コンパクトカーを徹底比較(ヴィッツ・フィット・パッソ・スイフト)

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1.0~1.5Lまで3つの異なる排気量など多彩なバリエーションを展開する「ヴィッツ」、独身女性をターゲットに1.0Lに絞り込んで新しいライフスタイルを提案する「パッソ」、独自の低燃費技術と走行性能の「スイフト、そして低燃費のハイブリッド車以外にも優れたパッケージングで広い居住空間を持つ「フィット」。

軽自動車と超低燃費のハイブリッド車の間にはさまれて今正念場を迎えようとしているコンパクトカーですが、複数のモデルと多彩なバリエーションのトヨタ、走りに特化するスズキ、そして居住スペースを最大限に広げるホンダというメーカーの考え方の違いともいえます。

そして同じ考えなのが安全性能ということになるのです。

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コンパクトカーの居住性を比較

コンパクトカーはライバル車同士の競争も激しく、商品力から価格まで横並びで比較され、劣っていれば販売面で追い抜かれてしまいます。

その意味では発売から6年以上経過した「ヴィッツ」はひと時代前のパッケージングであり、居住性能においてはライバル、特に「フィット」に対して劣っている事は確かです。

また、モデル末期になっている「スイフト」も決してあたらしいパッケージングではありません。

「ヴィッツ」より小型の「パッソ」は、常に後席を有効利用するモデルではないために最低限のスペースであり、比較車種の居住性能では「フィット」がもっともすぐれているという結果になります。

居住性比較表

ヴィッツ パッソ
全長
全幅
全高(㎜)
3,885
1,695
1,500~1,530
3,650~3,660
1,665
1,525
室内長
室内高
室内幅(㎜)
1,920
1,390
1,250
1,975
1,420
1,270
ホイールベース(㎜) 2,510 2,490
スイフト フィット
全長
全幅
全高(㎜)
3,850
1,695
1,500~1,535
3,995
1,695
1,525~1,550
室内長
室内高
室内幅(㎜)
1,905
1,385
1,225
1,995
1,450
1,280
ホイールベース(㎜) 2,430 2,530

ヴィッツの居住性

納得できるレベルの性能

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4mを切る全長のコンパクトなボディながらも、2,510㎜のロングホイールベースによって居住性を確保、マイナーチェンジによってショックアブソーバーの改良を受け、ボディのスポット溶接の箇所を増やしてボディの振動や捩れを抑えることで乗り心地の改善を図っています。

乗り心地という点では「パッソ」を凌ぎ「フィット」とも同等となりますが、「フィット」に比べると後席のスペースに差があり荷室の容量も小さいのは全長が10㎝短い影響です。

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「フィット」を意識し、無理して荷室容量を確保するために後席を前に設置した弊害とも言えます。

それでも人や荷物を乗せる能力は平均以上に出来ているのはさすがトヨタ流。

ホールド性の高い新骨格のシートと、前席には小物入れが多数あり、高めの座面を持つリアシートはスペースが不足気味でも居心地にすぐれています。

装備面では、フロントドアガラスには「カットガラス」を世界初採用、 大容量の助手席アッパーボックスを採用し、また、「ナノイー」も標準装備されています。

また、助手席クッションの先から “壁”がせり上がり、シートの上に載せたモノが床に落ちるのを防ぐ“買い物アシストシート”はヴィッツオリジナルのアイデア装備です。

ヴィッツの値引きとリセールバリュー

パッソの居住性

軽より広く感じられればいいのですが

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「パッソ」の全長は「ヴィッツ」よりさらに20㎝以上短く、室内スペースが広い部類には入りませんが、ホイールベースはほとんど変わらず、外観の見た目以上に十分なスペースを確保しています。
ターゲットが独身女性なのであえて後席の広さにはこだわらず、前席優先のモデルであると考えれば快適だということになりますが、細かな使い勝手は優れているものの4人乗車時の居住性能という点では、軽トールワゴン並みかそれ以下という見方も出来ます。

