コンパクトカー徹底比較(新型パッソ・フィット・マーチ・ミラージュ)

パッソ
(パッソ:写真はマイチェン前のモデル)

 2014年4月にマイナーチェンジした5ドアハッチバックタイプのコンパクトカー「パッソ」は、トヨタが扱う登録車では最小の3気筒1.0Lと4気筒1.3Lエンジンを搭載する。その1.0Lエンジン車は今回の改良でNA登録車で最高になる低燃費、27.6㎞/Lを記録した。そこで、ハイブリッドや過給機などを用いないで低燃費を達成して、なおかつ低価格のこの1.0Lクラスのライバルと徹底比較してみよう。

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燃費性能と走行性能及び独自技術など、機械的な比較

 「パッソ」1.0L車のエンジンは、1KR-FE型であるので、デビュー時と根本的には変わらないが、圧縮比の向上、低フリクション化、バルブタイミングの最適化、そしてダイハツの「e:sテクノロジー」のクールドEGRなどの採用により熱効率を最大化。さらに、減速エネルギー回生機能の強化や空力性能の改善を行い、アイドリングストップ機能を一部グレードを除いて1.0Lの2WD全車に標準装備し、JC08モード燃費は27.6㎞/Lに向上し、重量税取得税の免税を取得。

パッソ値引き交渉と下取り相場 2014-12-26

 今までのNA登録車燃費№1は三菱「ミラージュ」。1.0L3気筒エンジンと副変速機構付のCVT「INVECS-III」を搭載し、軽量化や空気抵抗の低減を行い、アイドリングストップ機構「AS&G」搭載車は、27.2㎞/Lを誇り、「パッソ」に抜かれたとはいえわずかの差だ。

 フルモデルチェンジされた「フィット」の燃費では、HYBRIDについての話題が多いが、実はNAの1.3L車の燃費も優れている。アトキンソンサイクルとなったエンジンは、26.0㎞/Lとなり「パッソ」「ミラージュ」を下回るが、プラス300ccの余裕あるパワーは22psも上回り、これを考えると1.2~1.6㎞/L程度の差ならむしろメリットになる。

 2012年登場の日産「マーチ」は、1.2Lながら3気筒エンジンを搭載。「ミラージュ」と同じく従来モデルからのダウンサイジングを行った。しかし、すでに特筆すべき燃費ではなくなっており、低燃費性能でも、スーパーチャージャー採用の「ノート」の方が優れている。

 アイドリングストップ機能が装備されないエントリーグレードの「1.0X”V Package”」は23.4㎞/L、4WDは19.0㎞/L、と大きく差があり、1.3Lに至っては19.0㎞/Lでしかない。ほぼ同時期にマイナーチェンジさあれた「ヴィッツ」に搭載された25.0㎞/Lの1NR-FKEエンジンは採用されず、「パッソ」に限っては1.0Lメインの戦略が見られる。

フィットハイブリッド
(写真はフィットハイブリッド)

フィット値引き相場と交渉の進め方 2015-04-16

室内スペースや使い勝手の比較

 「パッソ」はマイナーチェンジなので当然ボディサイズに変更はない。比較するライバル達の中でもちいさい方だ。やはりひとクラス上の「フィット」がホイールベースも長く一番余裕があり、センタータンクレイアウトなど新規モデルならではの工夫も盛り込まれている。

 「フィット」を除けば同じような広さで、人気軽自動車のトールワゴンに多彩なシートアレンジなどで差を付けられる結果になっている。
 
マーチ

販売価格とグレードバリエーションなど、懐具合による選択肢の比較

 「パッソ」は、2つの個性である「パッソ X、G」と「パッソ +Hana」それぞれフロントバンパーやヘッドライトのデザインを変更。「パッソ X、G」はワイド感と低重心を強調したフロントビューを実現、VWの「UP!」にも似ている。「パッソ +Hana」はかわいらしさを表現させ、2つの個性を際立たせている。「マーチ」には装備を充実させた「ボレロ」と、スポーツバージョンの「NISMO」。「ミラージュ」には限定車ではあるが、「ハローキティパッケージ」が設定されるがシリーズに4WDはない。

