ステップワゴンとライバルミニバンを徹底比較(セレナ・ノア/ヴォクシー/エスクァイア)

5ナンバーミニバンの販売動向

マイナーチェンジされたステップワゴンは、上級車種のスパーダに待望のハイブリッドを設定するなど、販売の低迷から脱するための大がかりな改良を施しました。

前評判も上々で、競争が激しいミニバン市場に、また大きな風が吹き荒れそうな予感がします。

そこで、マイナーチェンジで刷新されたステップワゴンと、人気沸騰中の日産セレナ、そして販売台数トップのヴォクシー/ノア/エスクァイアを比較して、ミニバンの魅力をあらためて探ってみることにしましょう。

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ホンダステップワゴンの概要とマイナーチェンジでの変更点

ステップワゴンは2017年9月にマイナーチェンジを行い、スパーダの外観を変更するとともに、2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド) i-MMD」搭載仕様を設定。

また、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全タイプに標準装備とし、機能をさらに充実させました。

販売が思うように伸びない現行モデルにおいて、価格帯が高く上級装備の人気のあるスパーダを集中的にブラッシュアップさせることで、不振を打開する戦略に出たものと思われます。

居住性を比較

5ナンバーサイズという制約の為、限られたサイズの中での居住スペースの広さは各車大きな差はなく、シートアレンジやバックドアの工夫などの使い勝手や、低床化による乗降性などに工夫を凝らすことで個性を出すことになります。

スライドドアからの乗降に影響のあるステップの低床化ではヴォクシー/ノア/エスクァイアとステップワゴンが優れており、バックドアの工夫ではステップワゴンとともにセレナも評価が高い構造を採用しています。

ステップワゴン
スパーダ
“ハイブリッド”
ノア/ヴォクシー
/エスクァイア
“ハイブリッド”
ステップワゴン
1.5ターボ
ノア/ヴォクシー
/エスクァイア2.0
セレナ
全長
全幅
全高(㎜)
4,760
1,695
1,840
4,695
1,695
1,825(1,865)
4,760
1,695
1,840~1,855
4,695
1,695
1,825(1,865)
4,770
1,695~1,740
1,865~1,875
室内長
室内幅
室内高(㎜)
3,220
1,500
1,425
2,930
1,540
1,400
3,220
1,500
1,425
2,930
1,540
1,400
3,240
1,545
1,400
ホイールベース(㎜) 2,890 2,850 2,890 2,850 2,860

ステップワゴンの居住性

ステップワゴンはエンジンスペースを最小現にし、ムダな空間を排したレイアウトを徹底的に追求することで、クラス最大級の室内空間を生み出しています。

大開口のテールゲートと横開き式のサブドアを備えた独自機構の「わくわくゲート」を採用していることが最大の特徴となります。

また、3列目のシート を左右に分割して床下格納できるマジックシートとの組み合わせで、テールゲートを開けることなく横開き式のサブドアから3列目のシートへの乗り降りを可能としています。

車両後方から荷物だけでなく人が出入りするという考え方は、ミニバンの新たな可能性を秘める画期的なものですが、その有効的な利用法がなかなか浸透しないのが難点でもあります。

また、格納することを優先にしたサードシートは快適な座り心地とはいえません。

スライドドアのステップ高も390mmとヴォクシー/ノア/エスクァイアに続いて低く、大型アシストグリップやディーラーオプションのハンズフリースライドドア(29,160円)によって、さらに乗降性を高めています。

また、ステップワゴンは2列目シートが分割式のキャプテンシート仕様7乗りが基本となり、2列目6:4分割ベンチシートの8人乗りはメーカーオプション(スパーダを除く)になるのも特徴です。

ステップワゴンの値引きとリセールバリュー

ヴォクシー/ノア/エスクァイアの居住性

低床フラットフロアの採用により、全高を低くしながら、室内高を高くなったことで広い室内空間とステップがなく、スライドドアでのステップ高もステップワゴンより低い360mmとなり、乗降性に優れているほか、荷室フロアも前モデル比60mm低くするとともに、左右に跳ね上げ式のサードシートの収納構造を工夫したことで、荷室空間の使い勝手を高めています

さらに、2列目キャプテンシートには横方向にも移動する810mmの、ベンチシートでも580mmという超ロングスライドを採用するなど、フラットな床面を最大限に活かしたアレンジが可能となっています。

ヴォクシー/ノア/エスクァイアは優れた低床構造が最大の特徴になり、子供やお年寄りを乗せることの多いミニバンにおいて、最も優先されるべきポイントを見事に抑えた、トヨタのミニバン造りの神髄といえます。

