美容って何だろう

      2016/12/09


美肌のコツは「皮膚常在菌」と上手に付き合うこと?

 私たちの体には無数の菌が存在しています。皮膚に存在する「皮膚常在菌」もその一つであり、これと上手く付き合うことが美肌への近道になるかもしれません。

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 人体の皮膚にはおよそ1兆個もの常在菌が存在しています。10種類程度に分類されるそれらの常在菌はそれぞれ役割を持っており、皮膚にとって欠かせない存在です。皮膚に生息する「皮膚常在菌」は皮脂や汗をエサに繁殖します。顔の上に菌がいるなんて少々おぞましい気もしますが、実は美しい肌を保つためにはある程度の皮膚常在菌が必要になるのです。

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皮膚常在菌とはどんな菌?

 「表皮ブドウ球菌」、「アクネ菌」、「黄色ブドウ球菌」、「マラセチア菌」といったものがある皮膚常在菌。これらは通常害をもたない菌たちで、安定した生息状態を維持することで病原性微生物の繁殖を防ぐなど皮膚の健康を守る役目を果たします。しかし、その安定が崩れた時が問題なのです。肌荒れなどの皮膚トラブルの原因にもなり、その代表とも言える「ニキビ」も皮膚常在菌が関連しています。

 皮膚常在菌として挙げた中に「アクネ菌」がありましたが、ニキビ菌としても有名なのでご存知の方も多いでしょう。ニキビは毛穴が詰まることでアクネ菌が繁殖し、炎症を起こして進行させます。上述したとおり常在菌は皮脂をエサとして繁殖するため、皮脂分泌が多くなることによって毛穴が詰まるとそこへアクネ菌が集中、過剰に繁殖してニキビを引き起こすのです。

皮膚常在菌を安定した状態に保つためには

 アクネ菌を例に見てみましょう。皮脂の分泌が過剰になり、毛穴が詰まることでニキビが引き起こされます。詰まった毛穴にアクネ菌が集まるとそれをエサに増殖し、炎症の引き金になってしまいます。ここでのポイントは皮脂の分泌が過剰になるということ。皮脂分泌が正常であれば、アクネ菌の増殖は抑えられるためニキビの進行は阻止できます。つまり、皮脂分泌を正常にコントロールすることが大切なのです。

 皮脂分泌を正常にコントロールする。言葉でいうのは簡単ですが、実際に行うのは非常に難しいものです。特に思春期には意図せず皮脂分泌が盛んになり、自然とニキビが出来やすい状態になります。ホルモンバランスの関係上仕方ないことであり、個人差はありますが皮脂が過剰になりやすい時期といえます。それ以外の時期であれば、食事内容の改善やスキンケア、生活習慣の見直しなどが有効になるでしょう。

 普段行っている洗顔やクレンジングなどのスキンケアも皮膚常在菌に影響を与えています。特にクレンジングでゴシゴシと洗うケースは要注意。必要以上に皮膚常在菌を減らしてしまい、皮膚本来のバリア機能を低下させる恐れがあります。中でも表皮ブドウ球菌は肌の潤いを保つのに貢献する菌で、この菌が減りすぎるとしっとりした肌を維持する力が弱くなります。スキンケア用品の中にはこれらの菌に働きかけるものもあるようですが、アルコールや保存料などの化学物質は常在菌を殺してしまうので気をつけましょう。

 常在菌は皮膚がアルカリ性に傾くと弱くなります。そのため肌のpHを弱酸性に保つことがポイントです。菌ということで温度にも敏感。あまり体を冷やしすぎないように注意しましょう。皮膚が乾燥に傾きすぎると常在菌のバランスが崩れやすくなります。適度に保湿を行い、乾燥の悪化を防ぎましょう。ただし、乳液やクリームなどで過剰に油分をプラスすることは控えた方が良さそうです。皮脂を好む菌が増殖する危険性があるほか、菌による自然な保湿の効果が薄れてしまう可能性もあります。

 皮膚常在菌を元気にする一つの方法として、「汗をかく」ということが挙げられます。汗は皮脂同様に常在菌のエサになるもの。汗の成分と表皮ブドウ球菌の産生物質が相互に作用することで、皮膚のpHも弱酸性に傾くそうです。特に運動で汗をかくことはストレス発散にもなって◎。なお、汗をかきっぱなしで放置し、不衛生にすると今度は雑菌が繁殖して別のトラブルの元になるので注意しましょう。

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プライバシーポリシー

 - 美白・美肌

執筆者:rihira

一般社団法人 日本スキンケア協会
認定:スキンケアアドバイザー

執筆者のプロフィール 

注:2016年3月以前の記事はスキンケアアドバイザー資格取得前に書かれたものです。

イラスト:harunaluna

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