2019/06/13
へこんだニキビ跡に効く「TCAピーリング」 副作用や注意点
一言に「ピーリング」といっても使用する薬剤などで種類が異なります。今回はその一つ「TCAピーリング」について詳しくみていきましょう。
ニキビやニキビ跡に大きな効果があるとして有名な「ピーリング」。
一般的なピーリングといえば、専用の薬剤で皮膚表面の不要な角質を溶かすスキンケアです。
古い角質を除去することで毛穴の詰まりを改善・予防し、新たなニキビやニキビの悪化を防ぎます。
更に皮膚の生まれ変わりを促し、できてしまったニキビ跡を薄くする、消すためにも有効です。
ピーリングといえば皮膚に塗る酸にいくつか種類がありますが、「TCAピーリング」と呼ばれるものは大きな特徴があります。
TCAピーリングとは?
市販されているピーリング用品には主にAHAという酸が配合されています。
リンゴ酸やクエン酸などの比較的穏やかに作用する成分が主で、ピーリング初心者でも始めやすい種類といえます。
皮膚科や美容外科などでもよく耳にするのがBHAのサリチル酸マクロゴールです。
このように、ピーリングといえばAHAとBHAの2つに大別されることが多いですね。
ではTCAというと、上記2つの酸より非常に強力なピーリング剤になります。
TCAとはトリクロロ酢酸のことで、これには強い腐食性があります。
強酸性のTCAは肌の奥にまで作用し、敢えて深いダメージを与えることで皮膚の自然治癒力を高める効果があります。
TCAピーリングの主な効果
【クレーター状のニキビ跡に効果大】
一般的にピーリングといえばニキビ改善や予防に効果的なスキンケアですが、TCAの主な効果は陥没した皮膚の治療になります。
多いのがニキビ跡のクレーターですね。
へこんでしまった皮膚の再生を促し、ある程度時間をかけて元に戻していく治療法です。
TCAピーリングの経過や副作用
酸を塗布するピーリングはピリピリとした痛みを感じることがありますが、TCAの使用も痛みを伴います。
塗布した部分はその直後から白くなり、周辺は赤みを帯びますが白い部分は数日かけてカサブタとなります。
カサブタが自然に取れることでへこみが目立たなくなるのが狙いなので、無理に剥がしたりスキンケアなどで取らないように十分注意が必要です。
カサブタが取れるまでのダウンタイムがあるので、広範囲を一気に行うのはなかなか難しいでしょう。
ダウンタイム中はその部分のメイクも避け、保湿ケアや紫外線対策は徹底する必要があります。
濃度や量によっても痛みやダウンタイム期間などが異なるでしょうから、必ずカウンセリングをよく行ってから施術を決まるのが鉄則です。
自宅でTCAピーリングは可能か
ピーリングといえば現在では自宅で手軽にできるアイテムも一般的。
しかしTCAに関しては、日本では市販化することはできません。
ただ自宅で使用している人がいるのも事実で、その方法は個人輸入という手段になります。
認可されている海外のTCA配合剤を購入すれば、自宅でもTCAピーリングができることになります。
【安易な個人使用は危険】
ただし、国内においては専門機関での扱いが基本となるのがTCAピーリングです。
作用が強力なため、自己流で安易に使用すると症状が深刻化するケースも考えられます。
必ずクリニックなどの専門機関を通じて行うようにしましょう。
国内ではマイナーな治療法?
ウェブサイトなどを調べると、専門機関でもTCA自体の取り扱いがあまり多くないほか、へこんだ箇所だけ塗布するなど部分的な使用が基本のようです。
どうしてもクレーターを治したいけど、レーザーなどはどれだけお金がかかるかわからない・・・そういった人が個人輸入を選ぶと考えられます
繰り返しになりますが、個人的な使用は完全に自己責任です。
ネット上では個人の使用体験談などもありますが、失敗談やダウンタイムが大きなネックである、という情報も目にします。
専門機関で受けるにしろ、TCAピーリングを行うには慎重な判断が必要となるでしょう。
参考サイト

注:2016年3月以前の記事はスキンケアアドバイザー資格取得前に書かれたものです。
イラスト:harunaluna
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