ミライースとアルトを徹底比較

2017年5月にフルモデルチェンジしたダイハツの新型「ミライース」。

軽トールワゴンがもてはやされる中、スズキのアルトとともに、ハッチバックタイプの軽自動車が久々に注目を集めることになりました。

低燃費性能はもちろんですが、改めて注目されるのがその特徴である低価格です。

衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」を装備していながらも、90万円台からという低価格設定は、どんどん装備が増えてコンパクトカー並みになった軽自動車の価格になれてしまったユーザーに、「軽自動車本来の価値」を思い出させてくれるのです。

そこで、先に新型となったアルトと、新型になったばかりのミライースを比較することで、この低価格低燃費の軽自動車の魅力を探ることにしました。

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居住性を比較

ミライースとアルトの居住性能にはほとんどの差は感じられません。

それはミライースの前モデルも含めてのことでもあり、軽規格を目いっぱい使いつつ燃費と低価格を追求すれば、結果としてこうなるというお手本のようなもので、見た目のちょっとした造形以外には大きな差別化が出にくくなっています。

ミライースとアルトは、軽自動車の中では最も背の低いハッチバックタイプのボディですが、どちらも大人人が乗る分には十分なスペースを保っています。

もちろん、そのインテリアの質感やシートの材質は安っぽさが残りますが、実用上問題のないレベルであり、この両車に乗ってみると、車にはこれ以上何が必要なのかと思うほど快適なのです。

初代に立ち返ったような四角い箱をイメージさせるアルトと、頑張って落ち着いたイメージを追求したミライースという、エクステリアとインテリアのデザインが大きく異なっていていますが、これは優劣というより好みの問題になりそうです。

新型ミライース 旧ミライース アルト
全長
全幅
全高(㎜)
3,395
1,475
1,500~1,510
3,395
1,475
1,490
3,395
1,475
1,475
室内長
室内高
室内幅(㎜)
1,935~2,025
1,345
1,240
1,920~2,000.
1,350
1,240
1,985
1,255
1,215
ホイールベース(㎜) 2,455 2,455 2,460

ミライースの居住性

新型ミライースは、低価格でありながらもインテリアの質感もまずまずで、新採用されたデジタルメーターの視認性も良く、アルトとの差別化に役立っています。

前席はヘッドレストを一体化したローコストなハイバックシートになったが、肩まわりのサポート性も向上しているようで、最低限の座り心地は満足できるレベルとなっています。

後席は奥行寸法も短く硬めでも、大人4名が乗車して頭上と足元に余裕があるので、短距離移動であればファミリーカーとしても使えるが、ムーヴやタントと比較するとしんどい。

また、荷室の容量は後席を拡大した影響か最小限度で、シートバックは分割もできないなど、トールワゴンと比較してしまうと不満もありますが、このクラスで後席を重要視する人はほとんどいないことから、その意味では十分な居住スペースといえます。

ミライースの値引きとリセールバリュー

アルトの居住性

インテリアの質感は決して豪華ではなく、ミライースの方が上とも言えます。

しかし、直線基調の白と黒のツートーンのインパネなどはシンプルでオシャレともとれます。

とはいえ、ドアの内張りなどは平面でありドアグリップやリアにはドアポケットすらなく、リアシートは平板で徹底的に無駄を省いていることは、シンプルというより「安っぽさ」ととらえられかねません。

最近では豪華路線の方が受け入れられる風潮があるなかで、スズキが車台アルトのような初心に返り、「軽らしさ」を追求するしたことが、逆に新鮮で潔いととらえられたなら良いのですが、徐々に装備類を高級化するようであれば、目論見違いということになるかもしれません。