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ダイハツが主に開発した車種ということで、軽自動車で培われた限られた寸法の中で、より広く見せることには成功していますが、シート長の短さや、形状や色などの質感が普通車というよりも軽自動車に見えてしまうのは最大の欠点です。

新型パッソの値引きとリセールバリュー

スイフトの居住性

広さよりコンパクトさ

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(この画像はスズキから許諾を得て掲載しております)

「スイフト」も室内が広い車種とはいえません。

車体寸法こそ「ヴィッツ」と同程度ですが、ホイールベースは「パッソ」よりも短く、キビキビとした走行性能と引き換えに室内、特に後席は窮屈になってしまいます。

前席のシートは肩の周辺までしっかりとサポートする優れものですが、反面、リアシートは座り心地は良くても頭上と足元の空間が狭めで、荷室もコンパクトカーとしては最低限であり注目すべき機能もありません。

居住性や荷室の使い勝手では、「スイフト」が「フィット」に勝るのはドライバーを主体に考えた時で、フロントシートの居住性では、「スイフト」を選んでも間違いではないでしょう。

メインマーケットである欧州市場において「スイフト」は、2名乗車で荷物を十分に積みこめることが求められるクラスに入るため、ファミーリーカーとして後席も重要視する国内市場ではこのような評価になってしまうのです。

フィットの居住性

パッケージングはクラストップ

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比較車種の中では最も大きいサイズな上に、パッケージングが優れているおり、さらに センタータンクレイアウトなどによりシートアレンジが豊富なのですから居住性能は最も優れていると言っていいでしょう。

後席の広さは頭上空間にも余裕があり、膝まわりのスペースも足を組めるほどの広さがあります。

また、プラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナーを「13G」を除く全タイプに装備さるなど快適性も見逃せません。

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特に優れているのはミニバンの様に多彩なシートアレンジで、シートバックを前倒ししてフラットフロアの空間が拡大される「ユーティリティ・モード」や、クッション部分を跳ね上げるだけの操作で、高さのある空間を生み出せる「トール・モード」を可能とする、“ウルトラシート”と呼ばれるシートアレンジはライバルを圧倒します。

コンパクトカーの燃費を比較

コンパクトカークラスに最も求められるのが燃費性能です。

デュアルジェットエンジン搭載の「スイフト」は「ヴィッツ」よりも低燃費ではありますが、1.0Lの「パッソ」にはかなわず燃費の良さだけなら「パッソ」に決まりということになります。
しかし、1.0Lの排気量に満足出来ない人にとってはやはり1.2Lか1.3L車にこだわりたい。

このクラスは燃費を求めるとハイブリッドなどにシフトされるため、通常のガソリンエンジン車の燃費は腰ととの関係で伸び悩んでおり、比較車種やそれ以外の車種も横並びとなっています。

燃費比較表

ヴィッツ パッソ
車両価格(円) 1,153,637~ 1,150,200~
JC08モード燃費 1.0L21.6~24.0
1.3L18.0~25.0
1.5L17.2~21.2
24.4~28.0
スイフト フィット
車両価格(円) 1,316,520~ 1,299,800~
JC08モード燃消 19.4~26.4 1.3L20.0~26.0
1.5L19.0~21.8

ヴィッツの燃費

1.0Lより1.3Lの方が良い逆転現象

2014年のマイナーチェンジにおいて、1.3L・2WD車はアトキンソンサイクルをはじめ、クールドEGR、VVT-iEなどの技術を用いて熱効率を高め、燃費改善を図った1NR-FKE型エンジンを搭載し、またアイドリングストップ機能の「SMART STOPパッケージ」は1.3LのFF全グレードに標準設定としており「RS」のMT車を除く1.0L車・1.5L車全グレードにも新たに設定して燃費の向上を図っています。

