新車販売の疑問、展示車の正体-初めての新車を買う人の為の新車購入ガイド

 新車ディーラーを訪れると、ショールームや外の展示スペースには、ピカピカに磨き上げられた様々な車が展示されています。

これらは一様に”展示車”と呼ばれていますが、新車とは異なるのでしょうか?また、購入することは出来るのでしょうか。

展示車の正体を探ってみましょう。

スポンサーリンク

新車販売でにおいて購入意欲を喚起する重要な役割を担う展示車

JPG1073

 カタログと展示車そして試乗車が新車販売においては全てのツールになります。

中でも展示車は、見て、触ってと、購入を促進する重要な役割を担っています。

ショールームや展示場の大きさによって、5~6台を随時展示されていたり、1台のみというケースもあります。

 この展示車は、新型車はメーカーから販社へ割り当てられた車両を各店舗へ配車し、その他の車種は店舗からの希望によって在庫車から配車されます。

あるいは、重点的に販売しなくてはならない車種が、無理やり(?)配られることもあります。

細かな仕様としては、基本的にその車種のメイングレードやイメージカラーが多くなりますが、在庫車はホワイトやグレー系など売れ筋のボディーカラーが多いので、気が付くとショールームに地味な色合いの展示車が並んでいることもあります。

展示された後はどうなるのか

 もし展示車が新車で販売出来ず、中古車になってしまうとなると、販社としては大損害となるので、展示車は少なくしなければならないでしょう。

つまり、新車として普通に販売するということです。

新車が契約される時、あるいは商談の時点で営業マンは在庫確認を必ずします。

在庫が無ければ納期もかかるため、なるべくその月に登録出来て納車できる在庫のグレードやボディーカラーを勧めることが重要になります。

ディーラーに在庫がある場合と、生産予定を含むメーカー在庫がありますが、さらにディーラー在庫には自らの配車センターでのセンター在庫と、店舗にある店頭在庫があります。

店頭在庫とはその名の通り店舗にある在庫ですが、せっかくの新車を遊ばせておくわけにはいきませんので、展示しておくことになります。

 展示されていても、どこかの店舗で制約すれば、展示上やショールームから外され、街頭する店舗へ配送される流れとなります。

つまり展示車はごく普通に新車として販売されるのです。

展示車はどこか違いがあるのか

 一般に自分の購入した車がもし展示車だったと知ったら、いい気分ではないでしょう。

特に傷が有る訳ではないが、来店されたお客がシートに座り、ダッシュボードのスイッチ類を触ったり、ドアやハッチゲートを開閉したりボディをなでたりと、いわゆる手垢が付くことは避けられないからです。

手垢が実際に残っている事はありませんが、自分が乗る前に、複数の人にいじられるのは気分が良くないのはたしかですね。

そして、売る側が黙っていればまずわかりませんし、購入された方にも何の不都合がなければ問題にならないのが現状です。

普通よりも丁重に扱われる展示車

 ディーラーでも展示車の扱いは慎重に行っていて、明るい照明に照らされるショールームの中では、わずかな傷や汚れも目立つために、日頃からチェックされています。

また、通常の在庫車は雨ざらしの屋外に放置されている可能性も多く、それらと比べると逆に綺麗とも言えます。

そして、ディーラーではより注意を払って納車点検をしていますので、自分が納車された車が展示車だったかどうかはまず気が付かないでしょう。

展示車ならではの特典もある

 通常、もし展示車として使用された車なら、「実は展示車なら早く納車できます。」「複数の店舗で展示したため、走行距離が多少延びています。」ということを告げ、傷も不具合もないことを保証することを約束するでしょう。

あるいは、心情を察して、ボディコーティングや業者によるルームクリーニングをサービスしたり、値引き額を上乗せする条件を提示することもありますし、購入する側から条件を出してもいいでしょう。

それでも展示車は避けたいという場合はどうしたらいいでしょうか?

 「展示車は避けたい。」という希望を出して、自分の車がどのような在庫状況か確認させてもらうことを契約の条件にすることがあります。

店舗には在庫車のリストがあり、車体番号が記載されていますので、その番号をメモしておくことで、実際に納車される車を確認することができます。

もし、この約束を反故にするようなことがあれば、相当たちの悪い販売店ということになります。

 この件でトラブルになるケースとしては、納車された車に展示車だった証拠が明確に残っている場合です。

簡易的なフロアマットである「紙マット」が必要以上に残されていたり、内装に汚れや靴跡が残っていたり、展示する際に掲示するPOPや価格などが記載されたスペック表などがダッシュボードやシートバックポケットなどに残されているケースも考えられます。

展示車によって起こるトラブルを防ぐには

 展示車だからと言という事実だけでは、購入者側に具体的な損害はありません。

まずそこを理解してください。

電化製品のように梱包を解いてしまっているということとは違いますし、人の手に触れたっと言っても、通常でも多くの人の手によって納車されるので、大差ないとも言えます。

問題はそれを過度に嫌悪する買う側と、それを隠したがる売る側の姿勢にあると言えます。

どうしても展示車がいやなら「展示車はダメ」、どうしても売りたければ「展示車です。」とはっきり伝えることでトラブルは防げるはずです。

他にもある展示車の行方

 新型車の場合に多いのが、最初に展示されたあと、登録されて試乗車になるケースです。

これは店舗に配車される際に、「試乗車予定」とされています。

また、展示車に利用されてから同型同仕様、そしてボディーカラーなどから制約されず、長期間在庫されることがあります。

これを「長在」といい、製造から6ヶ月を過ぎると「完成検査切れ」となり、新車であっても登録の際、中古車のように陸運事務所への持ち込み検査が必要となります。

こうなると、セール価格での販売か、中古車へ移行されることになります。

モデルチェンジ直後に旧型がこのようなことになる場合が多く、古い顧客などは、親しい営業マンから情報をもらい、安く購入することもあります。

スポンサーリンク

初めての新車購入ガイド

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
この記事のタイトルとURLをコピーする