ハイブリッドミニバン徹底比較(オデッセイ・エスティマ・アルファード)

 ホンダは2016年2月5日に、上級ミニバン「オデッセイ」「オデッセイ アブソルート」に、ハイブリッドモデルを新たに追加しました。

発売当初から設定が決まっていましたが、様々な理由で導入が大幅に遅れ、ようやく発売にこぎつけたのです。

その間「オデッセイ」の販売は低迷を続けており、ハイブリッド車の追加設定により販売の回復をもくろんでいます。

オデッセイハイブリッド

 「オデッセイハイブリッド」の特徴はなんといってもその燃費性能です。

最高で26.0㎞/Lという数字は、同クラスのミニバンである「エスティマハイブリッド」や「アルファード/ヴェルファイアハイブリッド」を大きく上回り、1.8Lハイブリッドの「ノア/ヴォクシーハイブリッド」をも凌ぐものです。

 しかし、NA2.4Lエンジンの「オデッセイ」に比べてかなりの割高感があり、経済性という意味では手放しで喜べません。

さらにガソリン価格が下げ止まらず、恐らく「オデッセイハイブリッド」の企画段階と比べて40円/Lほどタスクなっているはずで、低燃費が魅力のハイブリッド車の優位性が揺らいでいるのが現状です。

 そこで、「オデッセイハイブリッド」は本当に買う価値があるのか?ライバルとの比較、そしてなによりも2.4Lエンジンの「オデッセイ」との比較を通じて考えてみました。

オデッセイハイブリッドVSオデッセイ

ハイブリッドは価格の差を取り戻せるのか

オデッセイハイブリッド オデッセイ2.4
車両価格(円) 3,560,000~3,990,000 2,760,000~3,625,400
JC08モート燃費(㎞/L) 24.4~26.0 12.8~14.0
エンジン型式・排気量(cc) 直列4気筒・1993 直列4気筒・2356

圧倒的な燃費の差

 ハイブリッド車の魅力が燃費だけではなく、モーターの力を加えることによるプラスアルファの走行性能であることや、環境性能に優れたモデルを所有することの優越感や、プレミアム感すらもあることは百も承知で、損得勘定をしてみました。