その結果1.3L車の燃費が25.0㎞/Lとなり、1.0L車の24.0㎞/Lを上回ってしまい、低燃費がうりものの1.0L車の存在意義が薄れてしまいました。

また、この1.3L車の燃費も「フィット」には届きませんでした。

ヴィッツの評価と買取・値引き・燃費情報

パッソの燃費

軽自動車並みの燃費

1.0L車に特化した「パッソ」は低燃費と低価格が生命線です。

同じ1.0Lエンジンで車両価格も「ヴィッツ1.0」とほぼ同じながらも、大人一人分軽い車重を活かして28.0㎞/Lの低燃費を達成しています。

軽トールワゴンと肩を並べるこの燃費と価格は、軽自動車からの代替需要や、エントリーカーとして軽自動車と競合する「パッソ」にとって大きな武器となっています。

パッソの評価と買取・値引き・燃費情報

スイフトの燃費

低燃費でも割高な DJE

1気筒あたり2つのインジェクターで燃料を噴射。

燃料を微粒化し噴射する 「デュアルジェットエンジン」 を搭載する「DJE」グレードは 「エネチャージ」をはじめとした数々な技術によって 熱効率を高め、このクラスではトップの26.4 km/L という低燃費を達成しています。

しかし、最も安い「G」グレードは通常の1.2Lエンジンのため20.6 km/L という燃費になっており、26.4 km/L の低燃費の「DJE」グレードは143万円台からと割高なのがネックとなっています。

スイフトの評価と買取・値引き・燃費情報

フィットの燃費

NA車も低燃費

ハイブリッド車が注目される「フィット」ですが、1.3L車の燃費性能も優れており、「ヴィッツ」と同じくアトキンソンサイクルとアイドリングストップを採用した1.3lFF車の燃費は26.0㎞/Lとなり「ヴィッツ1.3」を2.0㎞/L上回ります。

また1.5L車もわずかですが「ヴィッツ1.5」を上回ります。

ハイブリッド車が36.4㎞/Lという低燃費であっても車両価格が40万円も割高になることを考えれば、1.3L車のコストパフォーマンスの高さは明白であり、発売当初は8割以上だったハイブリッド車の割合も徐々に1.3L車が増えています。
これは「ヴィッツ」と「アクア」の関係にも当てはまり、年間走行距離が平均レベルなら「ヴィッツ」の方が経済的と言えるのです。

フィットの評価と買取・値引き・燃費情報

コンパクトカーの走りを比較

コンパクトカー選びにおいては、居住性能や燃費性能に重きが置かれ、法外な動力性能や走行性能は求めていません。

しかし、「スイフトスポーツ」のような本格的なスポーツモデルも存在ます。
多様な性格を持つ車種が存在することが理想なのですが、販売台数を追い求めるコンパクトカークラスでは、最も支持を集める機能に特化することになるのです。

その結果、燃費、広さといった機能が重要視され、わかりづらい走りについては「それなり」という車種が主流になっています。

走行性能比較表

ヴィッツ パッソ
エンジン型式
排気量
直列3気筒・996
直列4気筒・1,329 1,496
直列3気筒・996
最高出力
kw(ps/rpm)
1.0L 51(69)/6,000
1.3L 73(99)/6,000
1.5L 80(109)/6,000
51(69)/6,000
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
1.0L  92(9.4)/4,300  
1.3L 121(12.3)/4,400 
1.5L 136(13.9)/4,800 
92(9.4)/4,400
スイフト フィット
エンジン型式
排気量
直列4気筒・1,242 直列4気筒・1,317 1,496
最高出力
kw(ps/rpm)
67(91)/6,000 1.3L 73(100)/6,000  
1.5L 97(132)/6,600
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
118(12.4)/4,400 1.3L 119(12.1)/5,000
1.5L 155(15.8)/4,600

ヴィッツの走り

良くも悪くも平均点

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走行性能を前面に出す車種ではありませんが、コンパクトカーとしては満足のいくレベルとなっています。

