コンパクトクラスSUV徹底比較(CX-3・エスクード・XV)


2017年前半のトピックと言えば、SUBARUが新型XVを発表、スズキはエスクードに14L直噴ターボ車を投入、そしてマツダのCX-3が、2.0Lのガソリンエンジン搭載車を追加設定するなど、コンパクトSUV市場が昨年以上に活気付いていることがあげられます。

最近、人気となっているSUVの中でも特に人気が高いのは、これらのコンパクトサイズのSUVで、トヨタ C-HRやホンダヴェゼルなどヒットモデルも多いクラスです。

今の国内市場ではコンパクトカーや軽自動車の人気を見てもわかる通り、売れ筋車種が低価格化していることから、SUVであってもコンパクトで低価格なことが売れる条件となっているようです。

そこで、2017年前半に登場したニューフェイスの3台を徹底比較します。

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コンパクトクラスSUV各車の概要

CX-3の概要と今回の変更点

2017年6月の改良において、ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」車を新たに設定。

クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 1.5」車に加え、新たな選択肢を提供することになりました。

また、ガソリンエンジン車は、2018年10月以降に表示が義務化される燃費モード「WLTCモード」の認可を先行して取得している点も注目されます。

さらに、ボディカラーにおいて、新型「CX-5」で初導入し好評を得ているボディカラーの「ソウルレッドクリスタルメタリック」を設定しています。

CX-3のモデルチェンジ情報や価格・相場

SUBARU XVの概要との変更点

社名変更後初の新型車として、投入された新型「SUBARU XV」は、次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用したインプレッサスポーツをベースに、200mmの最低地上高を兼ね備えた本格SUV並みの悪路走破性を備えつつ、都市でも自然の中でも似合うデザインとし、広い視界と取り回しの良さ、乗り降りしやすい実用性を備えた都会的でクールな「スポカジスタイル」を実現しています。

また、歩行者保護エアバッグと運転支援システム「アイサイト(ver.3)」を全車に標準装備。

危険回避性能も大幅に向上させました。

XVのモデルチェンジ情報や価格・相場

スズキエスクードの概要と変更点

「エスクード」はハンガリーの子会社であるマジャールスズキ社で生産し、日本では輸入車として販売するモデルです。

2017年7月に、ゆとりある走りの1.6L自然吸気エンジン搭載車に加え、スポーティーな走りの1.4L直噴ターボエンジン搭載車を追加、さらに6速AT を採用することでエスクードのラインアップを強化し、街乗りからアウトドアレジャーまで幅広い用途に対応するモデルとなっています。

エスクードのモデルチェンジ情報や価格・相場

居住性を比較

デザイン優先のクーペスタイルが主流に

スタイリッシュなエクステリアデザインが重要なファクターとなるコンパクトSUVにおいて、居住性能が犠牲になりがちです。

特に、アイポイントの高い運転席は快適でも、後席が狭いという欠点は、ひとサイズ大きいC-HRでも指摘されています。

しかし、ファミリーユースでの人気も高く、カッコイイデザインでありながら後席の居住性も高いことが大きな利点となるのも確かなのです。

デザイン優先のクーペスタイルか、後席や荷室スペースも広いワゴンタイプかに分かれますが、近年はクーペスタイルに人気が集まる傾向にあるようです。

CX-3 エスクード XV
全長
全幅
全高(㎜)
4,275
1,765
1,550
4,175
1,775
1,610
4,465
1,800
1,550
室内長
室内幅
室内高(㎜)
1,810
1,435
1,210
1,960
1,480
1,265
2,085
1,520
1,200
ホイールベース(㎜) 2,570 2,500 2,670

CX-3の居住性

前席優先が鮮明に

CX-3はクロスオーバーSUVとはいっても、その実態はきわめてスポーツカー、もしくはスペシャリティカーに近いものなのです。

反面、ベースとなるデミオと同じホイールベースであり、ボディ後端が落とし込まれたクーペデザインの影響で、4人乗車でレジャーに出かけるような使い方では後席と荷室のスペースに不満が出てくるのも確かです。

しかし、前席、特に運転席の居住性は、その運転姿勢にとことんこだわったレイアウトをとっており、前後スライド量、リクライニング量、シートリフト量、シートチルト量に加えて、アクティブドライビングディスプレイ(ヘッドアップディスプレイ)の設定まで記憶する、シートメモリー機能付きの10ウェイパワーシートを装備するなど、一人、もしくは二人での移動は実に快適なものになっています。