ヴォクシーの値引きとリセールバリュー

セレナの居住性

「セレナ」はクラスNo.1の室内長と室内幅を誇り、1列目から3列目シートそれぞれのひざ周りスペースにゆとりを生み出しています。

セレナの2列目シートは、従来型と同様にベンチタイプのみで、人気のあるキャプテンシートがないのがライバルとの違い。

3列目シートは着座位置を持ち上げており、スライド機能を備えた仕様では足元空間も広がるので、居住性はステップワゴンを上回ります。

シートアレンジは多彩で、スライド量が最大690mmの超ロングスライドを持つ「スマートマルチセンターシート」や、2列目のシートベルトをシート内蔵式にすることにより、スライド機構を持たせた3列目シートによって、開放感ある快適な室内空間を実現しています。

また2列目には横方向のスライド機能が付き、中央に寄せるとスライドドア付近の間口を広く取れる。

さらに中央に寄せた状態で後方にスライドさせると、足元空間が大幅に広がって快適な乗り心地になります。

セレナの値引きとリセールバリュー

燃費を比較

燃費に関しては、ハイブリッドを設定するヴォクシー/ノア/エスクァイアが相変わらず有利です。

ステップワゴンは、マイナーチェンジで「スパーダ」にハイブリッドを新設定し、マイルドハイブリッドの日産セレナ、ハイブリッドのトヨタ・ヴォクシー/ノア/エスクァイアといったライバルを上回る燃費性能を手に入れましたが、標準車にはハイブリッドは設定されないなど、全体的にはヴォクシー/ノア/エスクァイアを燃費で上回ったとは言いにくいのです。

ステップワゴン
スパーダ
“ハイブリッド”
ノア/ヴォクシー
/エスクァイア
“ハイブリッド”
ステップワゴン
1.5ターボ
ノア/ヴォクシー
/エスクァイア2.0
セレナ
車両本体価格(円) 3,300,480~ N/V 314,280〜
E 3,151,440~
2455920~ N/V 2,466,720〜
E 2,675,160~
2,435,400~
JC08モード燃費 25.0 23.8 15.4~16.0 16.0(14.8) 15.0~17.2

ステップワゴンの燃費

今回採用されたハイブリッドシステムは、アコードやオデッセイなどに採用された2モーター型の「スポーツハイブリッドi-MMD」。

燃費性能はJC08モードで25.0km/L、新しい測定方法のWLTCでは20.0km/Lとクラストップレベルとなっています。

このハイブリッド車はスパーダのみに設定され、現行タイプは1.5Lターボのみの設定になりますが、最高で17.0㎞/Lの燃費性能は、ライバルのNA2.0L車と十分対抗できます。

25.0km/Lというライバルを凌ぐハイブリッド車ですが、上級装備車のスパーダに設定されたこともあり、価格は330万円から。

ノア/ヴォクシーのハイブリッド車が約301万円からということを考えると、燃費で1.2㎞/L上回っても29万円の差はカバーできず、燃費だけでステップワゴンのハイブリッドを選ぶことはできません

ステップワゴンのモデルチェンジ情報や価格・相場

ヴォクシー/ノア/エスクァイアの燃費

低燃費性能こそヴォクシー/ノア/エスクァイアの真骨頂

これだけの販売台数を記録するほどの人気を集めるのは、このクラスで唯一のフルハイブリッド車だからに他なりません。

コンパクトミニバンクラスではシエンタが売れていますが、それと同じ、あるいはそれ以上に人気があるのがホンダのフリードです。

シエンタと同じくフルハイブリッドであり、燃費性能も互角だからなのです。

1.8Lエンジンにリダクション機構付THS IIに、クラストップレベルの変速比幅を実現した「Super CVT-i」の採用により燃費を向上し、23.8㎞/Lのハイブリッド車のみならず、ガソリン車もバルブマチックの改良を行ったほか、一部グレードを除く全車にアイドリングストップシステムを搭載したことでNAエンジン車としてはクラストップの16.0㎞/Lの低燃費性能を誇っています。

ヴォクシーのモデルチェンジ情報や価格・相場

セレナの燃費

大人気のセレナですが、唯一の欠点が燃費性能で、マイルドハイブリッドの「S-ハイブリッド」搭載車もヴォクシー/ノア/エスクァイアのハイブリッド車には遠く及ばず、ステップワゴンの1.5Lターボ車にも差をつけられています。

燃費性能以外の魅力で売れているセレナですが、燃費の向上は最優先課題。

そこで登場するのが、ノートと同じ「e-POWER」です。

すでに東京モーターショーに出品された「セレナe-POWER」は、大ヒットモデルとなった「ノートe-POWER」に搭載されているものと基本的に同じで、セレナ用にモーターが大型化されているとされます。