燃費を比較

旧ミライースと旧アルトエコの間で繰り広げられた燃費競争は、新型アルトが37.0㎞/Lという低燃費を達成したことで終止符が打たれたました。

新型となったミライースは旧型と変わらぬ燃費にとどめ、あえてアルトに追随することをやめたからです。

成人男性一人分以上の軽量化を達成したのにかかわらず、最高燃費を変えなかったのは、例えアルトに並ぶ数値を達成できたとしても、、再度燃費を引き上げるのは時間の問題。

ならばほぼ限界に近い燃費を無理して向上させるよりも、軽量化で手に入れた余裕を、安全性能と居住性能に利用しすることで、アルトに対抗しようということになったのです。

また、アルトを下回るとはいえ、最安グレードの「F」が30㎞/Lを切るアルトとは異なり、ミライースは35.2㎞/Lという燃費は最安グレードからのものであること、4WD車ではわずか1.0㎞/Lの差にとどまるなど、実質的な差はかなり少ないのが現状なのです。

新型ミライース 旧ミライース アルト
車両価格(円) 842,400~ 847,800~
JC08モード燃費 32.2~35.2 32.2~35.2 27.2~37.0

ミライースの燃費

先代が登場した当時と異なり、ユーザーの求めるものが、安全、走り、質感を重視する傾向となり、新型ミライースも燃費をあえて追求しなかったという。

たしかに先代型に比べると60~80kgもの軽量化を行ったのだから、単純に2~3㎞/L燃費が向上しても不思議はなかったはず。

しかし、JC08モード燃費は最高でも先代型と同じ35.2km/L。

14インチタイヤを装備するグレードは何と34.2km/Lに悪化してさえいるのです。

加速感を自然な印象に改善し、安全性能を最優先した結果です。

それでもアルトの最量販グレード同士での比較では差はわずかであり、両車とも軽量であるがゆえに、乗車人数(ドライバーの体重でさえ)や荷物量、あるいはメーカーオプションの装着次第で流動的になる数字です。

スズキにはマイルドハイブリッドという奥の手があるためにアルトの燃費を引き上げるのはたやすい。

しかし、価格の面から採用を見合わせたため、もしミライースが燃費でアルトに並ぶか追い越すことがあれば、すぐにでもワゴンRのようにアルトハイブリッドが登場することになるでしょう。

ミライースが熟考の上に踏みとどまったことで、両車とも低燃費で低価格という軽自動車のスタンスを維持できたといえるでしょう。

ミライースの評価と買取・値引き・燃費情報

アルトの燃費

37.0㎞/Lという衝撃の低燃費性能を引っさげて登場した現行アルト。

その実力は、燃費不正計測問題を受けて国土交通省が行った調査では38.3km/Lであったとされています。

搭載されるR06A型自然吸気エンジンは従来モデルを改良されてもので、圧縮比の向上や外部EGRの採用などが行われています。

これらにより、燃費性能が向上しているのです。

また、エンジンと異なり一から新設計されたプラットフォームは徹底した軽量化をされ、十分に軽量であった 従来モデルから60kgの軽量化がなされたことが、燃費性能をさらに向上させたのは言うまでもありません。

アルトの評価と買取・値引き・燃費情報

走りを比較

エンジンを比較するとアルトの方がパワー、トルクともにわずかにミライースを上回っています。

また、それ以上に両車の間で決定的に異なるのが、ミライースがひとつのエンジンしか用意していないのに対して、アルトは「RSターボ」「ワークス」というパワフルなターボモデル、さらにはMT車まで用意していることです。

これは、低燃費、低価格車種に位置付けるミライースと、軽量ボディによる軽快な走行性能を、スポーツモデルにまでラインナップを広げるという、ダイハツとスズキのメーカーの戦略の差と言えます。

また、ダイハツのコペンのようなスポーツモデルを持たないスズキの事情という意味合いもあるでしょう。

基本となるグレード同士では、走行性能に明確な差が出るほどの違いはありませんが、わずかながらのパワーとトルクの差と、60~80㎏の車両重量の差を加味すればアルトの方が軽快に走る、ということになりますが、全開でサーキットをせめない限りは、その差を感じることは不可能でしょう。

新型ミライース 旧ミライース アルト
エンジン型式
排気量
直列3気筒
658
直列3気筒
658
直列3気筒
658
最高出力
kw(ps/rpm)
36(49)6,800 36(49)/6,800 38(52)6,500
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
57(5.8)5,200 57(5.8)/5,200 63(6.4)4,000
燃料タンク容量(L) 28~30 27
車両重量(㎏) 650~740 730~790 610~700

