が集まります。

ベース車種の燃費性能がそのまま現れる為、フィールダーは15L車ハイブリッド車ともにトップ

シャトルもフィット譲りの低燃費性能を発揮してフィールダーに僅差となっています。

ウイングロードは特に燃費対策がなされていないために、フィールダーやシャトルに対抗する競争力は残念ながらありません。

車両本体価格(円) JC08モード燃費(km/L)
フィールダー1.5L 1,656,720~ 17.6~23.0
シャトル1.5L 1,770,120~ 19.6~22.0
ウイングロード 1,782,000~ 17.2
フィールダーHV 2,229,120~ 34.4
シャトルHV 2,080,080~ 26.0~34.4
フィールダー1.8L 2,220,480~ 16.6

カローラフィールダーの燃費

1.5L車は、燃費改善や低フリクション化などの大幅な改良が行われたことと、CVT車は素早いレスポンスとエンジンとの統合制御により燃費性能を高めた「SuperCVT-i」を搭載したことで、23.0km/Lとシャトルを上回るクラストップ燃費を誇ります。

セダンタイプのアクシオに設定された1.3Lエンジン車はなく、代わりに搭載された1.8L車はポンピングロス低減とフリクション低減を図ったことで燃費を大幅に向上されているとはいえ、16.6km/Lに留まります。

ハイブリッドシステムは3代目プリウスやアクア、さらにカローラアクシオハイブリッと同様の「リダクション機構付THS-II」が採用され、JC08モードで34.4km/Lの低燃費を実現しています。

メカニズムもアクアとほぼ同一で、エンジンとモーター、燃料タンクとバッテリーの容量と配置、さらにはゲート式のフロアシフトまで共通になっています。

カローラフィールダーのモデルチェンジ情報や価格・相場

シャトルの燃費

ハイブリッドシステムは2代目フィットハイブリッドやヴェゼルハイブリッドにも採用されているEV発進が可能な1.5LアトキンソンサイクルDOHCi-VTECエンジンに高出力モーター内蔵7速DCT、リチウムイオンバッテリーとパワードライブユニットを一体化したIPUを組み合わせた「SPORTHYBRIDi-DCD」を採用し、燃費はJC08モード燃費で34.0km/L、ガソリン1.5L車は同22.0km/Lをマークします。

この1.5L車、燃費でフィールダーの1.5L車に若干劣りますが、4WD車ではフィールダーの16.4km/Lに対し19.6km/Lと大きく差をつけており、クルマ選びにおいては重要な指針となりそうです。

また、5ナンバーステーションワゴンのハイブリッド車として初めて設定された4WD車も27.8km/Lの低燃費性能となります。

シャトルのモデルチェンジ情報や価格・相場

ウイングロードの燃費

HR15DEエンジンを搭載するウイングロードの17.2km/Lという燃費は、ひと昔前ならけっして悪くはないのですが、ライバルが20km/Lを軽く超えているのを見ると、さすがに見劣りします。

アイドリングストップも目立った低燃費対策もないのに、それでもなんとかこの数値になっているのは、効率的で燃費性能に優れるCVTの特徴をさらに伸ばしつている、エクストロニックCVTのおかげといって良いでしょう。

ウイングロードのモデルチェンジ情報や価格・相場

走りを比較

軽トールワゴンやミニバンじゃなく、低重心のステーションワゴンを選ぶユーザーは走行性能も求めるはずです。

優れた走行性能を求めるならスバルのレヴォーグという選択肢があるのですが、あまりにも高価なためにこの1.5Lクラスを狙うユーザーにはハードルが高すぎます。

そこまでの性能は求めなくても、市街地でも高速道路でも気持ちよく、ストレスなく走れる性能は期待するでしょう。

その意味ではフィールダーの1.8L車はセダンのアクシオにもない、ステーションワゴンには最適なパワーユニットなのかもしれません。

フィールダー1.5L シャトル1.5L ウイングロード
エンジン型式
排気量
直列4気筒/1,496 直列4気筒/1,496 直列4気筒/1,498
最高出力
kw(ps/rpm)
2WD 80(109)/6,000
4WD 76(103)/6,000
97(132)/6,600 80(109)/6,000
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
CVT 138(13.9)/4,400
MT 136(13.9)/4,400
4WD 132(13.5)/4,400
155(15.8)/4,600 148(15.1)/4,400
駆動方式 2WD 4WD 2WD 4WD 2WD 4WD
トランスミッション Super CVT-i
5MT
CVT エクストロニック
CVT
  フィールダーHV シャトルHV フィールダー1.8L
エンジン型式
排気量
直列4気筒/1,496 直列4気筒/1,496 直列4気筒/1,797
最高出力
kw(ps/rpm)
54(74)/4,800 81(110)/6,000 103(140)/6,200
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
111(11.3)/3,600~4,000 134(13.7)/5,000 172(17.5)/4,000
モーター最高出力
kw(ps/rpm)
45(61) 22(29.5)/1,313~2,000
モーター最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
169(17.2) 160(16.3)/0~1,313
駆動方式 2WD 2WD 4WD 2WD 
トランスミッション 電気式無段変速機 7AT Super CVT-i