そして、価格はベースモデルに対して40万~50万円のアップになる予定。

ステップワゴンハイブリッドを上回る動力性能と低燃費、そしてヴォクシー/ノア/エスクァイアのハイブリッド車に対抗できる価格になれば、もう大ヒットは約束されたようなものです。

ただし、2018年春の発売予定とされていますが、例の完成検査の不備問題が2度にわたって明らかになり、2週間程度の出荷停止を行っていることから、発売が4月以降にずれ込む可能性もあるのが気になります。

セレナのモデルチェンジ情報や価格・相場

走りを比較

ミニバンにスポーツタイプのような走りを期待する方はいないでしょうし、重心も高く重量のあるミニバンにそれを期待するのは無理。

ミニバンにおける走りとは、いかに安定した走行で乗員を快適に過ごさせるか。

そして、5ナンバーサイズならではの取り回しの良さということになります。

しかし、今回登場したステップワゴンスパーダハイブリッドは、そのようなミニバンの概念を根底から崩しかねない圧倒的な走行性能を持つことになりました。

ステップワゴン
スパーダ
“ハイブリッド”
ノア/ヴォクシー
/エスクァイア
“ハイブリッド”
ステップワゴン
1.5ターボ
ノア/ヴォクシー
/エスクァイア2.0
セレナ
エンジン型式
排気量
直列4気筒
1,993㏄
直列4気筒
1797cc
直列4気筒
1,496㏄
直列4気筒
1986cc
直列4気筒
1,997cc
最高出力
kw(ps/rpm)
107(145)/6,200   73(99)/5,200 110(150)/5,500 112(152)/6,100 110(150)/6,000
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
175(17.8)/4,000  142(14.5)/4,000 203(20.7)/1,600~5,000 193(19.7)/3,800 200(20.4)/4,400
モーター最高出力
kw(ps/rpm)
135(184)/5,000~6,000 60(82) 1.9(2.6)
モーター最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
315(32.1)/0~2,000 207(21.1) 48(4.9)
乗車人員(人) 7(8) 7 7(8) 7  8 7(8)
駆動方式 2WD 2WD FF 4WD 2WD 4WD FF 4WD
トランスミッション 電気式無段変速機 電気式無段変速機 CVT Super CVT-i CVT

ステップワゴンの走り

ステップワゴンスパーダに新設されたハイブリッドシステムは、「スポーツハイブリッドi-MMD」。

クラス上のアコードやオデッセイなどに採用される2.0Lエンジンをベースとするシステムのため、 5ナンバークラスのミニバンにとっては異例の動力性能を持つことになります。

エンジン、モーターともにヴォクシー/ノア/エスクァイアを大きく上回るパワーとトルクを誇り、特にモータートルクの315N・mはヴォクシー/ノア/エスクァイアを100N・m以上引き離し、比べ物にならない加速性能を体験するはず。

そして、回りはじめた瞬間から最大トルクを生むモーターの特性を活かして低速から高速まで、幅広い速度域で力強く滑らかな走りを可能にしています。

また、ハイブリッド仕様には専用チューニングサスペンションが与えられ、さらに、上級グレードにはボディのしなりをコントロールするパフォーマンスダンパーを採用。

乗り心地と操縦安定性を高次元でバランスさせています。

1.5Lターボエンジンは最高出力150馬力、最大トルク20.7kg-mという性能はNAの2.0Lエンジンと同等のスペックで、ターボにより実用回転域の駆動力が高まったことで効率の優れたエンジンになっています。

ヴォクシー/ノア/エスクァイアの走り

ヴォクシー/ノア/エスクァイアには、1.8Lアトキンソンサイクルエンジンにモーターを組み合わせたリダクション機構付THS IIを採用したハイブリッド車と、ガソリン2.0Lエンジンを設定しています。

ハイブリッドは小さな電流で大きな電力供給を可能とし、高出力モーターの性能を引き出した結果、加速時はエンジンに加え、バッテリーからもパワーを供給することでさらに駆動力がアップし、システム最高出力100kW(136PS)を発揮します。

ステップワゴンスパーダのハイブリッド車のような迫力ある動力性能は望めませんが、ガソリン2.0Lエンジン車と比べて高速域の余裕あるパワーと加速性能は、重量のあるミニバンであっても、長距離ドライビングにおいて運転者のストレスを感じさせないはずです。

2.0Lガソリン車は、低速から高速まで、すべての運転領域でパワフルかつゆとりに満ちた走りを実現し、市街地走行においてはハイブリッド車にひけをとらないスムーズなドライビングが可能となります。

