アクアとフィットハイブリッド、ノートe-POWERを徹底比較

6月19にマイナーチェンジされたトヨタのアクアと、同月29日にマイナーチェンジしたフィット。

そして絶好調の日産ノートe-POWERは、燃費、価格、そして安全性能とコンパクトカーとしての3つの力を兼ね備えた、最も注目される3台となっています。

昨年デビューしたノートe-POWERに独走を許した感もありましたが、ここへきてアクアとフィットが相次いでマイナーチェンジしたことにより2017年後半へ向けて、販売競争も激化しそうです。

そこで、それぞれマイナーチェンジで燃費を向上したアクアとフィットハイブリッドと、ノートe-POWERの3車を徹底比較してみました。

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各低燃費コンパクトカーの概要

アクアの概要と新型での変更点

今回のマイナーチェンジでは、伸びやかなデザインとなったヘッドランプをはじめフードやフェンダー、バンパーなどのフロントや、リヤリフレクターバンパー下部に新たに配置するなど、より安定感あるスタイルとなっています。

また、エンジンの改良やハイブリッドシステムの制御を見直し、「L」においてはクラストップのJC08モード走行燃費38.0km/Lを達成しています。

さらに、「X-URBAN」から改名、クロスオーバースタイルをより進化させた新グレード「Crossover」を設定しています。

アクアの値引きとリセールバリュー

フィットハイブリッドの概要と新型での変更点

フィットは6月30日にマイナーチェンジし、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を採用するとともに、デザインや装備、乗り心地、静粛性、燃費性能などの商品性を向上させています。

メインは「Honda SENSING(ホンダ センシング)」の採用ですが、ハイブリッドモデルにおいて、JC08モード走行燃費を37.4㎞/Lに向上させ従来モデルのアクアの燃費を凌ぎ、ノートe-POWERと並んだのも大きな改良点です。

また、前後バンパーのデザインを変更し、低重心でワイドな外観に仕上げたほか、インラインタイプのLEDヘッドライトなどにより、スポーティーさや先進性を表現しています。

フィットの値引きとリセールバリュー

日産ノートe-POWERの概要

2016年11月に新電動パワートレイン「e-POWER」追加設定されたノートは、ガソリンエンジンにより発電し、その電力を利用してモーターの力で走行する100%モーター駆動ならではの力強くレスポンスの良い加速がユーザーを引き付け、発売後3週間で2万台を受注するなど猛ダッシュを決め、その後7か月連続でコンパクトセグメントのランキングにおいても、1位を記録しています。

パワーユニットの追加設定と一部改良だけでこれだけ販売台数を伸ばした例は珍しく、それまでのハイブリッドとEVの間を埋める車種として高い支持を集めています。

ノートの値引きとリセールバリュー

居住性を比較

コンパクトカーは、そのコンパクトなサイズゆえに室内スペースは十分とは言えず、大人が乗った場合には、窮屈感や圧迫感を覚えます。

それでも、ヘッドクリアランスにゆとりのある「フィット ハイブリッド」は、乗ったときに広い印象を受けるでしょう。

少しでも広さを求める場合にはアウアやノートよりも「フィット ハイブリッド」のほうが優れているといえるでしょう。

燃費に話題が集中しがちなコンパクトカーですが、使い勝手の良いボディサイズで、日常の買い物や通勤に使用し、休日には家族そろって長距離ドライブにも使うという一台で何役もこなさなくてはならないコンパクトカーにとって、より広く快適な室内を持たせることは、コンパクトカーの使命なのです。

アクア ノートe-POWER ハイブリッド
全長
全幅
全高(㎜)
4,050
1,695
1,500
4,100
1,695
1,520
3,990~4,045
1,695
1,525~1,550
室内長
室内幅
室内高(㎜)
2,015
1,395
1,175
2,065
1590
1,255
1,935
1,450
1,280
ホイールベース(㎜) 2,550 2,600 2,530

アクアの居住性

アクアは空気抵抗低減を優先したデザインのために、3車中最も天井が低く、着座位置も低めでドライビングポジションは手足を伸ばし気味になるので、スポーツカーのような感覚で座るのが特徴です。

