軽スポーツモデル徹底比較(キャストスポーツ・N-ONE・デイズライダー)
キャストとキャストスポーツの概要
キャストは、「ムーヴ」をベースに開発。
外観は、特徴的な丸目ヘッドライトに曲線を多用したボディラインで、愛着が湧く普遍的な魅力を持ったデザインとしなっています。
注目は「アクティバ」「スタイル」「スポーツ」の3バリエーションを展開していること。
クロスオーバーSUVスタイルの「アクティバ」、都会的な上質感を演出する「スタイル」、そしてスポーツモデルの「スポーツ」です。
この3種類を一車種のグレードとしてではなく、独立した派生車種としてラインナップされている点が最大の特徴となっています。
9月9日の発表と同時に発売された他の2モデルに遅れて10月29日に場した「キャストスポーツ」は、外観や内装デザインでスポーティさを表現。
また、コ ペンで培ったサスペンションチューニングを施し、高い操縦安定性を実現。
さらに、パドルシフト 付MOMO製革巻ステアリングホイールや、16インチアルミホイールなど、「キャスト スポーツ」専用 アイテムを採用している。
2WD4WDともにターボ仕様で、「スマートアシスト Ⅱ」を標準装備した「SAⅡ」のみのモノグレード設定となっています。
スポーツムードを楽しむトールワゴンが「キャストスポーツ」
画像:https://www.daihatsu.co.jp/lineup/cast_sport/index.htm
「キャストスポーツ」はあくまでスポーツムードを感じて楽しむ車。
サスペンションチューニングこそされていますが、それもムードを味わう為で、「おっ、アクティバとは違うな」と思えればいいのです。
いくらスポーツモデルとしても、ギンギンに走りこむことも機会もほとんどないユーザーが大多数のはず。
それでもスポーツモデルが持てはやされるのは、現実逃避出来るそのムードが好まれるからにほかなりません。
アルミホイール、MOMOステ、パドルシフトが走行性能にダイレクトに影響するから欲しいというのではなく、スポーツムードを煽らせる必須アイテムだからです。
それでいて、実用上快適な室内空間のトールワゴンボディで、最新の低燃費エンジンであれば多くの需要があると考えられます。
スポーツモデルを別車種としてまでして、スポーツムードを追及した意欲的なモデルと言えます。
キャストスポーツのライバルは
デイズライダー | N-ONEローダウン | |
---|---|---|
車両価格(円) | 1,587,600~1,825,200 | 1,418,000~1,728,000 |
車体寸法(mm)全長/全幅/全高 | 3,395/1,475/1,600 | 3,395/1,475/1,545 |
室内長/室内幅/室内高(mm) | 2,005/1,320/1,245 | 2,020/1,300/1,200 |
車両重量(㎏) | 1,070~1,100 | 840~870 |
ホイルーベース(mm) | 2,455 | 2,455 |
エンジン型式・排気量(cc) | 直列3気筒・658・ターボ | 直列3気筒・658 同ターボ |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 47[64]/ 6,400 |
47[64]/ 6,000ターボ 43[58]/7,300 |
駆動方式 | 2WD 4WD | 2WD |
トランスミッション | CVT | CVT |
JC08モード燃費(㎞/L) | 24.6~24.8 | 23.6~28.4 |
メーカー側がいくら否定しても、「キャストアクティバ」がスズキの「ハスラー」対抗モデルとしてユーザーに認識されていることとは異なり、「キャストスポーツ」が同じくスズキの「アルトターボRS」への対抗モデルと思うのは間違いでしょう。
そもそも軽量ボディを活かして軽快に走る「アルトターボRS」に比べて、トールワゴンの「ムーブ」をベースとしている「キャスト」は、車高は10㎝も高く当然重心も高く、しかも約180㎏も重いとなれば同程度のエンジンを搭載するライバルにはなりえないでしょう。
ホンダN-ONE LOWDOWNと Modulo X
画像:favcars.com
他にライバルを探すと、丸目のヘッドライトによる愛くるしい表情がホンダの「N-ONE」に近く、比較すると面白いでしょう。
2015年7月のマイナーチェンジで新たに「LOWDOWN」を追加設定した「N-ONE」はローダウンという名スピの通り、他グレードより10㎜低い地上高と65㎜低い全高で今までの「N-ONE」にないスポーツモデルとして加わりました。
さらにハードな要望に応えるために、コンプリートモデルの「Modulo X」も用意されており、販売が伸び悩む同車にスポーツモデルを投入しています。