ミライースの走り

ミライースは、けっして走りにフォーカスした車種ではありませんが、走行安定性は先代型に比べると向上しており、ボディが軽量化され、ルーフパネルの薄型化によって低重心化されたことも走行安定性を高める要因にもなっています。

コーナリングにおいては、スタビライザーが装着されないこともあり、ボディの傾き方は大きいのですが、挙動の変化が急激ではなくドライバーに安心感が伝わります。

このことは、ミライースの多くを占める高齢層にとって重要なことで、元気よくきびきび走ることよりも、安心できる動きが重要になり、軽量化されたことによる不安定さを抑えて、しっかりと踏ん張る必要があるのです。

また、販売比率が4割に達するという上級グレードの「X・SA III」には、14インチタイヤが装着されているために、路面のウネリを乗り越えた時の収まりが良いので走行安定性も良く、高速道路でも安心して走行できます。

アルトの走り

アルトの走りを支えるのは、スズキ初の樹脂フェンダーや樹脂ロアクロスメンバーを採用して実現した その超軽量化ボディです。

最低装備の5MTでは軽トラックより軽い610kg。

その恩恵は、燃費と走りに現れ、燃費は「エネチャージ」搭載のFF、CVT仕様車が37.0km/Lとなり、ミライースが燃費追求をあきらめる要因となりました。

そして軽量化は走りにも効果をもたらし、パワー感こそないもののミライースよりさらに軽いボディは、軽快な出足と加速感を味わえることにつながります。

それでも物足りなければアルトには、ターボチェージャーを装備した「RSターボ」と、足回りからチューニングされ、MT車も選べる「アルトワークス」が用意されていることが、ミライースと決定的な差となって、若いユーザーを引き付けています。

ミライースとアルトの安全性能

ミライースが採用する2個のカメラが装着される「スマートアシストIII」の衝突被害軽減ブレーキは、車両に対しては時速100km、歩行者には時速50kmを上限に警報を発し、さらに危険が高まると、車両は時速80km、歩行者には時速50km以下で、緊急自動ブレーキを作動することができ、軽自動車用としては最高の性能を持っています。

また後方に向けた音波センサーも備わり、ペダルの誤操作を判断してエンジン出力を絞る誤発進抑制制御機能は前後ともに作動するのは、多発するペダルの踏み間違いによる事故に対抗するものとして注目される安全装備です。

対するアルトの衝突被害軽減ブレーキ「レーダーブレーキサポート」では、時速30km以下で車両のみに作動する簡易型となっており、誤発進抑制制御機能は前進時のみに限られています。

安全性能の差を見ると「スマートアシストIII」を採用するミライースの方が優れているといえるでしょう。

しかし、アルトの価格はLレーダーブレーキサポート装着車が91万円で、新型ミライースL・SAIIIの93万円より2万円ほど安くなりますが、上記の安全性能の差を考えると、ミライースは納得できる価格と言えます。

第二ラウンドの勝者ははたしてどちらか?

その他のハッチバックタイプの軽自動車は、このミライースとアルトのOEM供給車両のみ。

それだけ、このクラスの低燃費低価格という技術は困難であり、コストをかけて得られる利益も少ないこともあり、さすがのホンダもこのクラスには参入せず、日産/三菱の連合軍も手を出せませんでした。

したがって、この先どう進化していくのかはダイハツとスズキの誇るこの2車にかかっています。

先代モデルでは究極の燃費合戦を繰り広げ、両車ともに燃費性能の技術を磨き上げ、燃費ではミライースの35.2㎞/Lが勝利しましたが、その結果どちらも似たような車になってしまいました。

そして第二ラウンドとなる現行モデル対決ではアルトの37.0㎞/Lという燃費に対してミライースは応じず、アルトの不戦勝ともいえるじょうきょうになりました。

しかし、どちらも低燃費以外に独自の個性を打ち出し、明確な差が現れてきました。

はたしてユーザーのジャッジはどちらに高得点を与えるのか、もう少し様子を見てみることにしましょう。

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