比較対象は、ハイブリッド車はベースグレードの「ハイブリッド」、2.4L車は「2.4G」。

ともにそれぞれのエントリーグレードです。

ハイブリッドの燃費は26.0㎞/L、2.4Gが13.8㎞/Lですからその差は12.8㎞/Lにもなります。

同じ車種で倍近い燃費の差があったら誰でも飛びつきたくなります。

「オデッセイ」を検討している全てのユーザーがハイブリッドを選択しそうです。

オデッセイハイブリッド

軽自動車一台分の価格差は痛い

 しかし、車両価格を見るとけっしてそうはならないであろうこともわかります。

ハイブリッドの車両価格は356万円、2.4Gは276万円とその差は80万円。

減税分を考慮しても約73万円にもなります。

73万円といえば「アルト」の新古車が購入できるほどの金額です。

このことからもハイブリッドの低燃費に飛びつきそうになったユーザーが冷静に考えてしまいます。

「ほんとにハイブリッド車はこれだけの差額を支払ってまでも経済的と言えるのだろうか?」と。

そこで、次にハイブリッド車がその燃費の差を武器に、73万円の差額を取り戻すのにはどのくらいかかるのか試算してみました。

20万㎞走行すれば元は取れるのですが

燃費比較表

ガソリン代105円/ℓの場合
車種 ハイブリッド オデッセイ2.4G
新車価格 円 3,560,000 2,760,000
取得税
重量税の合計
0 63,900
価格差 円 736,100
燃料費 円 105 105
燃費㎞/L 26.0 13.8
1㎞走行時
消費金額
4.0 7.6
1㎞走行時
消費金額差
3.6
差額0までの
走行距離㎞
206,177km
年間2万㎞
走行時(年)
10.3 10年と4ヶ月
年間1万㎞
走行時(年)
20.6 20年と6ヶ月
ガソリン代145円/ℓの場合
車種 ハイブリッド オデッセイ2.4G
新車価格 円 3,560,000 2,760,000
取得税
重量税の合計
63,900
価格差 円 736,100
燃料費 円 145 145
燃費㎞/L 26.0 13.8
1㎞走行時
消費金額
5.6 10.5
1㎞走行時
消費金額差
4.9
差額0までの
走行距離
149,301km
年間2万㎞
走行時(年)
7.5 7年と6ヶ月
年間1万㎞
走行時(年)
14.9 14年と10ヶ月
ガソリン代105円/ℓの場合
車種 ハイブリッドアブソルート
ホンダセンシング
アブソルートEX
ホンダセンシング
新車価格 円 3,780,000 3,450,000
取得税
重量税の合計
69,400
価格差 円 260,600
燃料費 円 105 105
燃費㎞/L 25.2 13.6
1㎞走行時
消費金額
4.2 7.7
1㎞走行時
消費金額差
3.6
差額0までの
走行距離㎞
73,327
年間2万㎞
走行時(年)
3.7 3年と9ヶ月
年間1万㎞
走行時(年)
7.3 7年と2ヶ月
ガソリン代145円/ℓの場合
車種 ハイブリッドアブソルート
ホンダセンシング
アブソルートEX
ホンダセンシング
新車価格 円 3,780,000 3,450,000
取得税
重量税の合計
69,400
価格差 円 260,600
燃料費 円 145 145
燃費㎞/L 25.2 13.6
1㎞走行時
消費金額 円
5.8 10.7
1㎞走行時
消費金額差 円
4.9
差額0までの
走行距離㎞
53,099
年間2万㎞
走行時(年)
2.7 2年と7ヶ月
年間1万㎞
走行時(年)
5.3 5年と2ヶ月

 結果は約20万㎞走行して初めて元が取れるということになりました。

これは年間走行距離3万㎞でも8年近くはかかるということになり、一般のユーザーにはほぼ不可能と言っていいのではないでしょうか。

73万円の差はそれほど大きいものと言えます。

しかし、ハイブリッドと2.4Gでは装備に違いもあります。

考え方を変えてより近いグレード比較をすればどうなるのか。

次に、人気グレードのアブソルートに、これも需要が多くなった最新安全装備のホンダセンシングを加えたグレードで比較してもみました。

グレード次第ではその差は少なくなり、ガソリン代次第ではハイブリッドの優位性は増すことも

 すると、燃費の差は11.6㎞/Lに縮まりましたが、価格の差は約26万円となり、同条件では約2年と8ヶ月、年間2万キロの走行では約3年と9ヶ月で元が取れるということになり、俄然、現実味が出てきます。

さらに、ガソリン代を現在の低水準である105円/Lに設定して計算していますが、少し前の様な水準の145円/Lになれば状況が大きく異なり、年間走行距離の少ないユーザーでも元は取れそうです。

そして、走行距離の多いユーザーは、その経済性を大いに発揮して、2.4L車よりも少ない負担で乗り続けることが可能なのです。

比較結果 走行距離が少なければ2.4L 多ければハイブリッド

 お好きな方を・・というのは無責任ですが、こと経済性についてだけで言えば、初期投資の少ない2.4Lの方がユーザーの負担は少なく、ハイブリッド車を選んでも走行距離の少ない方が元を取り戻すことは不可能です。

