2018/03/15
私の経験を元にニキビと食事の関係性を考える
ニキビに悩む人にとって、難しいテーマの1つが「ニキビと食事の関係」です。
ニキビ発生と食事について、私の経験や個人的な意見も含めて考えていきましょう。
チョコレートはニキビに悪影響、ジャンクフードを食べるとニキビができやすくなる。
あなたもこうした噂話を耳にしたことはありませんか?
ニキビ発生と食事内容にはなんらかの関係がある…多くの人がそう思っているかもしれません。
本当にニキビができる理由には食べている物が関係しているのでしょうか。
目次
ある?ない?ニキビ発生と食べ物の因果関係
ニキビと食べ物の話で有名なのが、「チョコレート」にまつわるもの。
チョコレートを食べるとニキビができる、ニキビに悪影響といった話は、私も思春期の頃に信じていました。
しかし日本皮膚科学会の尋常性?瘡治療ガイドラインには、様々な研究はあるものの特定の食べ物がニキビを悪化させる明確な証拠はないと記されています。
システマティックレビューでは,特定の食物と?瘡 の関係は明確ではないと結論されている265).?瘡と食 べ物の関係を調べた数少ない RCT では,チョコレー トが?瘡の悪化因子になることは否定されている266).
(中略)
現時点では,特定の食物が?瘡の悪化因子 であるとする明確な証拠はない.
「尋常性?瘡治療ガイドライン 2017」(日本皮膚科学会ガイドライン 林・赤松・岩月・大森・上中・黒川・幸野・小林・谷岡・古川・古村・山﨑・山﨑・山本・宮地・川島2017:1298)https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/127/6/127_1261/_pdf
個人的にも調べてみましたが、チョコレートとニキビ発生について明確な科学的根拠を示している論文等は見つけられませんでした。
特定の食事がニキビを作る訳ではないが、発生に絡むケースがある?
あくまで個人的な見解ですが、ニキビの発生に食事内容が全く関係ないとは言い切れないと思っています。
ただ、特定の食べ物が直接ニキビを作る訳でもない、というのも正直な意見。
なぜこうした考えに至ったのか、私の体験した異なる2つのケースお話しします。
野菜中心の食生活でニキビ減少?
妊娠中に肌の調子が不安定で、ニキビができやすかった時期があります。
体重管理も兼ねて、日々の食事メニューを野菜中心に変えてみました。
1週間くらいだったかと思いますが、ニキビ発生が落ち着いてきたように思えたのです。
ニキビとは関係ありませんが、お通じも良好になったと記憶しています。
脂っこいものをたくさん食べてもニキビに変化なし?
ピザといえばチーズやソースの脂肪分がたっぷりの料理ですよね。
ニキビで悩んでいる時期にどうしても食べたくなり、1枚分を完食したことも。
その後特に食事を節制しませんでしたが、ニキビに大きな変化は見られませんでした。
何日も続けて食べた訳ではないものの、一度にたくさん食べすぎてしまっても悪い影響がダイレクトに出る結果にはならなかったのです。
インスタント食品、お酒やおつまみが連日続いた日も同じ。
そんな食事でもお肌が絶好調!というわけでは決してありませんが、ニキビが増えたという印象はありませんでした。
同一人物でも様々な要因により差がある?
ニキビに良さそうなものを食べて、実際にニキビが減ったように感じた。
ニキビに悪そうなものを食べて、実際にはニキビに変化は感じなかった。
私のように、同一人物でも食事の影響が考えられたケースとそうでないケースがあります。
もちろんいずれの場合も食事内容だけが関係していることではないと思いますし、科学的な実験の結果でもありません。
その時の体調、季節、年齢などによっても、食事内容がもたらす影響は変化していくのかもしれませんね。
食べ物がニキビ発生の直接的な原因にならない理由
私たちの体が食べ物の栄養でできていることは、肌も例外ではありません。
しかし、ニキビの基本的な原因は毛穴詰まりです。
食事の栄養により毛穴の詰まりやすさが変化することは想像できても、特定の食べ物を摂取したから毛穴が詰まってニキビになる、とまでは考えられませんよね。
ニキビのメカニズムから考慮しても、特定の食べ物が原因でニキビが発生するとは考えにくそうです。
私の経験上でも、食事どころかライフスタイルに一切変化がないのに急にニキビが大量発生した時期がありました。
食べ物がニキビ発生に影響すると考えられるケースは?