 低燃費の主力アイテムになっているアイドリングストップ機構採用車種に付いては、「フィット」以外の3車はエントリーグレードには装着せず、車両価格を低く設定しているが、燃費は約4㎞/Lほど下回る。この比較にクラス上の「フィット」を加えた理由がここにある。

 各車の最高燃費モデルであるアイドリングストップ機構装着モデルでの、最低車両価格を比較すると、「パッソ」が1,257,709円。「マーチ」が1,246,320円。「ミラージュ」が1,156,680円。そしてフィット」は1,301,142円となり、「ミラージュ」は別格として、「パッソ」「マーチ」とはほぼ同価格帯になる。

 走行性能や室内スペーッスを考慮すると、「フィット」の価格は非常に魅力的に映る。逆に、低価格に徹した「ミラージュ」は、燃費と合わせるとダントツの経済性を示す。ただし、あまりにも低コストでのクルマ作りは、新興国ならともかく、日本国内では支持されず、装備の充実した軽自動車の方を選ぶ傾向である。

ミラージュ

総評

 5ドアハッチバックタイプの登録車の中では最小のサイズ、最高の燃費、そして最安値のこのクラスは、経緯自動車と全てにおいてバッティングする。最新の軽自動車は燃費では当然上回り、車高の高いトールワゴンは室内スペースでもひけは取らず、シートアレンジやスライドドアなどで使い勝手でも上だ。新興国などで需要は多く、販売が好調な「マーチ」「ミラージュ」であるが、国内ではメーカーの主力車種とはとらえていない。「パッソ」は国内販売車種であるので、インテリアなどは日本人好みになっており、販売台数も多いが、やはり主力は「ヴィッツ」である。

 軽自動車にない魅力をどう表現するのか、あるいは主力車種に絞り込むのかという問題と、トヨタならではの、チャンネルごとに振り分けられる駒として「ヴィッツ」以外に必要な車種ということがある。

 ダイハツより軽自動車のOEM供給を受けるものの、トヨタは登録車の拡販こそ生命線と言い切るぐらいなので、次期モデルでは何らかの新しいコンパクトカー像を示して欲しい。そうでないとこのクラスの未来はない。

スペック比較表

スマホの方は画面を横にしてご覧下さい。

メーカー・車名 パッソ1.0 ホンダ フィット1.3 三菱 ミラージュ 日産 マーチ
車両価格(円) 1,098,655~1,652,400 1,301,142~1,798,972 1,028,160~1,337,040 1,072,440~1,584,360
車両寸法(㎜)全長×全幅×全高 3,650×1,665×1,535 4,860×1,840×1,450 3,710×1,655×1,490 3,825×1,665×1,515
室内寸法(㎜)長×幅×高 1,830×1,420×1,280 1,960×1,550×1,170 1,870×1,390×1,220 1,870×1,390×1,220
ホイルベース(㎜) 2,440 2,530 2,450 2450
乗車定員(名) 5 5 5 5
エンジン型式・排気量(cc) 1KR-FE DOHC・直列3気筒 996 L13B DOHC直列4気筒  1,317 3A90 DOHC・直列3気筒  999 1KR-FE DOHC・直列3気筒 1,198
最高出力 kw(ps)/rpm 51(69)/6,000 73(100)/6,000 51(69)/6,000 58(79)/6,000
JC08モード燃費(㎞/L) 23.4~27.6   21.0(4WD) 21.6~26.0  19.8(4WD) 27.2  23.2(4WD) 21.4~23.0  18.4(4WD)
駆動方式 FF 4WD FF 4WD FF FF 4WD
ミッション         CVT CVT 5MT CVT エクストロニックCVT

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