クロスオーバーSUVの枠に収まりきらない、ドライビングカーとしてのCX-3は、日産のジュークに近いモデルかも知れません。

CX-3の値引きとリセールバリュー

XVの居住性

インプレッサ譲りの居住性能は武器

最新のプラットフォームを採用するインプレッサスポーツをベースとXVは、CX-3より100mm.も長いホイールベースを誇るため、居住性、特に後席の足元スペースや頭上空間において圧倒的な優位性を持っています。

使い勝手に定評のあるインプレッサスポーツの良さは当然継承し、なおかつSUVならではの200mmもの地上高によりヒップポイントとボディ開口部が高くなって、乗降性もインプレッサスポーツ以上となっています。

このSUVであっても居住性と使い勝手を犠牲にしないことがXV最大の魅力であり、ファミリー層を取り込むことに成功しています。

このあたりはホンダのヴェゼルと同じコンセプトであり、ベース車のサイズが大きい分、ヴェゼル以上に人気が出る要因となっています。

XVの値引きとリセールバリュー

エスクードの居住性

優れたパッケージングが日本人にも評価されるかが問題

サイズ的にはXVとCX-3の中間ですが、CX-3よりさらに短いホイールベースはXVと比較すると170mmという大差がつく。

それでもさすが“欧州車”だけあって、前席は太ももをしっかり支持し、クッションも硬めで、後席は、座面・背もたれ共にサイズが大きく、体をしっかり支えるシートにより後席でも窮屈な感じはないのです。

けして質感が高いとは言えず、質素なインテリアは日本人好みとは言えませんが、クロスオーバーSUVとはいいつつ、いかついクロカン仕様の前モデルの面影が漂うなど男心をくすぐります。

アウトドアを楽しむギアとしては最高の乗り心地と言っても良いでしょう。

エスクードの値引きとリセールバリュー

燃費を比較

SUVとはいえコンパクトカーの燃費は重要

SUVの面白いところは、各社が推し進めるパワーユニットがそれぞれ異なり、それがその車の個性を大きく左右することです。

今回取り上げていないホンダのヴェゼルやトヨタのC-HRはハイブリッド、CX-3はクリーンディーゼル、XVは水平対向エンジン、エスクードは直噴ターボとより取りみどり。

燃費だけを考えればハイブリッドでいいのですが、走行性能やコンパクトクラスという価格を重視するクラスにおいては、ハイブリッドが最適とは言えないのです。

将来的にはここにEVが投入されるのは間違いありませんが、価格面を考えるとまだ先の様です。

となれば、ハイブリッド、ターボ、ガソリン、ディーゼルの中からSUVに最適なパワーユニットはどれか、自らのライフスタイルとともに選択する必要があります。

CX-3
2.0Lガソリン
エスクード1.6L XV2.0
車両価格(円) 2,106,000~ 2,343,600 2,484,000~
JC08モード燃費 16.6~17.0 17.4 16.0~16.4
CX-3
1.5Lディーゼル
エスクード
1.4L直噴ターボ
XV1.6
車両価格(円) 2,408,400~ 2,586,600 2,138,400~
JC08モード燃費 21.0~25.0 16.8 16.2

CX-3の燃費

燃費性能そのものより WLTCモードを利用する

ガソリンエンジン車は、「WLTCモード」の認可を取得していることが注目されました。

「WLTCモード」は、「市街地モード(WLTC-L)」、「郊外モード(WLTC-M)」、「高速道路モード(WLTC-H)」と3つの走行モードで構成された国際的な試験方法。

JC08モードに比べ、冷機状態での走行時間割合の増加、アイドリング時間比率の減少、運転者以外の乗員や積載物の重量を考慮したことなどにより、実際の使用実態を意識した測定方式になっています。

ガソリン2.0L車の燃費は特筆すべき点はなく、これまでのJC08モード値よりも低い結果となってしまっています。

しかし、高速道路モードではJC08モード値より高く、ディーゼルエンジンとの性格の違いがわかることから、エンジンの選択の基準として、そして話題作りには効果がありそうです。

WLTCモード燃費表

エンジンタイプ 2.0ガソリン
JC08モード 17.0(16.6)
WLTCモード 16.0(15.2)
WLTC市街地モード
WLTC-L
12.2(11.6)
WLTC郊外モード
WLTC-M
16.8(15.8)
WLTC高速道路モード
WLTC-H
18.0(17.4)