ノアのモデルチェンジ情報や価格・相場

セレナの走り

セレナのエンジンはフルモデルチェンジにおいて、S-HYBRID搭載車はモーターをSM24型に変更したことにより動力性能を向上、4WD車にもS-HYBRIDを搭載しています。

また、直噴化により熱効率を高め低燃費と高トルクの両立を実現し、安定した加速性能がえられるようになっています。

登場が待たれる「e-POWER」は、ノートに搭載されているものよりモーターが大型化されているとされ、動力性能に期待がかかります。

もちろん、その独特なモーター走行や、ワンペダル走行、そして自動運転アシストのプロパイロットも標準装備することで、重量のあるミニバンがどのような走りを見せるのか注目されます。

安全性能を比較

ミニバンにとっての安全装備は、クルマ選びの最重要課題となり、様々な機能もセットでどれだけ実用的な機能が加わるかということが焦点となります。

また、新発売される機種に次々と採用される「電子ミラー」も注目される安全装備のひとつといえるでしょう。

判断基準としてはそれらの性能は当然ですが、標準装備化ということも考慮したいところです。

新型ステップワゴンはいち早く「ホンダセンシング」を標準装備化したことで注目を集めており、販売面でも大きなセールスポイントになっています。

全車標準装備ではないものの、ヴォクシー/ノア/エスクァイアの「トヨタセーフティセンスC」は価格も安くセット内容も充実しバランスが取れています。

また、セレナのプロパイロットは自動運転技術としては未完ながら、安全装備としてみれば高性能であるといえますが、非装着車との差異が気になります。

ステップワゴンの安全性能

ステップワゴンはマイナーチェンジにおいて、歩行者事故低減ステアリング機能を新たに採用し、「ホンダセンシング」の基本8機能を全車に標準装備し搭載。

ミリ波レーダーと単眼カメラによる車両前方の状況認識とブレーキ、ステアリングの制御により事故回避を支援します。

また、ハイブリッド車にはACC(追従クルーズコントロール)の作動範囲を0km/hからとした渋滞追従機能付きとなっています。

また、ミリ波レーダーは性能を向上させ、対象物体の位置や速度だけでなく、低い歩行者まで検知 対象を拡大しました。

また、単眼カメラは車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性、大きさなどを識別。

より精度の高い認識を可能とし、安心で快適な運転を支援します。

車体後方に設置されたカメラの映像をルームミラーに映し出すことで、フル乗車・フル積載でも後方視界を確保できるようにする「電子ルームミラー」は、「アドバンスドルームミラー」としてディーラーオプション設定されます。

ヴォクシー/ノア/エスクァイアの安全性能

2016年1月の一部改良において、新たにレーザーレーダーと単眼カメラの2つのセンサーを採用し、衝突回避支援型プリクラッシュセーフティシステム、レーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームをセットにした衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を採用し、ガソリン車の「G」・「Si」及びハイブリッド車全車に標準装備、ガソリン車のXとV Packageは標準装備されていませんが、54,000円 という非常に安い価格でメーカーオプション設定しています。

電子ミラーは59,400円でディーラーオプションにて装着されます。

エスクァイアのモデルチェンジ情報や価格・相場

セレナの安全性能

高速道路や自動車専用道路での同一車線に対応した運転操作支援システム「プロパイロット」は、「インテリジェントDA(ふらつき警報)」、「アクティブレーンキープ」や、オートブレーキホールド、スマート・ルームミラー、アラウンドビューモニター、エマージェンシーブレーキ、踏み間違い衝突防止アシスト、LDW(車線逸脱警報)からなるセットオプションの「セーフティパックB」としてメーカーオプション設定されています。

「プロパイロット」は、先進運転者支援システムとしてみるとトップクラスの機能を持っているので、「自動運転なんていらない」と思わずに、安全装備ということで選んだほうが正解です。

5ナンバーミニバンのまとめ

一足早くマイナーチェンジされたヴォクシー/ノア/エスクァイアが総合的には一歩リードしておる印象があり、現実に販売は順調の様です。

しかし、価格などで不満点の多いステップワゴンは、想像以上にインパクトがありヴォクシー/ノア/エスクァイアや好調なセレナさえ抑えるほどの人気を獲得しそうです。

これまでのミニバンには飽き足らないという風潮が、一点豪華主義的な「プロパイロット」のセレナや、新型ステップワゴンスパーダにこぞって群がる結果になったようです。

これからのミニバンは、経済性重視の標準タイプと、他にない個性的な機能を持つカスタムチックな車種という両極端な構成になるのかも知れません。

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