直接の理由ではないにしろ、私のように食生活を変えたらニキビにも変化を感じた…という方はいるでしょう。
健康状態が毎日の食生活に左右されるのは、多くの人がご存知のはず。
偏食が続けば栄養不足や肥満、生活習慣病のリスクにもつながっていくと思います。
ニキビも皮膚疾患の1つですから、暴飲暴食の影響がゼロとは言い切れないはずです。
また、個人的にはもともとの体質も関係していると考えます。
乳製品を取るとお腹を壊しやすい人がいるように、食べ物の影響が肌に出やすい人もいるのではないでしょうか。
もちろんその逆で、どんなに暴食をしても肌荒れなんて気にならないという体質の人もいるでしょうね。
大食いの人が全員ニキビだらけ、肌もボロボロ…という訳ではないはずですから。
私自身が実感したことですが、同じような食生活で育ってきたはずの兄弟、姉妹間でもニキビのできやすさには差があるもの。
親族でさえニキビのできやすさ、食べ物の影響を受けやすいかに差があるとなれば、個人差の存在はむしろ自然かもしれません。
ニキビのリスクを避けるための栄養バランス
食べ物が直接ニキビを作る訳ではないものの、食事の栄養から肌が作られているのも事実です。
その栄養が偏れば、お肌の調子や皮脂量などにも悪影響があるかもしれません。
例えばビタミン類は代表的な栄養素として知られていますが、中でもビタミンB群はニキビ発生に関わる可能性のある働きを持っています。
B群の1つ、ビタミンB2を例に見てみましょう。
<ビタミンB2の働き>
?脂質をエネルギーに変える
?過酸化脂質の分解に関与する
?脳と肝臓の働きに関与する
?皮膚や粘膜の代謝に関与する
(成長促進)≫ ビタミンB群|栄養素の説明|栄養療法~薬だけに頼らない根本治療をめざす、心と身体に優しい治療法。|オーソモレキュラー.jp
脂質をエネルギーに変えてくれるビタミンB2。
不足すればエネルギー低下による体力減少以外にも、余計な脂質が溜まってしまい皮脂量の増加に繋がるかもしれません。
皮膚の代謝、すなわち新しい肌への生まれ変わりにもビタミンB2の働きが必要不可欠。
肌の生まれ変わりが鈍れば不要な角質が蓄積しやすく、毛穴詰まりの要因になることも考えられるでしょう。
これさえ摂っていれば良い、というものはない
ビタミンB2だけを見ても様々な影響が考えられますが、ビタミンB群は1つだけ摂取すれば良いものではなく、複数のB群を一緒に摂る事でお互いにサポートしあって働けます。
さらにタンパク質、脂質、糖質、ビタミンAやC、ミネラル……数え切れないほどの栄養が作用しあって、肌を始め全身を作っているのです。
よく「バランスのとれた食事をしましょう」と言いますね。
食材を満遍なく食べることは、膨大にある栄養を過不足なく摂取するために大切なこと。
そう言っているのではないでしょうか。
多くの人が子供の頃から耳にしているであろう言葉なので、バランスのよい栄養摂取はそれだけ体に必要なことなのかもしれません。
ニキビのできにくい健康な肌を目指すうえでも、皮膚の元になる栄養を過不足なく摂るに越したことはないでしょう。
そのためにも、脂っこいものやジャンクフードだけに偏らず、肉や魚、野菜、果物などできるだけ多くの食材を日々の食生活に取り入れたいですね。

注:2016年3月以前の記事はスキンケアアドバイザー資格取得前に書かれたものです。
イラスト:harunaluna
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