その結果、前席のスライド位置が後ろに寄ることになり、後席の足元空間が狭まくなってしまいます。

後席に座る乗員の膝先空間は十分とは言えず、ルーフが後ろに行くにしたがってさらに下がっているので、後席は窮屈で5ドアクーペに近前席後席ともに天井が低めで頭を下げて乗り降りすることになり、着座位置も低いので特に後席の実用性は低いと言わざるを得ません。

しかし、新グレードの「Crossover」ではロードクリアランスを3cm上げているので、乗降性が幾分改善されると思われます。

アクアのモデルチェンジ情報や価格・相場

フィットハイブリッドの居住性

フィットハイブリッドのボディサイズは、3車種の中では最も小さく、全長はノートよりも145mm短く、全高は2WDが1525mmでほぼ等しいものの、ホイールベースは2530mmでノートよりも70mm短くなります。

全高以外はアクアに近い寸法ですが、その室内スペースは驚くほど広い(広く感じる)のです。

運転席はアクアよりも高めで、ノートと同程度となり乗降性は悪くない。

後席は足元空間の広さが特筆物で、身長170cmの大人4名が乗車しても膝先空間には余裕があり、ホイールベースが70mm.も上回るノートと同じくらい。

センタータンクレイアウトを採用するため、前席の下がもりあがり、後席に座る乗員のつま先が持ち上がるが、窮屈さを感じるほどではありません。

また、豊富なシートアレンジを設定し、後席は床面へ落とし込むように小さく畳め、さらに後席の座面を持ち上げる可能で荷室の機能は飛び抜けています。

ただし、その影響で座面の奥行寸法が前席に比べて45mm短く、座り心地も柔軟性に欠けるという事実もあります。

フィットのモデルチェンジ情報や価格・相場

ノートe-POWERの居住性

ノートの特徴は、全高を立体駐車場が使える1550mm以下に抑えながらも、2600mmのホイールベースによって後席の足元空間はLサイズセダン並みで、十分なスペースが確保されていることです。

e-POWERでは前席の下にリチウムイオン電池を搭載するため、後席に座った乗員のツマ先が前席の下側に収まりにくいのですが、それでも着座位置が低すぎないので、足が前方へ投げ出されない姿勢となるため問題はありません。

この広い室内スペースはノート本来のパッケージングによるものですが、e-POWERとなっても大きなバッテリーを搭載することがなく、荷室フロアも通常エンジンのノートと変わらぬ広さと使い勝手が確保されているのが特徴です。

ノートのモデルチェンジ情報や価格・相場

燃費を比較

どうしても気になるのが燃費ですが、カタログ燃費だけ見ればアクアの38.0㎞/Lが飛び抜けています。

しかし、それぞれの車種の最高燃費だけ見ても意味はあまりありません。

実際に購入するグレードの燃費を見ると、CMで伝えられる最高燃費と大きく異なります。

アクア、ノートe-POWERともに最高燃費グレードは大幅に装備を削った低燃費訴求車であり、実際に購入するクルマではありませんし、ディーラーでも決してすすめません。

フィットハイブリッドだけはそのようなグレードは廃止していますが、安全装備などを装着できないなどの問題もあります。

比較するのはそれぞれの車種で選びたくなる売れ筋グレードでなければいけません。

そうすると3車が全て同じ燃費性能になってしまうのです。

アクア ノートe-POWER ハイブリッド
車両価格(円) 1,785,240~ 1,772,280~ 1,699,920~
JC08モード燃費 34.4~38.0 34.0~37.2 29.7~37.4