走行距離の多い方は、グレードの選択次第では同装備の2.4L車との価格差は取りもどせる可能性が大きいので、ハイブリッド車を選ぶ価値ありということになります。

 この結果を元に、ハイブリッド車ならではの走行性能等、他の魅力を加味したうえで選んでみてはどうでしょうか。

ライバルのハイブリッドミニバンとの比較

スペック比較表

オデッセイ
ハイブリッド
エスティマ
ハイブリッド
アルファード
ハイブリッド
車両価格(円) 3,560,000
~3,990,000
3,918,437
~5,235,055
4,113,818
~7,036,691
JC08モート燃費
(㎞/L)
24.4~26.0 17.0~18.0 18.4~19.4
車体寸法(mm)
全長/全幅/全高
4,830
/1,820
/1,685~1,695
4,800~4,815
/1,820
/1,760
4,915~4,935
/1,850
/1,895~1,950
室内長/室内幅
/室内高(mm) 
2,935/1,625/1,300~1,305 3,010/1,580/1,255 3,210/1,590/1,400
ホイルーベース
(mm)
2,900 2,950 3,000
車両重量(㎏) 1,810~1,860 1,930~1,990 2,110~2,220
エンジン型式
・排気量(cc)
直列4気筒・1993 直列4気筒・2,362 直列4気筒・2,493
最高出力
(kW[PS]/rpm)
107(145)/6,200 110(150)/6,000 112(152)/5,700
最大トルク
(N・m[kgf・m]/rpm)
175(17.8)/4,000 190(19.4)/4,000 260(21.0)/4,400~4,800
動力用主電池 リチウムイオン電池 ニッケル水素電池 ニッケル水素電池
モーター最高出力
kW(PS)
135(184)/5,000~6,000 F105(143)R50(68) F105(143)R50(68)
モーター最大トルク
N・m(kgf・m)
315(32.1)/0~2,000 F270(27.5)R130(13.3) F270(27.5)R139(14.2)

ライバルを上回る燃費

 「オデッセイ」と同クラスのハイブリッドミニバンはトヨタの「エスティマハイブリッド」と「アルファードハイブリッド」なのですが、4WDということもあってか価格帯がかなり異なります。

同排気量のハイブリッド車としては日産の「エクストレイルハイブリッド」がありますが、「オデッセイハイブリッド」の競合車になるか疑問です。

そして、それら全てだけではなく、1.8Lハイブリッドの「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」よりも燃費で上回るのが「オデッセイハイブリッド」の優れたところです。

居住性では不利

 燃費の比較ではハイブリッド車の価格が高いことを指摘しましたが、「エスティマハイブリッド」と「アルファードハイブリッド」よりは下回っており、ハイブリッドミニバンとしては格安であり低燃費な車種であるという評価になるのです。

そのかわり、3列シート車として重要な居住スペースにおいては、低床設計のため高さはあるもののその他は劣り、特にホイールベースの差から3列目シートの居住性に大きな差が出ています。

オデッセイ
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アルファード
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走行性能では優位も4WDの未設定がネックに

 動力性能では最新のハイブリッドシステム「スポーツハイブリッドi-MD」であるためエンジン+モーターの出力はトヨタの2.4L、2.5Lハイブリッドに匹敵します。

さらに「エスティマハイブリッド」よりも100㎏以上、「アルファードハイブリッド」にいたっては200㎏以上軽量なために走行性能に影響することは確実でしょう。

しかし、4WDの設定が無いのはミニバンであっても残念なことであり、1.5Lの「スポーツハイブリッドi-CDC」には4WDがあり他車との差別化があった
だけに、e-4WDとは言え4WDが標準装備されたトヨタの2車に対して致命的な弱点となりえそうです。

発売が遅すぎたかも知れないハイブリッド

 トヨタの「エスティマ」と「アルファード」との比較でもわかるように、「オデッセイ」が価格やサイズで正面から競合する車種はないのが現状です。

それでは独占状態かと言えばそうでもなく、現在の市場では売れ筋モデルではないという事でもあります。

スペース的には不利な低全高ボディで、2.4Lが標準仕様であったために価格も「ノア」などと比較されると割高な印象があります。

さらに高級感という点では「アルファード」には及びません。

 新設定された「オデッセイハイブリッド」はどうでしょうか。

圧倒的な燃費性能を誇ることでユーザーに選ばれるのでしょうか。

同車が企画された段階には予想もつかなかった原油安の影響はあるのでしょうか。

残念なのは発売が遅すぎた事なのかも知れません。

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