カローラフィールダーの走り

モーターとエンジンの長所を最大限活かしながら、低燃費と優れた走りを両立するTHSⅡハイブリッドシステム。

1.5Lクラスのボディを、111N・mのモータートルクが2.0L車並みの余裕をもたらし、長距離ドライブや高速域での走行には最適です。

フィールダーの1.5L車は、その機敏な回頭性と瞬発力が魅力です。

そのため、高速よりも市街地でこそ気持ちいい走りが楽しめそうです。

そして、全速度域で快適な走りが得られるのが、ライバルには設定のない1.8L車です。

吸気バルブリフトを連続的に変化させるバルブマチックにより、低速~高速全域にわたり、燃費とレスポンスの向上を実現。

またSuperCVT-iとの統合制御により、優れた加速性能も実現しています。

シャトルの走り

1.5L車はハイブリッド車よりも最大で約180kgも軽いため、ハンドリングは軽快。

ただハイブリッド車のX、Zに装備されている振幅感応型ダンパーが装着されていないなどノリ心地はハイブリッドの方が上質です。

シャトルはハイブリッド車がベストチョイスになるようです。

それは、5ナンバーサイズのハイブリッドステーションワゴンとしては初の4WD車に表れています。

4WD仕様専用のリアサスペンションは、しっかりと路面に追従し、安定感のある走りが味えます。

この路面を選ばない4WDワゴンは、常に雪道で苦労する地域のユーザーにとって魅力なはずです。

ウイングロードの走り

1.5Lエンジン+エクストロニックCVTによるウイングロードの走りは、1.5Lでも動力性能は十分。

ライバルの1.5Lと比較しても遜色のないスペックを備えていますが、パドルシフトもなく、スポーティーに走りを楽しむというより、のんびりクルージングするという性格と思うほうが正解です。

安全性能を比較

この項を執筆するたびに機能が向上するほど、この安全支援システムの進化は早いものがあります。

自動ブレーキはもはや軽自動車であっても標準装備され、誤発進御製制御も前進は当たり前で、現在は後退時にも制御することが必要とされています。

したがって、新しい車種の方が有利なのは当然ですは、統合されたパッケージとして装備することで、発売年度が古くてもバージョンアップは可能です。

とはいえメーカーがその気になって安全性能を向上させる気になる主力車種であることが条件になります。

比較車種の中では最も新しいシャトル、アクシオとともに常にトヨタの中心車種であるフィールダーは現状の1.5Lクラスではトップクラス。

しかし、ウイングロードは少し事情が異なるようです。

カローラフィールダーの安全性能

フィールダーは、マイナーチェンジにおいて、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティ(PCS)・レーンディパーチャーアラート(LDA)・オートマチックハイビーム(AHB)をパッケージ化した「ToyotaSafetySenseC」が標準装備化され、新たにインテリジェントクリアランスソナーが5MT車を除く全グレードにオプション設定されています。

また、クルーズコントロールを「HYBRIDG」と「HYBRIDG”W×B”」に標準装備しています。

シャトルの安全性能

シャトルも9月のマイナーチェンジにおいて、ミリ波レーダーと単眼カメラによる精度の高い検知機能により、8つの先進機能で支える安全運転支援システム「HondaSENSING」を全タイプに標準装備しました。

ただし、軽トールワゴンの新型N-BOXに採用された「後方」誤発進抑制機能が装備されず、同機能もセットされた「ToyotaSafetySenseC」との大きな差となっています。

ウイングロードの安全性能

全車にVDC(横滑り防止装置)こそ標準装備しているものの、ウイングロードには最新の安全装備は採用されていません

燃費対策でも同じですが、軽自動車でさえ標準装備されるのが当たり前となっている自動ブレーキさえ装備されないのはライバルとの競争において、決定的な弱点となってしまいます。

ステーションワゴンのまとめ

クルマ選びにおいて、ステーションワゴンという選択肢はあまり多いとは言えないでしょう。

最量販車種であるカローラフィールダーでさえ販売目標は3,700台、シャトルは同2,700台ですが、10月の実績は2,423台、過去6か月の平均も2,000台と低迷、前年比も50%台となっています。

そして、ウイングロードはランキング30位にも入りません。

このように市場規模の小さくなっているクラスですが、その機能性と使いやすさはミニバンやコンパクトカー以上であり、カローラフィールダーやシャトルを選択肢に加えてもけっして後悔しないでしょう。

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