アクアの燃費

「アクア」に搭載されているのは、1.5Lの「1NZ-FXE」エンジンとリダクション機構付き「THSⅡ」。

エンジン駆動、モーター駆動&発電、エンジン+モーター駆動などを走行状況に合わせて制御するシステム。

トヨタでは多くの車種に用いられるシステムであり、燃費を向上させるには最も向いていたシステムとなっています。

燃費は徹底した空気抵抗の低減させるデザインや、今回のマイナーチェンジで38.0㎞/Lに向上させ、コンパクトクラスではトップとなっています。

また、新グレードの「Crossover」においても、34.4km/Lとなっています。

38.0㎞/Lとなるのは後席リアウインドウが手動となるなど装備を省略した「L」のみで、それ以外のグレードは34.4㎞/Lとなっています。

フィットハイブリッドの燃費

「フィット ハイブリッド」に搭載されるのは「スポーツハイブリッドi-DCD(intelligent Dual-Clutch Drive)」。

エンジンとモーターの間にクラッチを挟むことで、両方のトルクを走行に生かせるとともに、エンジンを完全に切り離したEV走行も可能としています。

メカニズムの構成はシンプルですが、1個のモーターが駆動と減速時を中心にした発電を担当するため、発電とモーター駆動を同時に行うことはできないという欠点がありますが、マイナーチェンジにおいて従来のJC08モード燃費をハイブリッド標準タイプで36.4㎞/Lから37.4㎞/Lに向上させています。

十分な装備を持たせたグレードの「HYBRID・F」は34.0㎞/Lとなります。

ノートe-POWERの燃費

パワーユニットは、直列3気筒の1.2Lエンジンに、発電機、リチウムイオン電池、電気を変換して制御するインバーター、駆動用モーターなどを組み合わせ、エンジンの力で発電機を作動させ、そこで得た電気を駆動用電池に蓄えてモーターを回す仕組みとなっています。

リーフの24kWh/30kWhのリチウムイオン電池を、エンジンと発電機に置き換えたのがe-POWERとなり、日産では「新しいEV」としていますが、シリーズハイブリッドと呼ばれることもあるシステムです。

JC08モード燃費は、「e-POWER S」は37.2㎞/Lとなっていますが、エアコンも装備されないため一般の購入には適さない燃費訴求モデルですが、普及モデルの 「e-POWER X」は34.0㎞/Lとなっています。

走りを比較

低燃費に注力するコンパクトカーの走りに多くを期待するのは酷ですが、日常の走行においてストレスがたまるようでは軽自動車ではなく普通車を選び意味がありません。

1.3Lクラスのエンジンでもじゅうぶんなのですが、高速となると心もとないのは確か。

しかし、ハイブリッドであればモーターの出力が加わるため、燃費だけではなく、走りにも余裕が生まれます。

またノートトe-POWERのような100%モーターパワーではエンジンとはまた違った走りが味合うことができます。

アクア ノートe-POWER ハイブリッド
エンジン型式
排気量
直列4気筒
1,496・ハイブリッド
HR12DE・直列3気筒
1,198 発電用
直列4気筒
1,496ハイブリッド
最高出力
kw(ps/rpm)
54(74)/4,800 58(79)/5400 81(110)/6,000
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
111(11.3)/3,600~4,400 103(10.5) /4400 134(13.7)/5,000
モーター最高出力
kw(ps/rpm)
45(61) 80(109)/3008-10000 22(29.5)/1,313-2,000
モーター最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
169(17.2) 254(25.9) /0-3008 160(16.3)/0-1,313
駆動方式 2WD 2WD 2WD 4WD
ミッション 電気式無段変速機 CVT 7AT

アクアの走り

天井が低くてボディも軽く低重心ですから、適度に機敏で良く曲がり、その低燃費車というイメージからは想像できないスポーティーな走りがアクアの持ち味です。

モーターによる加速はCVTのセッティングが過度なエンジンの介入を妨げているのでパワフルとはいえず、ハイブリッド特有のモーターとエンジンの切り替えがもどかしい部分もありますが、日常的な使い勝手は過不足なく快適に走れます。

また、「Crossover」の走りは、専用のチューニングを施し、SUVらしいしっかりとした操舵感を追求しながら、乗り心地も向上させています。

フィットハイブリッドの走り

フィットハイブリッドは「i-DCD」により、燃費だけでなく、加速性能の大幅な向上も実現させ、7速のDCTとの組み合わせで、システム全体で発生する137psというハイパワーとなっており、システム全体の出力が100psのアクアよりも活発なイメージがえられます。