XVの燃費

XV唯一の弱点

1.6Lと2.0LのNAガソリンエンジンを採用するXVは、燃費に関して飛び抜けた性能は見当たりません。

4WDであることも理由のひとつですが、CX-3の4WD車との比較でも下回っており、SUBARUのサイト上でも燃費に関する記述は少なめです。

前モデルで採用されたハイブリッドは今回見送られており、およそ8か月の短命に終わっています。

1.6L車があらたに加わり、2.0L車より30万円以上低価格ということが人気となっていますが、燃費性能は2.0L車とほとんど変わりません。

エスクードの燃費

意外と燃費も優れている事実

新たに加わった1.4L直噴ターボ車は、燃費とパワーを両立するとはいえ、燃費性能も2.0L車並みで、XVの2.0L車やCX-3の2.0L4WD車をわずかに上回る程度。

税金面の差以外に1.4L車を選ぶコストの利点はなさそうです。

当然1.6L車を下回ります。

その1.6L車は基本的なアイドリングストップ機構は採用されていますが、特に低燃費技術は見当たらないものの、同じ1.6LのXVを1.2㎞/Lも上回る意外な側面を持っています。

走りを比較

走ってナンボのSUV

クロスオーバーSUVがスタイリング以外に、コンパクトカーと差別化されるためには、SUVの名に恥じない走行性能も重要なファクターとなります。

といっても、本格派SUVのような悪路走破性というよりも、高速道路での気持ち良い加速感といった、オンロードでの走行性能が主体となります。

したがって、4WDは必ずしも必要ではないというのが世界的な流れです。

CX-3 2.0Lガソリン エスクード1.6L XV2.0
エンジン型式
排気量
直列4気筒
1997
直列4気筒
1,586
水平対抗4気筒
1,995
最高出力
kw(ps/rpm)
109(148)/6,000 86(117)/6,000 113(154)/6,000
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
192(19.6)/2,800 151(15.4)/4,400 196(20.0)/4,000
駆動方式 2WD 4WD 4WD 4WD
ミッション 6EC-AT 6AT CVT
CX-3 1.5Lディーゼル エスクード 1.4L直噴ターボ XV1.6
エンジン型式
排気量
直列4気筒1498
クリーンディーゼル
直列4気筒1,371
直噴ターボ
水平対抗4気筒
1,599
最高出力
kw(ps/rpm)
77(105)/4,000 100(136)/5,500 85(115)/6,200
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
270(27.5)/1,600-2500 210(21.4)/2,100~4,000 148(15.1)/3,600
駆動方式 2WD 4WD 4WD 4WD
ミッション 6EC-AT 6AT CVT

CX-3の走り

走りに妥協しないマツダのこだわり

CX-3の特徴である1.5Lのクリーンディーゼルエンジンは、その270m・Nというターボ車もかなわないビッグトルクが魅力です。

今回ガソリン車を追加設定したわけですが、1.5Lエンジンを採用するほうが低価格を実現できたのに、あえて2.0Lを採用したのには、ガソリンエンジンを搭載しても走行性能を犠牲にしたくない、ガソリンエンジンを採用する以上はガソリン車の良さも再確認してほしい、というマツダの方針によります。

ターボを装着しない2.0LのガソリンNAエンジンは、6速ATとの組み合わせにより、アクセル操作での微調節をしやすく、ディーゼルに不慣れなユーザーには、トルクの立ち上がりが穏やかなガソリンエンジンは扱いやすいといえます。

また、新世代4WDシステム i-ACTIVAWDや「G-Vectoring Control(G-ベクタリング コントロール)」など、エンジン以外にも走行性能に注力しているのがCX-3最大の魅力といえます。

XVの走り

四駆にこだわるSUBARUのSUV

XVは、フルモデルチェンジにおいて、2.0Lエンジンを直噴化すると共に新たに1.6Lエンジンを採用、またXVとして初の「X-MODE」の採用、さらにゆとりあるロードクリアランスを確保するなど、SUVとしての本格性能も兼備えました。

シンメトリカルAWDは、あらゆる走行状況においてAWDのメリットを最大限に引き出すことができ、アクティブトルクスプリットAWDを全車に標準装備。

リアルタイム制御により、4つのタイヤに最適なトルクを配分。

優れた悪路走破性を発揮します。

また、電子制御システム「X-MODE」は、エンジン・トランスミッション・AWD・VDCを統合制御し、4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールします。