さすがに1.0L車の動力性能は平坦路ではさほど不満はありませんが、登坂路などでは力不足となります。

直列3気筒なので、4気筒の1.3L車に比べると物足りません。

1.3L車は300ccの差を十分感じられる実用性十分のパワーがあり、「ヴィッツ」では最もバランスが取れたグレードとなります。

「パッソ」が登場したことで1.0L車の需要は完全に持って行かれるので、この1.3Lの余裕こそが「ヴィッツ」のメイン車種になるでしょう。
また「ヴィッツ」には1.5Lの「RS」グレードがあるものの、動力性能では「フィット1.5」に劣ります。
 

パッソの走り

走りはそれなりでいい

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「パッソ」に走りを期待する人はいないでしょう。

軽自動車から乗り変える人が「やっぱり普通車は違う」と思ってくれればいいのです。

その意味では十分な動力性能であり、日常使いにおいては不足なく、高速道路や登坂路であっても軽自動車以上の余裕があります。

しかし、何らかの理由で1.3L車から乗り変えた場合にはストレスを感じることになります。

9.4のトルクはダイハツで言えば「キャスト」のターボ仕様と同じで、しかも「パッソ」の方が70㎏(成人男性一人分強)重いのですから当然と言えます。

「パッソ」は独身女性にターゲットを絞ったという点では、軽自動車の「ムーヴキャンバス」や「ラパン」にコンセプトが近いのですが、こと走りに関してはこれらの軽自動車と差は大きくない程度と思っていいでしょう。

スイフトの走り

スポーツの名に恥じない「スイフトスポーツ」

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「スイフト」は軽量でコンパクトなボディを活かした走行性能に定評があり、「RS」グレードも人気がありますが、さらに「スイフトスポーツ」というスポーツモデルを派生車種としてラインナップしています。

「スイフトスポーツ」は1.6L自然吸気エンジン搭載車No.1となる最高出力100kWを誇ります。
さらに6速マニュアルトランスミッションと7速マニュアルモード付CVTにより加速性能も向上させ、リヤサスペンションを専用設計して旋回時の限界性能を高めた機敏なハンドリングになっています。

今では死語になりつつある「ホットハッチ」という呼び名がピッタリの走るためのクルマと言えるでしょう。

フィットの走り

走りを求めるならハイブリッド

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「フィット」は、1.5LにRS、ハイブリッドにSパッケージというスポーツモデルがありますが、エアロパーツや専用のアルミホイールを装着する程度で特にホットモデルの設定はありません。

しかし、「フィット」の走行性能はコンパクトクラスでは定評があり、決してパワフルとは言えない1.3L車でも高速道路であっても十分な動力性能を持っています。
余裕ある走りを求めるなら1.5L車もいいのですが、ハイブリッドの方がトルクも大きく長距離運転でも楽に運転できるでしょう。

変化を求められるコンパクトカー

「ヴィッツ」はトヨタの今でも看板車種ではありますが、コンパクトカーの主役は完全に「アクア」に移行されています。

そしてフルモデルチェンジされた「パッソ」にも抜かれて、今やわき役に徹する状況です。

それでも現行モデルは発売から6年を経過しても尚堅実な販売を続け、販売ランキングでは常にベスト10を狙える位置にい続けているのです。

そんな「ヴィッツ」の魅力とは何なのでしょうか?「ヴィッツ」のライバルである他車のコンパクトカーとの比較で明らかのなったのは捨てにおいて平均点であること。

コンパクトカーを選ぶ方は予算にも限りがあり、飛び抜けた性能や個性よりも価格に見合った内容であれば良しとする傾向があります。

しかし、今コンパクトカーは軽自動車と超低燃費のハイブリッド車の間にはさまれて正念場を迎えようとしています。

これまでは「ヴィッツ」の様にそれなりの内容でも良かったものが、軽自動車の技術革新が進みその差がなくなりつつあり、ハイブリッドを始めとする低燃費車との燃費の差がさらに広がっています。

低価格のままで軽自動車以上の魅力を持つコンパクトカーの需要は多いはずです。

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