そのためにガソリンエンジン搭載車に対する重量増加は100kg程度に収まり、ノートe-POWERの170kgに比べると大幅に軽くなっているのがわかります。

エンジンが低層から積極的に介入し、加速時にはモーターパワーが加わるので、アクアに比較して自然な加速フィーリングとなるのがフィットハイブリッドの特徴です。

ノートe-POWERの走り

ノートe-POWERの特徴は、エンジンが発電のために使われてホイールを直接駆動せず、リーフと同じモーターが駆動を担当すること。

そのために動力性能やアクセル操作に対する反応の仕方は、基本的に電気自動車と同じになります。

そして、インバーターとモーターはEVのリーフと共通なので、動力性能もほぼ等しいのです。

モーターの特性で高回転域の加速は苦手ですが、市街地走行では反応が素早く、加減速もスムーズに行えます。

またエコ/Sモードでは、アクセルペダルを戻した時の回生充電が効果的に行われ、エンジンブレーキに相当する減速力が強く働き、アクセルペダルだけで速度調節が可能になるなど、まったく新しい走行フィーリングが感じられるでしょう。

安全性能を比較

それぞれの車種の発売時期により、先進安全装備の装着はずれが生じるのですが、今回、アクア、フィットのマイナーチェンジが行われたことで、3車に全て装備されることになります。

それぞれ売れ筋グレードに標準装備されているのは最近のながれですが、メーカーごとに用意されるシステムの性能が異なっていて、どれも同じということにはなりません。

価格と燃費が横並びであるならば、安全性能の優劣でコンパクトカーを選ぶというのは「あり」なのです。

アクアの安全性能

アクアが採用する「Toyota Safety Sense C」は、レーザーレーダーと単眼カメラを併用した検知センサーと、それに基づく統合的な制御により、事故の回避や衝突被害の軽減を支援します。

自動ブレーキが約10km/h-80km/hの車速域で作動しますが、歩行者を検知できません。

「車線逸脱警報」なども備えますが、全体的に現在のレベルにおいては性能が物足りません。

しかし、5万円台と非常時安価なセット価格なので、普及においてはかなりの効果が期待できます。

フィットハイブリッドの安全性能

フィットはミリ波レーダーと単眼カメラを採用する「Honda SENSING」を採用。

衝突軽減ブレーキは前走車両や歩行者、または対向車両に対して衝突する可能性があるとシステムが判断した場合に作動し、自動的に停止または減速することにより衝突回避や衝突被害の軽減を図ります。

また「衝突軽減ブレーキ」以外にも「誤発進抑制機能」「標識認識機能」など8つの機能がセットになります。

ノートe-POWERの安全性能

ノートはトヨタやホンダのように先進安全装備に名称がつかないのでわかりにくいのですが、e-POWERには単眼カメラを使う緊急自動ブレーキを装着。

歩行者も検知して、ブレーキの作動速度は車両に対しては時速80km、歩行者は時速60kmで作動します。

低燃費コンパクトカー徹底比較のまとめ

総合的に評価するとノートe-POWERが買い得に思えます。

居住性や安全装備も十分で、何よりも未知のEV走行にひかれる部分が大きい。

新車を購入する意義が十分に感じられます。

走行安定性、動力性能などの運転感覚はアクアが上でノートe-POWERやフィットハイブリッドに比べて後席や荷室が狭いが、前席メインの使い方なら選ぶ価値があります。

マイナーチェンジで顔つきが変わってフレッシュになったのも好感が持てます。

ただし、その選び方ならトヨタのもう一つのコンパクトカー「ヴィッツハイブリッド」も考慮すべきでしょう。

この「ヴィッツ」6月の販売実績ではアクアを追い抜くほどの人気となっているのです。

後席も頻繁に使うなら、シートアレンジも豊富なフィットハイブリッドが断然お勧めです。

パッケージングの良さはすぐには手が入れられないだけに、当初の設計の出来で勝負が決まり、ライバルがフルモデルチェンジされるまでこのメリットはフィットの独壇場となります。

この3車にヴィッツ、あるいはスズキのスイフトを加えたコンパクトカークラスは、7月以降競争が激しくなるのは間違いありません。

これからコンパクトカーを選ぶ際には、価格、燃費、居住性、走り、そして安全性能としっかりと比較し、自分のライフスタイルや新車に求める最も重要なポイントを抑えたクルマ選びが必要となります。

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