エスクードの走り

クロカンの名残が感じられる欧州製4WD

あらたに加わった「エスクード 1.4ターボ」は、2.0L自然吸気エンジン並みの高出力・高トルクを発揮する1.4L直噴ターボのブースタージェット エンジンに6速ATを組み合わせ、スポーティーで力強い走りを実現しました。

これにより、エスクードは、ダイナミックな1.4Lターボ、スムーズでパワフルな1.6L。

直噴ターボのスポーティーな走りと、自然吸気エンジンのゆとりある走りの2つのエンジンを用意しました。

「電子制御4WDシステム」「4モード走行切替機能」「車両運動協調制御システム」の、3つのテクノロジーからなるスズキ独自の新世代四輪制御システム「ALLGRIP」を採用しています。

AUTO、SPORT、SNOW、LOCKの4つのモードから選べ、さらに、エスクード専用制御を採用し、オフロードに多い前後2輪(対角輪)がスリップする路面状況での走破性を向上。

LOCKモード選択時、さらに強力なブレーキ制御を行なうことでより高い悪路走破性を実現しました。

安全性能を比較

機能の充実性が決め手

新規車種が登場するたびに進化する安全性能は、SUVであっても例外ではありません。

当然新しい車種の方が機能も高く、一部改良やマイナーチェンジよりも、フルモデルチェンジされた車種の方がさらに新しい機能が加わるということになります。

今回比較した中ではXVの「アイサイトⅢ」が最も新しく機能も優れているといえます。

そして全車標準装備ということも高い評価を得る要因と言えるでしょう。

CX-3の安全性能

サポカーS・ワイドのお墨付き

マツダの先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を全車に標準装備することにより、経済産業省や国土交通省などが普及啓発を推進する「安全運転サポート車」の「サポカーS・ワイド」に全車が該当しています。

以下のサポカーS・ワイドに該当する技術を標準装備
① アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)【全車】
② AT誤発進抑制制御[前進時]【AT車全車】
③ 車線逸脱警報システム(LDWS)【全車】
④ 先進ライト

アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)は、前方の歩行者や先行車をカメラで検知し、対車両:約4~80km/h走行時、対歩行者:約10~80km/h走行時に、ブレーキを自動制御して衝突回避をサポートします。

ただし、レーダークルーズコントロールや交通標識認識システムなど、グレードによっては装備されない機能もあるので注意が必要です。

XVの安全性能

アイサイト+各種エアバックが標準装備

XVの搭載するアイサイトⅢではステレオカメラを刷新していて、視野角と視認距離を約40%拡大することで認識性能を向上。

さらにカラー画像化によってブレーキランプの認識も実現しています。

これにより従来の運転支援機能を進化させるとともに、ステアリング操作のアシストなど新たな機能も搭載。

逆光などの悪環境下での作動安定性も高めています。

デュアルSRSエアバッグはもちろん、側面衝突時に乗員を保護するためのSRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグを標準装備。

それに加え、前面衝突時に下肢へのダメージを軽減する運転席SRSニーエアバッグという合計7つのエアバッグを標準装備、さらに歩行者保護エアバッグも全車標準装備していることがアイサイトⅢに加えて注目されます。

エスクードの安全性能

物足りない機能

ミリ波レーダー方式による衝突被害軽減システム「レーダーブレーキサポートⅡ(RBSⅡ)」を標準装備。

前方衝突警報機能、前方衝突警報ブレーキ機能、前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能、自動ブレーキ機能を備え、安全機能を充充実させていますが、それ以外の機能はCX-3やXVほど装備されず、日本のユーザーには物足りなく感じるでしょう。

徹底比較まとめ

個性こそもっとも重要なファクター

洗練されたデザイン性と走行性能をあわせ持つコンパクトSUVは、今や最も人気の高いボディタイプとなっています。

トヨタのC-HRとホンダのヴェゼルもコンパクトサイズのSUVに分類されますが、今回は2017年前半にデビュー、もしくは改良を施されたモデルを比較してみました。

どんなクラスでも、居住性能は重要視されますが、このコンパクトSUVではそれ以上に個性が重要視されています。

その個性にはスタイリングだけではなく、パワーユニットの個性も含まれています。

純粋に燃費性能を求めれば、軽量なハッチバックのハイブリッド車になるのにかかわらず、あえてSUVを選ぶ以上、プラスアルファの個性を求めるのは当然。

だからこそ、ただのファミリーカーではなく興味性の強い側面のあるSUVは面白いのです。

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