軽ハイトワゴンの室内空間と居住性を徹底比較(デイズ・ワゴンR・ムーヴ・N-ONE)

 2013年6月に登場した日産「デイズ」は、三菱自動車との協業会社「NMKV」により開発された軽ハイトワゴンの新顔。先行するスズキ、ダイハツ、ホンダに対して、後出しジャンケンで優位に立ち、4強の仲間入りを狙っている。本当に他のライバル達より優れているのか、「室内空間と居住性」に絞って、徹底比較する。

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日産 デイズ

Nissan Dayz AA0 01

「子供を持つ40代の主婦層をメーンターゲットとしている。紫外線を99%カットするスーパーUVカット断熱グリーンガラスをフロントドアに採用したのもそのためだろう。
 室内長こそライバルに劣るが、ロングホイールベースにより、広くて開放的な室内空間を実現。開口部の高さは、優れた乗降性にも貢献している。さらに、快適さだけでなく、上質感も高めたシートを採用、リアシートは足乗せ用のソファ「オットマン」のように、ふくらはぎをサポートする前傾斜形状のリヤシート。メイン生地をクッション前部にまで張り込み、快適さだけでなく、上質感も高めている。またラゲッジスペースは、リヤシートスライドにより、4人が乗車したまま、一般的なベビーカーなども積載可能になっている。
 装備では、軽自動車初のアラウンドビューモニターを設定。枠内にスムーズにパーキングすることが可能になる。モニターをビルトインしたディスプレイ付ルームミラーを採用している。

 現状での軽自動車として十分な装備を備え、快適な広さは同社のコンパクトカーさえ凌ぐだろう。ヤングファミリー層をターゲットにするライバルを後目に、40代の主婦をターゲットにする戦略は、インテリアなどを軽にありがちな、ファッショナブルだがチープな印象にせず、シックで上質な空間に仕上がり好感が持たれるだろう。この辺りは男性をもターゲットにする「N ONE」に近い。しかし、上級車に装備されるアイテムを取り付けることだけが日産らしさだとすれば残念だ。

スズキ ワゴンR

Suzuki WagonR MH34S 0280

 軽ハイトワゴンの有効的な空間利用に関しては一日の長がある。人に合わせて、荷物に合わせて、さまざまに変化するワゴンRの空間は自由にアレンジでき、ロングスライドのリヤシートもワンタッチで分割して折りたため、長い荷物を載せるなら、助手席を前に倒してロングラゲッジスペースに出来る。 フルオートエアコンは全車に標準装備。FXリミテッドには、キーレスプッシュスタートシステムも装備している。

 ライバル達が目標とする仕様。良くも悪くも軽ハイトワゴンを代表する。ヤングファミリー層の主婦が好むような色合いのインテリアは、使い勝手を優先しているというが、相変わらず低い位置にある空調スイッチ類など、停車している時の操作性でしかない。

ダイハツ ムーブ

Daihatsu Move X"SA" 02571

 限られたボディサイズの中でも、クラストップクラスの室内寸法を誇り、左右独立リヤシートスライド&リクライニング機構、分割可倒式 ワンタッチダブルフォールディングリヤシートにより、ロングソファーモード、フラットモード、ラゲージモード、など多彩なシートアレンジが可能な室内と、大容量ラゲッジアンダートレイを採用する。また、プッシュボタンスタート、オートライトシステムや音楽再生用のUSB端子をインパネセンタートレイに装着するなど、最新の使い勝手も抜かりない。

 競合する同クラスの中でも設計が一番古いのに、可能な限りの工夫をこらし古さを感じさせないのは流石。横開きのバックドアを維持しているのもファンが多い理由の一つ。インテリアでは、メーター回りなどのインパネが古さを感じさせるが、使い勝手では負けていない。ベージュを基調とした室内は一時の流行ではあったが、流行に敏感な若い女性には、そろそろ飽きられるだろう。

ホンダ N ONE

HONDA None 1

 同クラスのライバルよりも低い全高ながら、室内を有効に使えるセンタータンクレイアウトと、フィットを凌ぐロングホイールベースが、このクルマの独特なシートアレンジや室内空間を決定している。ワンアクションで足元に収納。背もたれを起こし、クッションのレバーを引けば元の状態に戻る後席は、座面を跳ね上げれば、フラットな床面を活かして大きな荷物が積める。床下収納もあり、4人乗車時でも196Lあるラゲッジルームは 荷室開口部の高さ、約57.5cmなので、滑りこませるように積み込める。後方も含めた視界の良さも見逃せない。
 レイアウトから、色づかい、スイッチの感触まで、細やかに気を配ったインテリアは、凹凸もできるだけ少なくすることで、全体をすっきり仕上げ、ライバルの軽にない、落ち着いた印象を与える。

 一見、ハイトワゴンに見えないスタイルながら、独自の技術で広い室内空間を提供する。インテリアも軽というより普通車の印象に近く、「デイズ」にも似ているが、男性にもターゲットを広げたことにより、逆に女性にも好まれるようだ。安価なグレードにも高熱吸収/UVカット機能付ガラスを標準装備するなど、車両価格だけで判断出来ない買い得感もある。

総評

 軽ハイトワゴンの室内空間はもはや芸術品に近い。シートアレンジにいたっては魔法の領域に入っている。しかし、もうそんなに広げなくてもいいのではないだろうか。ライバルより数センチ多いスペックを手に入れるより、重厚なインパネや、滅多に使わないフルフラットに出来なくても、シッカリとサポートするサイズのシートが必要だろう。寸足らずの座面で膝が遊び、後方の車両から肩が見える低く細いシートバックはそろそろ終わりにしたい。「デイズ」に多少の進歩がみられる。

スペック比較表

スマホの方は画面を横にしてご覧下さい。

日産 デイズ スズキ ワゴンR ダイハツ ムーブ ホンダ N ONE
X  FX L
1,120.350円 1.109.850円 1.070.000円 1.150.000円
3395×1475×1620 3395×1475×1640 3395×1500×1620 3395×1475×1610
2085×1295×1280 2165×1295×1265 2130×1350×1280 2020×1300×1240
2430 2425 2455 2550

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