日産 デイズライダー
さらに日産の「デイズライダー」も、「デイズハイウェイスター」をさらにスポーツモデルとして特化したモデルです。
「キャストスポーツ」の愛くるしいデザインとは異なる迫力あるイメージが特徴となっており、同じスポーツモデルであっても方向性がまるで異なっています。
こう見ると、これまでもトールワゴンにスポーツモデルは存在しており、「キャストスポーツ」が特に目新しいモデルということではないようです。
ムーヴカスタムとの違い
キャストスポーツ | ムーブカスタム | ワゴンRスティングレー | デイズハイウェイスター | |
---|---|---|---|---|
車両価格(円) | 1,620,000~1,744,200 | 1,404,000~1803600 | 1,465,560~1,845,720 | 1,447,200~1,684,800 |
車体寸法(mm)全長/全幅/全高 | 3,395/1,475/1,600 | 3,395/1,475/1,630 | 3,395/1,475/1,660 | 3,395/1,475/1,620 |
室内長/室内幅/室内高(mm) | 2,005/1,320/1,245 | 2,080/1,320/1,280 | 2,165/1,295/1,265 | 2,085/1,295/1,280 |
車両重量(㎏) | 850~900 | 830~900 | 820~870 | 840~920 |
ホイルーベース(mm) | 2,455 | 2,455 | 2,425 | 2,430 |
エンジン型式・排気量(cc) |
直列3気筒 658・ターボ |
直列3気筒 658 同ターボ |
直列3気筒 ・658 ハイブリッド 同ターボ |
直列3気筒 658 同ターボ |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 47[64]/ 6,400 |
ターボ47[64]/ 6,400 38[52]/ 6,800 |
ターボ47[64]/ 6,000 47[64]/ 6,000 |
ターボ47[64]/ 6,000 36[49]/ 6,500 |
駆動方式 | 2WD 4WD | 2WD 4WD | 2WD 4WD | 2WD 4WD |
トランスミッション | CVT | CVT | CVT | CVT |
JC08モード燃費(㎞/L) | 24.6~24.8 | 25.6~31.0 | 26.4~33.0 | 25.0~30.4 |
トールワゴンをクロスオーバーSUV風に仕立てて大成功したスズキの「ハスラー」。
「キャストアクティバ」は二匹目のドジョウですが、ダイハツは」「キャストスポーツ」を、スズキが手にかけていないトールワゴンのスポーツタイプという新しいジャンルを目指したとも言えます。
その場合には既存のトールワゴン、ダイハツでいうところの「ムーヴカスタム」との差別化がどこまで出来るかが重要になります。
「ムーヴカスタム」ではなく「キャストスポーツ」を選ぶ理由は、またその逆で「ムーヴカスタム」を選ぶ理由は何なのでしょうか。
「キャストスポーツ」を選ぶ理由には、その特別感があります。
3タイプ揃った話題の新車種の中で、スポーツモデルを好まれる方は多いでしょう。
ファミリーモデルの「ムーブ」ではない特別な一台ということです。
「ムーヴカスタム」を選ぶ理由としては、「キャストスポーツ」と同じくターボと「スマアシⅡ」を装備しても10万円安いことがあります。
デザインの好み以外に、10万円以上の価値が「キャストスポーツ」に見いだせればOKということです。
また、他社ライバルと同じことですが、低価格設定車を選ぶことが出来るかどうかもユーザーにとっては、どちらを選ぶかどうかの基準になるでしょう。
キャストの今後
「ムーブ」の名称を冠せず、独立したモデルとなった以上、販売台数も単独で発表されます。
すでに発売されている「キャスト アクティバ」「キャスト スタイル」は発売から 1ヶ月で月販目標台数の4倍となる約2万台の受注を達成し、好調な立ち上がりを見せています。
今回「キャスト スポーツ」が加わったことでさらに上澄みが期待出来るでしょう。
ダイハツとしては、シリーズトータルで「ハスラー」と同数以上の台数が安定して販売出来れば大成功で、「ミラ」「タント」「ムーブ」に次ぐ新しい看板車種になるでしょう。
「ウェイク」のように伸び悩むと、単なる派生車種のバリエーションで終わります。
11月以降の軽自連発表のランキングに注目しましょう。
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