軽トールワゴン徹底比較(スペーシア・N-BOX・タント)

 2013年3月にフルモデルチェンジしたスズキ「パレット」は、軽トールワゴン市場においてリードする「N BOX」や、長年のライバルであるダイハツの「タント」に対向するため、名称を「スペーシア」と改め、クラストップの低燃費と室内空間を武器に登場した。そこで、改めて軽トールワゴンを比較する。

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スズキ スペーシア

 「パレット」譲りの室内空間をさらに進化させ、クラストップの室内長と室内高を実現。さらにシートアレンジにも工夫を凝らし、左右独立してリクライニング&スライドする軽量化したリアシートは、ワンタッチで折りたため、また、後席両側スライドドアには、スイッチひとつで自動解錠、オープン出来る「ワンアクションパワースライドドア」を設定し、乗降性を向上させている。
 燃費性能は今回のモデルチェンジのハイライトであり、すでに「アルトエコ」で採用されている「グリーンテクノロジー」を採用、「エネチャージ」や「エコクール」と、13㎞/h以下でエンジンを停止させる「新アイドリングストップ」を始め、車体の軽量化により 2WD車で29.0㎞/L、インタークーラーターボ車でも26.0㎞/Lという低燃費を達成した。もちろんクラストップである。

寸評

 ガソリン車№1の低燃費を達成した「アルトエコ」に続いて、スズキが登場させたのは、軽トールワゴントップの燃費を達成した「スペーシア」。なんと「パレット」の名称を一代限りで捨て去って、新規車種としての発売になった。クラストップの燃費だったダイハツ「タント」に大差をつけ、軽量な自社の「ワゴンR」まで上回る低燃費になった。「アルトエコ」に続いて2位以下に大差を付けて、燃費競争に一気に型を付けるかの勢いを見せる。スペース効率においても、限界にきているはずの室内空間をさらに広げてきた。そのためにエクステリアデザインは犠牲になり、正面から見ると、「N BOX」以上に角ばった「箱」そのものになってしまった。

ホンダ N BOX

 効率的な室内スペースで、販売台数クラストップ。センタータンクレイアウトで低床化を実現し、その特徴を活かしたミニバン並みの前後シート間隔や、「はねあげられるリアシート」など独特のシートアレンジと、今でもクラストップの1400㎜の室内高などで、使い勝手を徹底的に追求している。また、走行性能ではライバルに勝るエンジンパワーも人気の理由、このクラスで5kw(6ps)のマージンは大きい。安全性においても「エマージェンシーストップシグナル」「ヒルスタートアシスト」「VSA」「iーSRSエアバッグ」などを標準装備及び設定している。

N-BOX値引き交渉と下取り相場 2014-07-17

寸評

 クラストップの燃費と室内空間を引っさげて登場して以来、あっという間に軽トールワゴンのトップランナーに君臨した同車。依然として圧倒的な人気を誇るが、気がつくとダイハツとスズキの低燃費合戦の結果、燃費ではトップどころかトップクラスというのもはばかれる状況になってしまった。ホンダは不毛な燃費合戦には参加しないとしているが、ここまで大差が付くとそうも言ってられないはず。「エネチャージ」や「エコクール」といった技術面での差はホンダにとっては屈辱のはず。今でも優れた室内効率で販売台数トップにいるが、ライバルの攻撃は第二段階に入っている。 

ダイハツ タント

 
「ミラクルオープンドア」でトールワゴン市場をけん引してきた、ダイハツのメイン車種。FFレイアウトながら、ロングホイールベースと高い室内高により、それまでの軽ワゴンの常識を覆す、室内空間を実現させたこのクラスの先駆け。2012年9月時点で、早くも25.0㎞/Lの低燃費をさせた事と、ライバルの「パレット」「N BOX」に比べて、女性受けするファニーフェイスを持つなど、「ミラクルオープンドア」と相まって長期に渡り人気を保っている。上級グレードの「Limited」では軽自動車初のフローリングフロアを採用し、高級感と(清掃面など)使い勝手の両立をも実現している。

寸評

 センターピラーを廃した「ミラクルオープンドア」の効果は絶大で、子育てママは一度体験すると、他社に見向きもしなくなると言う。「新エコアイドル」などで、「スペーシア」登場まではクラストップの低燃費25.0㎞/Lを誇っていた。「ミライース」に続いてこのクラスでも燃費№1の座を奪われた格好。発売したばかりの「ムーブ」と同じ燃費の「スペーシア」を上回るには時間が必要かもしれない。当分は「ミラクルオープンドア」を前面に出す販売で対応。燃費だけでない魅力でも販売トップになれるのは「N BOX」が証明済みだ。

総評

 2013年に入ってすぐの軽自動車による燃費競争の再燃はスズキが仕掛けた。それも、これまでの数百メートル単位の争いでは、販売には影響しないとみたか、一気に大差をつけてきた。販売が思うように伸びないスズキの燃費技術の集大成だが、これで当分トップは安泰と見るか、カードを出し切ってしまったと見るか。
 燃費以外では、シートアレンジなどで独自性が出始めている。「N BOX」のはねあげられるシートや、「スペーシア」の軽量で収納が楽なリアシートなど、居住性からラゲッジスペースの有効利用に注力し始めている。
 現状では最新の「スペーシア」に軍配を上げたいが、今後は、クルマの原点に立ち返った走行性能の向上に期待したい。

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スペック比較表

スマホの方は画面を横にしてご覧下さい。

メーカー名 スズキ ホンダ ダイハツ
車種名 スペーシア N BOX タント
価格 1.228.500~1.608.600円 1.260.000~1.580.000円 1.220.000~1.561.000円
車両型式 DBAーMK32S DBAーJF1 JF2 DBAーL37SS L38SS
車体寸法(㎜) 3995×1475×(1735~1740) 3995×1475×(1780~1800) 3995×1475×1750
室内寸法(㎜) 2215×1320×1375 2180×1350×1400 2160×1350×1355
ホイルーベース 2425 2520 2490
乗車人員 4 4 4
最小回転半径(m) 4.2~4.4 4.5~4.7 4.5
トランスミッション CVT CVT CVT
エンジン型式・排気量(cc) R06A  直列3気筒DOHC 658 S07A 直列3気筒DOHC 658 KF  直列3気筒DOHC 658
エンジン出力(kw/ps) 38(52)/6,000              47(64)/6,000 インタークーラーターボ 43(58)/7.300              47(64)/6,000 インタークーラーターボ 38(52)/6,800  
JC08モード燃費(㎞/L) 25.0~29.0 18.8~24.2 24.0~25.0

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